あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: 雪白/投稿日時: 2011/10/27(木) 17:06:50
投稿者コメント:
なんだかんだで初回から3ヶ月がたって,ネタも尽きてきた頃に、奴は帰ってきた…。ってか、長ェ…。
今回はかぶきちさんオリキャラが登場します。
すいません!紅猫さん!もうちょっと!少しだけ待っててください!
たぶん、次回には出せると思うので。
伝説の木とかくれんぼ
 徒然世界のポップスターが始まってから、3ヶ月。
 よーするに、リアンレン君が降ってきて、白雪がバカになった次の日です。二人はカービィ+その他の人々に、案内してもらっていました。
 案内というよりは、集団の散歩に近かったのでした。
「はいは〜い、ストぉ〜ップ!」
 リアン君の目の前でカービィが止まります。ぶつかりそうになり、微妙な体制でリアン君も止まりました、が、やはり無理があったのか、ぶつかりました。
 カービィはもったいぶるようにして、右手で木を示していた。
「え〜、左手に見えるのが……」
「カービィさん!そっち右です!」
 ワドルディのツッコミが鮮やかにきまります。
 カービィは瞬時に体をひねり、左手でその「木」を示します。この〜木何の木気になる木〜♪
「木だよ!」
「ただの!?」
 常識人の斜め上を行く回答にリアン君が速攻ツッコミます。
「うん、多分」
『へーへーへーへーへー……』
 白雪がボケのつもりなのか、へえボタンを連打しています。キーホルダーの小さいやつではなく、ちゃんと本物サイズのやつです。そう、瞬間最大風速的に売れてたやつです。
「カービィ、ウソだろ」
 特徴の薄いネズm……ハムスターのリックが言います。『特徴の薄い』は、あえて訂正しません。
「ははっ!そうそう、そうだった!」
 ウソじゃないのかいな、素で忘れてただけかいな。
『へーへーへー』カタッカタッ
 どうやら白雪は、へえボタンを20回以上押したみたいです。横のリセットボタンを真顔でいじっています。
 そんなアホを背景に、カービィは不敵な笑みを浮かべて全員を見回しました。
「そう…この木、実は……」
『へーへーへーへーへーへーへーへーへーへー』現在10へえ。
「空気をあえて読まない高等技術っ!?」
 リアン君のツッコミかも分からないツッコミが入りますが、白雪はそれをスルー。格ゲーコマンドのごとく連打を続けます。
「実は、この木は伝説の木と呼ばれているのだー!」
「ああああ!騒いでたせいで衝撃がめちゃくちゃ薄いぃぃいい!!」
 白雪は再びリセットボタンをいじります。
 そんなアホの二乗を背景に、カービィは、
「伝説の木が伝説である理由はまったくわからないのだー!」
 バカの3乗を繰り出すのでした。
「カービィさんは本物のバカですね……」
「まあね」
 『まあね』なのかよ……。
「さて!木といえばあれだよね!」
 星のカービィにおいて、木といえばウィスピーウッズ。しかし、そんな常識を打ち破るのが彼らポップスターの住民です。
「ジャンケンポン!!」
 カービィの声に、リアン君や白雪も何故か反応。ポップスターの住民以外も色々とすごいですな。
「リアンレンさん〜、負け、ですよ〜?」
 スローペースマンボウが言います。奇跡的に一人負けのリアン君。
「じゃあ、10秒数えたら探しに来てね〜!!」
 カービィはそういいながら離れていきました。リアン君は体を木に近づけ木の方を向いたままカウントを開始します。まさか、木の関係性ってここだけ?
「じゃあ、いくよー!いちさんごーはちじゅうスタートぉ!」
「リアンくぅん!?」
 ツッコミの悲しき『さが』である。ワドルディは反射的に立ち止まってしまいました。
「ワドルディみっけー!」
「いや、そんな高速じゃ誰も隠れられないです!」
「え?」
「え?じゃなくて…」
 そして、誰もいなくなった…。
「早すぎませんか!何でもうみんないないんですか!」
「ということでワドルディみっけー!」
「え〜……」
 こんな感じで、小規模で(約10人)、大規模な(ポップスター全土)、かくれんぼが始まったのでした〜……。


