あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: ディン/投稿日時: 2025/11/17(月) 11:31:05
投稿者コメント:
 エアライダーお試しライドが終わってしまった……
発売三日前。 この熱が冷めぬ内に早いとこ投稿したいと思い、急ピッチで仕上げました。

決勝の舞台『シティトライアル島』は、エアライダーの『スカイア』ではなくGC版シティトライアルの舞台の海に浮かぶ島をイメージしてくだされば良いかと思います。
(そもそも発売前なのでどんなイベントがあるのか、完全把握してないので)
第四十六話 決勝の舞台!!
「予選突破した九名、おめでとうございます。 決勝戦は明日この競技場から移動をいたします……」
ウォーキーのアナウンスが会場中に響き渡る。 観客達は全ての予選を見届けると一斉に席を立ち会場を後にする。
二日がかりで行われるこの大会は、まるまる一日を使って予選を行い、その翌日にその年のエアライダー一番を決める決勝戦、つまり本題である『シティトライアル』を行う手筈だ。
既に会場を後にしていた『七彩の暴食』は、ケケが収容されている病室に、予選から参加していたメンバーが集合していた。 応援に来ていた他の面々は他の病人の迷惑になるからと、ブレイドが入室を許可せず、ひと足先に宿舎に戻っている。

「今年は決勝戦に出れるのは九人か……だいぶ削られたネ」
「例年だと、予選にはきっちり四人が通過するグループが出るのにね。 今年は二組目のアドレーヌ、ボンカース、フロスの三人が最多で、後は二人ずつだもんね」

「ところでサファイア……あの時、アイアンマムに落とされそうだったよね。 どうやって復活できたの?」
ケケがベッドで休みながらサファイアに問いかける。 中継を見ていた彼女も、客席から見ていたマルクとピッチも彼の勝利に疑問を持っていた。 あの時アイアンマムにやられたサファイアのワープスターは、誰が見ても限界だったはず。 それは操縦していたサファイア本人が一番分かっていたのだが。
「……最初は後続の参加者達が落ちた時の爆風に助けられたと思ったけど、どうもそうじゃないんだよな……俺も何があったのかはよく分からねえ」
「他の参加者に、アンタの知り合いがいたって線はどうだい?」
ブレイドがエアグライダー用のタブレット端末を手にして操作をしている。 画面をサファイア達に向けると、皆の視線が一斉に集中する。 そこにはサファイアが復帰してレッドに迫ってくる映像が横からの視点で映像に流れている。
「ほら、ここ。 他のマシンが墜落した時の煙でよく見えないけど……サファイアのワープスターの下に、エアライドマシンらしき影が見えるだろ?」
ブレイドが指差すのはタブレット端末の左端の位置だ。 真っ白な煙が充満する画面に一瞬だが黒い影が見え隠れする。 そのすぐ直後に、サファイアがレッドのデビルスターに急接近する様子が映し出される。
「確かに、マシンっぽい影に見えるのサ」
「レッドに……と言うか『七彩の宝玉』に恨みでもある他のギルドが、サファイアに手を貸したのかも」
ピッチの推理にいんやとドロッチェが割り込む。
「残念だが、レッドの奴の攻撃であの時は殆どの参加者が脱落したはずだ。 ドラゴニックファイアだっけか、あの撒き散らした火の粉にやられていく様子を、何より近くで俺が見ている」
「それじゃあ、このマシンは主人もいないのに勝手に飛んできたって事かい? 流石に自動操縦されるマシンなんて聞いた事がないよ」
ブレイドの言葉に、一同は一斉に唸って黙り込む。 そういえばと、サファイアはレッドとの最後のやりとりを思い出していた。
「レッドの奴、そのマシンに関して何か知ってるような口ぶりだった。 アイツなら、この不思議なマシンの正体を知ってるかも知れねえ」
「そりゃいいのサ。 『七彩の宝玉』のメンバー逮捕して、奴らの持ってる情報を引き出す。 この大会の目的と見事にマッチしているわけだ」
マルクは不適な笑みを浮かべて柏手を打つ。 レッド達に勝つ事。 そしてサファイアを助けた謎のマシンの正体を突き止める事。 ピッチはワクワクした様子を隠しきれないようで声がうわずっていた。
「否応に、ギルドのクエストみたいな展開になってきたね」
「この不思議やワクワクを突き止めるのが、一番楽しい瞬間だからな!! とりあえず明日の決勝だ。 そこで勝って全部明らかにしてやるぞ!!」



