ただいま、1996年。
_あれから4ヶ月程度経った。
これはとある日の夏だ。
あかねは久しぶりに1996年に行くことにした。
もちろん友達も誘って。
ともの家のインターホンをおし、元気に言った。
「おーいともくん、1996年に行こうぜ!!」
「わかった…っって!ちょっと待ってよぉー!」
相変わらず元気なあかねとともの声が響く。
落ち着きのないあかねは、とももついていけないスピードで走っていった。
しばらくして、あかねの家の前にともがやってきた。
「もー、早すぎだよ……。」
「ごめんごめん。ついつい楽しみにしてて…。」
あかねの家にともを入れると、あかねの部屋に案内した。
「ともくん、1996年に行く方法を教えてやるよ。」
「そういえば、マルクが教えてくれたんだっけ…?僕、忘れちゃったなぁ…。」
「まぁ久しぶりだし、もう一度教えるぜ!」
あかねはウインクをすると、ともをクローゼットの中に連れ込んだ。
バタンとクローゼットの戸を閉める音がした。
「わわっ!なにするんだ」
ともはどうやら、行き方を忘れているようだ。
「静かに。目をつぶって心の中で10数えてくれ。そして1996年の景色を思い浮かべよう。そうすれば行けるはずだ。」
それにしたがって、ともは目を閉じた。
すると、自然に1996年の景色が思い浮かぶ。
すると、いくつもしないうちに見覚えのある景色が。
「よっしゃ!ワープ成功!ともくんも超能力者じゃないか!」
「あははっ、冗談だよっ……て、え!?」
ともは目を見開いた。
「えっ…、、、まさか、、ここって、、」
驚きで声が出ないようだ。
「もっちろんさ!ここは1996年だぜ。さっ!早くおじいちゃんの家に行こう!」
落ち着きもなくあかねは駆け出した。
「あぁぁ!あかねちゃん待ってよーーー!!」
相変わらずあかねの勢いについていけないともだ。
2人は昭和の景色がうっすら残る小道を走っていった。
あかねたちのやんちゃな夏の始まりなのであった。