 作者:はい!というわけでね、参加者をまとめてみようかと。
 カービィ、ワドルディ(捕)、カイン、リック、ナゴ、リアン(おに)、白雪、グーイ、Unknown
 ……Unknownってなんだ。


「……まさか…カインさんも高速で動けるとは」


          ―☆―☆―☆―


 しかし、カインは予想を裏切り、リアン君とは木をはさんで反対方向に立っていたということでした〜。盲点盲点。
 なんてことがあったわけですが、カインより恐ろしい(ボケをかます)ひとなどは、やたらと沢山いるのがこの小説でして……。
「リアン君、あれ……」
 リアン君は、ワドルディの指差す方向をみました。


  _____
  |PULL|   こんな看板が茂みから生えていた。
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


そして、その近くの地面に


    ↑
だみーorとらっぷ


「「どのみちハズレじゃない(です)か!!」」「そうですね〜」
 誰が仕掛けたのかわからない、というか、存在自体訳のわからないもの。
「リアン君…?何を?」
 それにリアン君は近づいていきます。
「ワドルディ…おいらには分かっているんだ。これは嘘なんだと」
「駄目です!もしこれが本当に罠だったら…!」
「Good luck」
 妙にかっこいい言葉を放ち、リアン君はそれを引っこ抜きます。

 すぽんっ

 綺麗な音でそれは引っこ抜けました。そして、それの先には、
「白雪か!」
 へのへのもへじチックな白雪型ダミー人形がくくりつけられていました。
「ねえ、ワドルディ。ダミー人形って確か『あめふと』の体当たり練習に使うものだったよな」
「そう…ですけど……」
 その返事をまっていたリアン君。
「だぁらぁあああああ!!!!」
「たいあたりですか!!?」
 35だめーじ!

 直後、人形が爆発しました。

 中から出てきたのは、
『チキン』
 と、書かれたメモ。そして、チキンのころもの材料。
「リアン君…?震えて、ますけ…ど…?」
 リアン君は手をゆっくりと前に突き出し、
「ナイスギャグ!」
 親指を上に立てたのでした。
「ココロ…広いですね……」
 ワドルディがまぶしそうに、リアン君を見ていた。その目には、哀れみも込められていました。


          ―☆―☆―☆―


 カインに体を水で流してもらい、かくれんぼの続きにもどるリアン君。
 3人が森の中を探し歩いていると、ワドルディがリアン君に話しかけました。
「リアンくん。やっぱり普通に探してるだけじゃ見つからないんじゃないでしょうか……」
「なんでさ?『普通』のかくれんぼだよ?」
 リアン君はまだ知らないのです。