 ーーそして一方、ここはエアライド会場からはるか先。 決勝の舞台、シティトライアル島。
既に夜も更けて、人影一つもないその島には、森や火山、高層ビルに廃墟群や海岸線……多様な自然や人工物が入り乱れており、巨大な箱庭空間の様子を一望できるように、空には客席が浮いている。
そんな空間を真上から一望できるのが、頂点に黄色い三枚羽が付いている円形の平面空間、『空中庭園』だ。 その空間に三人のティンクルが談合しており、向かい合って居座っている。
「まさに木を隠すなら森の中。 連中もまさかこんな時間に堂々と指名手配犯が居座ってるなんて、予想できないだろうねえ!!」
スノウは大笑いをしながら、山になってるカードから一枚引いて絵柄を見える様に提示する。 それを見た途端に、紫色の姿をした男グレープがあっさり同じカードを手に取り、得意げになる。
「刹那のカルタ取り、これ僕得意なんだ〜」
「いや、これ三人でやるゲームじゃねえだろ、スノウお前仲間呼べよ、アイドランやフロスだっけ。 もっと人数増やして遊ぼうぜ」
「え〜?? 赤君がアドちゃん呼んでくれたら良いよ〜!!」
「この時間だともうアイツ寝てるよ……夜更かしはお肌に大敵だとさ」
「分かった分かった。 それじゃあまだ探索してる灰君呼ぼうよ。 職人気質も良いけど、息抜きさせないとそれこそ朝までコンテナ漁りするよアイツ」
「アイボリーなら……いたいた、あそこだ」
グレープが両手に細いミサイル三機を用意するとそれは真っ直ぐに火山地帯に向かって飛んでいく。 それはしばらくして岩石が集まる場所に飛び込むと一気に発破。 その爆音に驚いたのか、黄色がかった灰色のティンクルが飛び跳ねる。
「っきゃぁ!! 何するのさグレープ!!」
「アイボリー、働きすぎ。 君最後にご飯食べたの何時間前だと思ってるのさ」
「やだなあ、弄りがいのある『伝説のエアライドマシン』が見つかるかも知れないのに、食事する余裕があれば仕事するもん!!」
「ティンクル・ポポにあるまじき発言だよ。 灰君」
スノウが若干引き気味に言い返すと、グレープは地上に降りてアイボリーを引き連れて歩き出す。 まぁまぁと当人を宥めて歩く様子はワガママな子どもと宥める母親だ。
「早くこいアイボリー。 アドレーヌが用意した夜食が冷めちまう」
「わぁい、アドちゃんの手料理!! 灰君、十秒以内にこっち来ないと君のマイナスドライバー凍結させる」
「脅しのレベル低くない?」
アイボリーのツッコミも去ることながら、彼らはようやく円卓を囲んで食事にありつけた。 その最中でそういえばと、グレープが思い出した様に話し出す。
「レッド、スノウ。 ピンクから届いたアレ、もう使った?」
「ああ、準備は万全だ」
「僕も使ったよ〜。 友達騙すのはちょっと気が引けるけど、アレを見せつけられたら、桃君の『仮定』も信じざるを得ないしね……」
スノウは少しばかり残念そうな顔を浮かべて、懐から桃色に光り輝く『ハート』と彼らの腕にちょうどはまりそうな『腕輪』を取り出した。
「当時まだ生まれたばかりのサファイアに、あの日以来会ったと思えば」
「まるで僕らと殆ど大差ない大人になってるんだもんね……いやあ子どもの成長には感動するよ。 僕育ての親でもないのに涙出ちゃった」
グレープとスノウは思い出に耽るかの様に唸っていると、アイボリーはその端を折るように突っ込んだ。
「いやいや、僕らティンクルがいくら他の種族とは成長スピードが早いといってもサファイアのそれは……」
「ああ、明らかに尋常じゃない成長スピードだ。 『解散前のあの事件』から今日まで、冷静に考えたらあそこまで成長するはず無いんだ!!」
「……あの二人が僕たちの目の前から消えたのも、『あの事件』とほぼ同じタイミングだったね、赤君」
スノウの言葉に、腕組みをしてレッドは頷いた。 この漆黒の会場の中で、彼が導いた答えとは。

「俺の結論から話して良いか?? サファイアは、いや『サファイア達』は俺達の目から逃れる為に、このお宝を使ったに違いねえ」
レッドの指差した机の上に、三人の視線は集中する。 彼の推測に異論を唱える者は、誰一人居なかった。
「だったらやるべき事はひとつだ。 あの二人がサファイアの意志を遮ると言うなら多少強引な手を使ってでも俺達が助けるしかねえ」
「親のエゴに絆された子どもってのは、世界一不幸な存在だからね〜。 乗ったよ、赤君」
「アイボリーに『フレンズハート』の最終調整お願いできる?? なんなら使用無制限にできるぐらいに」
「任せなさい!! 『人類の選抜』のため、そして何よりサファイアを助けるためだもんね!!」

 ーーサファイア達とスノウやレッド『七彩の宝玉』の因縁、その決着をつける戦いの火蓋は、この時幕が開かれた。



  第四十六話 決勝の舞台!!