「……『普通』のかくれんぼ?冗談じゃないですよ」

 彼らの遊びがどれほど命がけか。
「……え?」
 ……さっきの台詞、ワドルディがワドルディでなくなった気がする。
「どういうこと?」
「カービィさん達が、勝ち負けのあるゲームをするとどうなるか…。それぞれの能力を最大限に活かして、全力で挑むのです。それに、新しくきた白雪くんだって、カービィさん達と同じオーラを纏ってますし……」
 思い浮かべてみて、なるほどと思ってしまうリアン君がいます。うん、あいつも確かにバカだ。
「あの人達が、全力を出すと、どうなるかわかりません。先ほどのようなものが更に過激になって出てくるかも知れません……」
「う…、それは確かに一理ある」
「油断してると、命を落としかねません」
「そこまで!?」
 そこまで!?さすがの回答に作者もリアクションをとってみる。
「そうです。と、いうわけで」
 気が付くと、森を抜けていました。目の前に広がっているのは、
「ここを探しましょう」
 ここは草原だった。見まごう事なき草原だった。うん、見晴らしいいね。
          ・
          ・
          ・
「いや、草原かよぉぉおおおおぉおぉお!!!???」
 おいらのツッコミ間違ってないよね!?と、リアン君は作者のほうを見る。絶対間違ってないよ。
「はい。それ以上でも、それ以下でもありません」
「いきなり冷たくなった!?なんで!?」
「さあ〜、行きましょう〜?リアンレンさん〜」
「カイン……君が天使に見えるよ…」
 ワドルディは振り返って、
「天使がみんな優しければいいんですがね」
 意味深な発言を残しました。……え?なんか、そのフラグの立て方恐いんですけど!?作者そんなのしらされてませんよ!?スタッフ〜!
 次の瞬間、ワドルディの表情が明るいものに変わったのでした。あ、いや、スイートスタッフちゃうねん。てか懐かしーな〜。
「さあ、行きましょう!」
 みんな何も言わない。疑問があっても、あえて言わない。恐かったから。マヂで。
「でも〜、どこから探します〜?」
「う〜ん…どこから探しましょうかね……」
 そのとき、リアン君は見ました。初めて見ました。一面の地雷という奴を。
「いやワドルディカインストーップ!!」
「「はい!?」」
 二人はピタッと止まってくれました。
「そこ、地雷がむき出しで大ッ量に仕掛けられてるんだけど!」
「あ、ほんとですね〜」
「僕はてっきりこれがマンホールだと……」
「ただっ広い草原に!?」
 なんどでも言おう。ここは草原だった。見まごう事なき草原だった。うん、見晴らしいいね。
「これがあの人達の本気!?」
「手加減されているとは思いますが……」
「これで!?」
 妥当なツッコミである。
「この間なんてカインさんの家にカービィさんが酔っ払ってストーンボム置いていきましたからね」
「ウソでしょ!?カイン、ウソだと……」
「ありましたね〜。あの時はジョーさんにお世話になりました〜」
「何がおきて助かったの!?」
 唐突に、カインがリアン君にハイドロ○ンプを発射しました。
「ふぅぉおおおおお!!?!?」
 リアン君に、『ネオ』が宿りました。
 すばらしくマトリックスだったと思います。それは本物よりもマトリックスでした。彼らにとってのマトリックスがどんなだったかは想像にお任せします、というやつですが。
 そんなわけで、ハイド○ポンプはリアン君の頭上を越えたわけで、そんでもって、リアン君の後ろには背の高い草むらが生えていたわけですが、

 その全てが上下に切り裂かれちゃいました。

 なんスかっ!?フィールドで行う『いあいぎり』かなんかですか!?
「見つかってしまいましたか……」
 周りに散る草や水滴の中、爽やかな笑顔を見せるのは……。
「グーイさん、隠れ方が雑でしたね〜。もしかして、なにかここに用があって来たんじゃないですか〜?」
「相変わらず鋭いですね…。その通りです」
「実は、リックさんとナゴさんが競うように『『陸は俺のテリトリーじゃー!!』』と、言いながらばら撒いた地雷を、二人にばれないように回収しに来たのですが……」
「あの……」
 リアン君が何か言いたげですが、
「僕達がいたということですね」
 スルーされました。
「そうです。だから隠れていたわけですが、ちょっと心拍数が上がってしまいまして……」
「心配して下さったのですね、ありがとうございます」
「いえいえ」
「いや、だからさ」
「「「はい?」」」
 やったー!こっち向いてくれたー!と、リアン君が泣いて喜び、落ち着くまでに数分。
「なんでさっきのアレの後にそんな当たり前のように会話してるの?」
 そう、これが聞きたかったのでした。
「「「日常茶飯事ですから」」」
しかし、答えはあっさりとしていました。
「え〜……」
 そうして、リアン君の脳内名簿で、ポップスターの住民全てに『DANGER!』という言葉が追加されることになりました。


          ―☆―☆―☆―


 また同じように探しあるっていると、こんな意見が出てきます。
「カービィさんから見つけたほうがいいと思いますよ?」
「え?なんで?」
 リアン君の質問にはカインが答えてくれました。
「カービィさんは〜、今の時間にもご飯を食べるんですよ〜」
「今の時間に『も』!?一日何食なの!?」
 現在、午後2時。
「10食ですね〜」
 それでも我慢してるみたいですよ?と、付け加えられたのですが、リアン君の右の耳から左の耳にその言葉は抜けていってしまったのでした。一日10食……ウソだろ…?(あくまでこの小説内での設定です)
「ん?ってことはカービィは今…!」
「そういうことです」
 全員の足が止まりました。目の前にあるのはファミレス。……何でこのひと達はこんなに間を計るのがうまいんだろうね。
 店に入ってみると、実は珍しいファミレスで、前払い制です。もちろん、全員ドリンクバーを選びました。適当に歩き回ってみると、積み重なったお皿の東京タワー(スカイツリーの可能性も捨てがたい)を見つけました。リアン君はその席に座っていたひとと目が合いました。

「「あ」」

「カービィみっ……」
「ルール変更!タッチされるまでセーフっ!」
「なにぃいいいいい!!??」
 それを言うと同時に、カービィは出入り口に向かって走り出す。少し遅れて、リアン君達も後を追います。ありがとうございましたー。という店員(リック)さんの声にすこし罪悪感を感じる4人。ゴメンね!店員さん!
 しかし、4人が外に出たときにはタイヤの跡しか残っていませんでした。
「ホイール能力ですか…厄介な能力です」
 グーイがぼそりと言った。
「そこ、どいてもらえますか〜?」
 そのとき、荷物をのせたカートを押してくる従業員(ナゴ)が店内から出て来ました。
「あ、はい、すいません」
「にゃー、ありがとうございましたー」
 ゴロゴロと音をたてて去っていくカート。あなたも分かっているでしょうが、ナゴとリックは見事にスルーされました。
 グーイが口を開く。
「では、諦めて他の人の捜索を始めますか」
 そして、捜索が開始する、はずでした…。
「あれ?」
 教会のところまで歩いてきたとき、リアン君は気が付いたのです。
「なんか、影が…?…上からなにか落ちてくる!」
 みんなも空を見上げる。
「親方ー!空から「ラ○ュタ発言は控えてください」あ、すいません」
 リアン君は台詞をグーイにとめられました。
 某映画のように(目は開いていたのですが)青い服を着た人型の女の子はちゃんとリアン君のところに落ちてきました。めっちゃ高速で。
「それは無いって!!」
 そして、見事にリアン君に命中。
「いったぁ……」
 落ちてきた女の子は彼らと同じぐらいの身長でした。
「っと……。誰?」
「人に名前を聞くなら自分から名乗ってください」
「おいらはリアンレン。その台詞お気に入り?」
 女の子は少しムッとした表情を見せたが、名前は教えてくれました。サフィーという名前だそうで。
「サフィーちゃんか〜。いい名前だね、一緒にお茶でもど「拒否します」ですよねー」
 リアン君、台詞を最後まで言う前に敗北orz
 グーイはさっきまでとは違った、どこか緊張感を漂わせる雰囲気をつくり、サフィーちゃんに話しかけます。
「で、あなたは誰からの命令で来ましたか?」
「え?命令…?私に命令をするひとはいませんが」
「あなたはダークマター族で間違いは無いですよね?」
 そうだったのかー!
「それは間違いないですけど……はっ!」
 サフィーちゃんはいきなり身構えました。
「まさかあなた方はいつも追っかけてくる人達の仲間ですか?」
「いやいやいや!!何でそうなるの!?」
「覚悟してください…!」
「作者もストーリー作んの面倒くさくなってきたのか!!」
 リアン君のツッコミも空しく、戦闘開始の図に。
「戦うのは好きじゃないんだけど!」
 リアン君の突っ込みはスルーされやすいようです。サフィーちゃんの周囲が輝き、
「燃え尽きてください」
 炎の弾幕ができた。え?スペルカードじゃありません。