 ププビレッジから少し離れた場所にある丘の上。
そこにはいつから存在していたのかわからない、レンガが積み上げられた朽ちた壁がそびえ立つ。
その正面には、レンガの壁をスクリーン代わりにしようかとばかりにプロジェクターのレンズが向いている。
そしてそれを取り囲むのは、『七彩の暴食』を応援しようと集まったププビレッジの住民達。
「モソから、サファイア達が決勝に勝ち進んだと情報を貰ってから、どうやって皆で応援しようかと思ってましたが……キュリオ殿、本当に宜しいのですかな? このお城は歴史的建造物とお伺いしたのですが」
「何を言いますか。 せっかくの舞台、皆で応援するなら青空の下で爽やかな気分でした方がいい。 きっとこのお城に住んでいたご先祖様もそう仰ってるはずです」
ププビレッジは、かつては王様が統治していた城下町として栄えていた。 その名残のこの壁は、王様が住んでいたと言う大きなお城の一部らしい。

しかし、その歴史も700年前の『ある青年』によるギルドブームですっとんだ。 王様も『四つの穴』のお宝目指してププビレッジを留守にしてしまい、そのまま……と言うのが、このレンガの壁の由来の有力説である。 だが、まあこの村の人達は気ままに生きていく中で、そんな昔の話を正確に伝える者はいなかった。 書物にも残さず有耶無耶になっていく中で、王様の大事な建物の残骸も割と適当な扱いだが、ププビレッジの誰もが気にしていなかった。
小便を引っ掛けようが誰も怒らないし、子どもたちのかくれんぼや鬼ごっこの格好の舞台として、お城の残骸は有効活用されていた。 無論『七彩の暴食』も、この壁で自分達の技の特訓をしたり、やりたい放題である。
そんな由緒ある場所は、今回はエアライドカップ応援の舞台だ。 かぶりつきの席についている子どもたちが一斉に色めき立つと、スクリーンに見覚えある姿が見えてきた。
「入場してきたよ!! サファイアの兄ちゃん達だ!!」




「さあ会場の客席の皆様、そしてポップスター中の皆様!! いよいよ今年のエアライドカップ決勝が幕を開きます!! 舞台はお馴染みシティトライアル島!!」
ウォーキーの興奮を促す様な実況に会場は熱狂の渦だ。 巨大な島の空中には客席が散りばめられて浮いており、予選敗退のギルドや一般観戦者はそこで見れる仕組みである。
『ルールの説明をします。 今年のルールは時間無制限で最後の一人になるまで戦うルール【サバイバル】!! そしてこちらはお馴染みのルール、参加者の皆様には初期マシンとして『ライトスター』に搭乗してもらいます』
ウォーキーの言う通りに、サファイア達が乗っているマシンは『ワープスター』に似ているが、少し一回り小さいマシンだ。 ケケはそれを見て一言ポツリと呟いた。
「なんかすごく弱そうなマシンですね」
「そうじゃ、アレはいわゆる子どもやお年寄りでも扱える様にと、色んなエアライドマシン製造会社がこぞって開発した初心者向けマシン」
「懐かしいですねぇ、あのマシンのエンジン機構はワタクシの会社の物が採用されたのですから」
ハルトマンは少し鼻が高いと笑っている。 そして今度は島中に青や赤のコンテナが降ってくる。
『参加者はマシンを乗り換え、カスタマイズパーツをかき集めて相手のマシンを破壊していきます。 なお、一度マシンを破壊されたらその時点でその人はリタイア!!』
「マシンの破壊について制限は?」
レッドが気怠そうに問いかける。 ウォーキーは誇らしげに咳払いをしてそれに応えていく。
『マシンではなくてライダーそのものを狙ったりしなければ他はルール無用!! 得物の使用、魔法の使用、一時的に手を組むなど戦略はそちらにお任せします』
ウォーキーの説明に、マルクは自身のスタート地点を見渡す。 彼の初期位置は森林エリア。
緑一面の雑木林の奥には激しく流れる川と水車と丘が見える。 自身が乗っているライトスター以外に、青い鳥の様な翼のマシンウィングスター、真っ黒な悪魔の様な翼のマシンデビルスターと乗り換えられるマシンは多彩だ。
「さて、空から攻めるか、地上で暴れるか……」