          ―☆―☆―☆―


「これはひどい!」
 まだ、誰もダメージは受けていないのですが、それはサフィーちゃんも同じでした。ただ、リアン君達は防戦とか回避一方でした。弾幕はどんどん『あ゛〜』ってことになってゆきます。
 4人はそれぞれ、なんだかんだで掠りながらも高速で動いて避わしてます。いや、だから掠ってもポイントはたまりません。
「誰か、打開策、ない〜?」
「僕は、ない、ですー!」
「私も、なにも、思い、浮かびま、せんね」
「私も〜、防御で、いっぱい、いっぱいです〜」
「そうか〜」
 このやり取りを何回やり取りしたのでしょうか。
「とりあえ、ず、よけ、続けて、いけば、何とか、なるよね!」
 この台詞も何回言ったのでしょうか。
 そのとき、ピタリと弾幕が止んだ。
「なかなかしぶといですね…。なら量よりサイズです…!」
「質じゃないんですかー!」
 ワドルディは鋭いツッコミをしましたが、それどころではなかったのです。
「これはよけられませんよね?」
 確かによけられないでしょう。それは、まるで……
「元気玉ですか?」
 カインの声が珍しく震えていた。だから、
「いいえ、ケフィアです」
 リアン君は元気付けようとしてみたのでした。
 火球の核はマグマのようなうごめく火の塊のようなものでした。そこから熱気があふれ出ています。
「消えてください」
 火球は放たれました。真夏の太陽にさらされたように、肌がじりじりと焼かれていきます。ド○ゴンボールだったら、『太陽よ、今頼れるのはお前ぇしかいねぇ!』なのに…、まるで逆です。
「これは……終わりましたね」
 そんな誰かの呟きはワドルディの右の耳から左の耳に抜けていきました。そんなときでした。

「スプラッシュ!!」

 スプラッシュと言いながら水しぶきなんて量じゃない水の波動が火球を貫きました。誰やねん。みんな、そう思って振り向きました。
「みんな無事!?」
 そこには桃色の戦士がいた。頭には見たことのない、水を噴き出し続ける『わっか』がのっていました。
 ワドルディは驚いた様子で、
「そのコピー能力は!」
 すると、カービィは作者、ではなく読者へ向けて言いました。
「そう!新コピー能力のウォーター!ということで星のカービィWiiをよろしく!」
「さらっと宣伝!?」
 そんなリアン君のツッコミを完全に無視して、カービィはサフィーちゃんの方を見ました。ツッコミスルーする人多いな!
「君だね?僕でも分かるほどの力を放出している」
 カービィはリアン君達のほうを見て
「流れ弾の処理お願いするね。村の方向に行きそうなのだけでいいから」
 二人は無言で向かい合う。それは、長く、短い一瞬でした。
「「ッ!」」
 二人は互いに技をぶつけ合う。残された4人は言われたとおり流れ弾の処理に徹底する。それぞれが羽、水、槍、コピー。それぞれの能力で対処をしていましたが、村の方向に行きそうなものだけの対処でも、ギリギリでした。
 まるで暴風雨のような弾幕の嵐の中心にいる二人は、次元の違う戦いをしています。サフィーちゃんの力は、星の戦士と拮抗していましたが、属性の相性のせいか、サフィーちゃんが押され始めています。
「ぐ…!」
「そこ!」
 サフィーちゃんが一瞬怯んだところにカービィの放った水の槍が襲い掛かるのが見えました。そして、

 水が凍りつきました。

 サフィーちゃんはスピードの落ちた氷の槍を触れずにコントロールします。
「私の能力は、なにも炎だけではありません。油断しましたね」
『へー』
 そして、氷が槍の形のままカービィめがけて投げ返されます。カービィは動かない。しかし、そこで、氷の槍が砕け散りました。
「同じ能力を持った人は結構たくさんいる。僕は氷とかは専門分野に入ってるし、あなたに氷バトルでは同等か、それ以下で戦える自信がある」
 へえボタンを持った白雪でした。名前のままで能力にひねりがないと、みんなが思ったであろう。というか、『それ以下の自信』って駄目じゃないスかね?それと、
「まだへえボタン持ってたの!!?」
「お気に入りです」
「それとさっき!会話にそれで応答したよね!?」
「気のせいです」
「10文字以上の台詞を言ってよ!」
「ハイテンションですね」
「10文字ジャスト!?そんな才能!?」
 リアン君のツッコミをことごとくボケ(?)で返す白雪。そんなことをしているうちにアイコンタクトその他もろもろで、全員作戦はばっちりです。ある意味高度。
「ええいっ!」
 ワドルディが槍を投げました。それが合図で、それと同時にみな一斉に突撃をかけました。それだけの作戦だった…それだけ!?
 みんなはなんでこんな作戦にうなずいたのだろう。
「無様な作戦ですね」
 サフィーちゃんもそう思ったみたいですね。魔法を発動する。
「アースクエイク」(直訳:地震)この『かっこ』の中身いらなくない!?自分で書いたくせに、私はそう思った。
 みんな吉本芸能にスカウトされそうなズッコケをしました。でも、リアン君は違います。彼には羽が生えているのだから。
 油断していたサフィーちゃんめがけて羽を飛ばします。どんだけみんな油断しとんねん。
「フェザーガン!」
 リアン君は優しいので(作戦で決まっていたこと、という理由もあるかも)、もちろん直接は狙わずに、わざと外して投げました。サフィーちゃんはそれに気づかず回避行動をとり、