『コンテナでパーツを集めてマシンを強化するのが先か、ライバルの数を減らして行くのが先か……戦略はプレイヤーに委ねられるワケですが……おっと、ここで早くも動きが!!』
ウォーキーの視線の先は中心街エリアと廃墟エリアのど真ん中、島の中心部に位置するここは見晴らしも良くシンボルの黄色い五芒星の塔が目立っている。
そこにはスリックスターに搭乗したブレイドが剣を構えて鎮座している。
「アドレーヌ!! 出てきな、一騎打ちと行こうじゃないか!!」
ブレイドは辺りを一望できる中心部で大声で叫んでいる。 廃墟エリアの入り組む中には、ルインズスターに変更したばかりのアドレーヌが様子をうかがう。
「返事がないならまずはこの辺りを更地にするよ!! いいさね」
ブレイドはそう言うと近くにあった緑のコンテナを破壊すると中からクラッカーが出てくる。 それを拾い上げると彼女は砲口を廃墟に向けると一気に乱射する。
「ちっ、あのおばさん……ここを更地にするつもりね」
アドレーヌは器用に廃墟の間を縫う様にルインズスターを操作して砲撃を避けて行く。 だが時間が経過する内に、どんどんエリアの視界は開けていく。
細かい破片と砂塵が舞う中で、ブレイドの背後から一際大きな影が!! 砂塵を突き破る様にレックスウイリーに乗ったボンカースは大きな木槌を振り上げてブレイドに突貫する。
「背後がガラ空きだぜ、ババア!!」
「甘いよ若造!!」
クラッカーを放り投げ、ブレイドは自身の剣を後ろに振いボンカースの木槌を受け止める。 木製と金属製の業物でどう言う原理か火花が散ると、ほぼ平地になった廃墟エリアでブレイドとアドレーヌ、ボンカースの三つ巴の形が出来上がった。
「こりゃいい。 予選の注目の的だったライバルさんと、にっくき『七彩の暴食』をまとめてやっつけるチャンスがきたわけだ」
ボンカースは不敵な笑みを浮かべながら、木槌を片手で振り回しながらそう呟く。
「あたしの邪魔をするなら、誰が相手でも沈めるよ」
「ブレイドさん、あなた張り切りすぎて腰いわさないでよ……せめて楽しませてくれなきゃ、ケケよりかは」
アドレーヌはそう言うと、彼女は自分とほぼ同じ背丈の長さの絵筆を取り出すと、それを横一杯になぎ払う。 真っ赤な絵の具がブレイドとボンカースの方向に広がると、絵の具はまるで炎の様に弾けだす。
「情熱の赤!!」
「あっつ!!」
ボンカースは思わず木槌でガードをするが、絵の具が付着した部分から木槌は燃え出した。 ボンカースは慌てて木槌を廃墟に擦り付け、炎を削り消す。
「なんだいその技……昔にいた時はそんな技……」
「いくら味方でも、とっておきを晒すワケないじゃないですか。 こんなのはほんの小手調べですからね……稲光る黄色!!」
アドレーヌの絵筆の先端は黄色い絵の具に。 横に薙ぎ払うとまっすぐ絵の具は伸びて電撃を帯びて突貫する。
「ケケの電撃よりも高威力ですよ!! くらって確かめてみれば?」
アドレーヌは大笑いしながら、勝ち誇ったかの様に叫ぶ。 ブレイドは剣をまっすぐ振り下ろし、電撃と衝突する。
「くっ……!! 偉そうに叫ぶほどではあるさね!!」
剣で受け止めるブレイドの横から、ボンカースは緑色のコンテナを破壊してアイテムを取り出した。 青い盾の描かれた即効アイテム『マッハガード』、一定時間防御力を上昇するアイテムだ。
「これで電撃もクソもありゃしねえ!! クソガキくたばれぇ!!」
ボンカースの宣言通り、彼のマシンレックスウイリーはアドレーヌの電撃をモノともせずに突進して行く。 もう数メートルとアドレーヌとの距離が迫ってきたその時!!