 こけました。

「吉本に入れそうなひと多すぎない!?」
 のちに分かったことなのですが、サフィーちゃんは運動オンチだそうで。


          ―☆―☆―☆―


 みんなでサフィーちゃんを囲んで説得を試みるようですね、はい。
「じゃあ、話し合いを再開しましょうか」
「どうぞ」
 グーイの言葉にサフィーちゃんはおとなしくうなずきました。あんなに抵抗、否、一方的に暴虐の限りを尽くしていたのに?
「えーと、まずあなたを襲ったひとの外見とか覚えてますか?」
 ワドルディの質問に対して、彼女は少し考え、
「私と同族の、黒い一つ目が3体」
 あれ、これって…?
「「「「デジャブだ……」」」」
 この星に元から住んでいるみんなは、暗〜い顔になりました。64ですねわかります。
「いや!あの、これ…何があったの?」
 リアン君は空気を軽くしようと試みましたが、重苦しい空気に負けました。
「いや〜……ね?ちょっとさ」
 カービィは顔を覆って、
「世の中は、ネタのリサイクルだよ…!」
「どゆこと!?」
 暗い顔のままのワドルディがリアン君に近づきます。
「僕が説明しますよ…。サフィーさんと似た外見の知り合いのひとが、その、あの3体の一つ目に襲われたことがありまして」
「もうわかったからそれ以上ブラックオーラを出さないで!絶対それ感染病!」
「それはつまり、私を追っかけてきたひとはあなた方の知り合いと私を間違えて襲ってきたということですか?」
 一瞬の沈黙。そのあとグーイが
「そうであってほしいと願うばかりです」
「そうじゃなかったらどうなのさ!」
 リアン君達がわあわあ騒いでいると、サフィーちゃんが静かに謝りました。
「すみませんでした。勘違いとはいえ、攻撃をしてしまいまして」
 カービィはそれをとめました。
「いいよいいよ。結果ほとんどみんな怪我してないわけだしね。被害もでてないし」
 せっかく感動モノになりそうだったところを、さらにその台詞を白雪がとめました。
「ねえねえ、台詞の途中で悪いんだけどさ」
 そして白雪はあたりを見回しました。みんなもつられてあたりを見回す。あるのは半径50メートルぐらいの焼け野原と瓦礫。
「どうしたの?ここには焼け野原と瓦礫しか…あ」
 リアン君はそこまで言って、気がつきました。そして、みんな気づきます。
「「「「「「……あ」」」」」」
「ここ、教会あったよね?」

『わしの教会がぁぁああああああぁあぁぁぁ!!……』

 そんな魂の叫びが、聞こえた気がします。そういえば、牧師さんは禁固3ヶ月でしたね。
「かくれ鬼ごっこスタート!!タッチされるまで、いや、つかまるなっ!!逃げ隠れ続けろっ!!」
 カービィに言われるまでもなく、みんな一斉にスタートをきっていました。背中に刺さる殺気に、先ほどの戦闘は違った恐怖を感じながら。
「みんな無事に帰ったら鍋でもしよう!だからっ!生きて帰ろうねっ!」


 というわけで、次回は『鍋』の話です。

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