「悪いなお猿さん!! そいつはウチの姐御の獲物だって協定が組まれてるのサ」
デビルスターに乗ったマルクだ。 横滑りでボンカースのマシンと衝突しながら、動線をずらすとボンカースのレックスウイリーは廃墟にそのまま衝突する。
「んなろぉ……てめぇもあの蒼玉の仲間だな!! 邪魔すんな」
「そうか、君はサファイアとピッチが言っていたケケを売り飛ばそうとしていた『森林の暴君』のボス猿だネ。 それじゃあ僕にとっても因縁ある相手になるワケだ」
「……ああ、コイツがいつか聞いたボンカースって奴なのかい」
ブレイドがしばらく上の空になってた後に口を開く。 そんな彼女にボンカースは呆然としたまま突っ込んだ。
「知らなかったのかよ」
「いやぁ、なかなかガタイの良い男が付き纏ってくるって思ってねえ。 ダンナに悪いと思うし怖かったんだよ」
「タチの悪いジョークなのサ」
マルクはそれだけを言うと、デビルスターを発進させてボンカースに突貫する。 廃墟エリアは、ボンカース対マルク、アドレーヌ対ブレイドの図式が出来上がった!!
「アドレーヌの説教はそっちに任せたのサ!!」
「ボスザルの始末は任せたよ、マルク!!」


 火山エリア。 巨大火山の横には小さな穴が開けられており、そこから中に侵入できる仕組み。
奥まで進むと、青い壁が天井まで広がる、その横には地下エリアに通じる横穴が一本一方通行でできている。 そこにレッドは鎮座していた。
「スノウの奴は城エリアで……グレープはこの横の地下エリアか。 そっちは見つかったか?」
「こちらスノウ、今の所コンテナは出てきてるけど、伝説のマシンのパーツは出てこないね」
「こちらグレープ、地下エリアだけど……よいしょ、今の所……うんしょ、青か緑のコンテナばっかりだね……」
グレープからの通信は所々適当な相槌だ。 レッドとスノウは呆れながら彼の様子を伺う。
「おい……お前本当に伝説のマシンのパーツ探してるのか?」
「勿論だよぉ!! だからこうやってコンテナ砕いて……やっほぉ!! 『センサーボム』だよぉ、これで四つめ!!」
「ぶどうくん、赤は赤でも爆弾の攻撃アイテムしか集めてないでしょ!!」
通信機越しにスノウの叫び声が二人の耳をつんざいた。 レッドは片耳を塞ぎながら、半ば呆れる様にスノウを嗜める。
「気持ちはわかるが白玉、お前少し落ち着け……周りにも気づかれる」
「ごめんごめん……ちゃんと試合もこなすよスノウ……もう一度先に謝っとくね」
「ふぇ?」
グレープの唐突な謝罪に、スノウは気の抜けた声で返事をする。 グレープの視線の先には、彼のギルドの仲間の一人であるフロスの姿が。 彼はピンク色の四角形のマシン、ワゴンスターに乗っている。
「スノウ、悪いな。 お前の友達、狩らせてもらうぞ」
通信機越しにフロスの言葉がスノウに届いた。 そこでスノウとレッドは、地下エリアのグレープの様子を把握するに至った。
「ははぁ……なるほど、スノウはアホでも周りの部下はしっかり者の可能性があるぞ、気をつけろグレープ」
「赤君、この試合真っ先に倒すの君にするよ?? ぶどう君、フロスと会話できるなら伝言お願いして良い?」

「スノウから『頑張れ』……と、いう事らしいよフロス君」
グレープは少しばかり意地悪な顔で『けいたいつうしんき』を懐にしまう。 フロスはしばらく黙っていたが、ギルドの仲間の声を聞いていた事で事態を把握していた。
「なるほど、お前がウチのマスターの『かつての仲間』って奴か……」
「スノウってなかなか昔の話しないでしょ? だからお互い初めましてなんだから……彼のギルドの様子を知るためにお茶でもしない?」
グレープの言葉は、余裕からか、それともスノウの現在の状況を知りたい本心か。 フロスはグレープの誘いに乗らずに答えた。
「そいつは、ライトスターに乗りながらでも可能と踏んでの言葉かい?」
フロスはすでに臨戦体制だ。 ワゴンスター対ライトスター。 これは子どもでも決着に予想がつく様な顔合わせだが。 グレープは懐から腕輪を嵌めて、ピンク色のハートを手にかざすと笑顔で答えた。
「なんなら、試してみるかい? 今ここで!!」


 決勝戦開催 六分経過
 リタイア者 九名中0名

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