あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: ディン/投稿日時: 2022/06/26(日) 23:50:29
投稿者コメント:
次回から新章に入ります。
自己満足の更新で低速になりますが、これからもどうかよろしくお願いします。
第十八話 決別と決意
「アドレーヌ……もう、許さないッ!!」
ガントレットを振りぬいて、ケケが放った攻撃。 電撃はアドレーヌに一直線に飛来し彼女のと距離をどんどん詰める。
そんなケケの攻撃を、アドレーヌはうっとりとも呆然ともとれない表情で眺めていた。 その表情から感じ取れるのは――見下すような。
「ケケ、あなたの攻撃は私には――」
そう言った途端にアドレーヌの胴体にインディウィップが巻き付いた。 一重二重と彼女の腰をしっかり捉えると大きく後ろへ引き飛ばす。

「馬鹿野郎、アドレーヌ!!」
レッドだ。 アドレーヌの相方であり、七彩の暴食の一員である彼はケケの放った攻撃に敏感な嗅覚で警戒心を高めていた。
アドレーヌをその電撃の動線から引き剥がすと同時に地面をえぐるように電撃は通り過ぎる。 やや黒焦げた地面からはかなりの攻撃力がうかがえる。
「……何、あれは」
アドレーヌは冷や汗交じりにその光景を眺めた。 彼女も、ケケと腐れ縁だ。 ケケが電撃の魔法を扱えることも、彼女の魔法の腕が未熟なのも知っている。
ただ、今見た一連の光景――それは、『未熟』の言葉を取り下げるのには十分すぎるものだった。

「……すごい、すごいよ。 これ」
何より、それに驚愕していたのはケケだった。 まるで自分が放ったのとは思えないと言いたいほどの狼狽えようの顔。 マルクの方を振り向くざまにケケは叫んだ。
「マルクさん、すごい!! 前より強いし……全然、痛くない!!」
ドロッチェが作ってくれたガントレット。 それはケケの長い間の弱点だった『手の皮が焼ける』のを完全に克服するものだった。
「ああ、スゲエだろ。 後でドロッチェにお礼言っとくのサ」
マルクも、誇らしげにケケの言葉に返すもその光景にレッドは舌打ちをする。 彼とアドレーヌにとっては、『望遠鏡』を奪って最低限の口封じをして立ち去る。 これが計画だったはずなのに。
「クソッ。 お前もいい加減に理解(わか)れよ。 サファイア」
レッドの足元からはひときわ大きな炎が噴き出したかと思えば、すぐに彼の足元から冷たい冷気がまとわりつく。 サファイアの冷気が、彼の足止めになり完全にアドレーヌへの援護を妨害していた。
「アンタがアドレーヌを説得して、ここから立ち去るなら、やめてやるよ。 レッド」
「ふざけるなよ……スノウから免許皆伝してもらってないレベルの『アイス』で、俺を止められる自信があるのか」

レッドの炎の色が、どろどろと溶岩交じりに変化する。 サファイアが作り出した冷気の上にそれが落ちると一気に固まり、氷の大地が瞬く間に岩盤の地に変化する。
「ボルケーノファイア……だっけか。 それはまずい」
サファイアが一気に冷気を解除し、レッドから一旦距離をとる。 レッドの『ファイア』が別物のように変化――否、進化したのだ。
「こっちはこんな場所に長居するつもりはねぇんだ。 ピンク、俺たちの計画のためには一瞬一秒が惜しい」
レッドの言葉に、ドロシアの耳が反応した。 『計画』――彼らの言葉を聞いて、ドロシアはついこの間のことを思い出した。

「――ガメレオアーム様を、殺したのは。 それが理由だね?」
「ドロシア様?? ガメレオアーム様って――」
ケケは、ドロシアの言葉をオウム返しする。 彼女も知っている、その名前の指し示す者の正体こそが、レッドが操っていてケケを守るためにドロシアが抑えた相手。
ドロシアは、一つうなずくとケケの横に立ち、静かに口を開いた。
「ケケ、そしてケケの仲間の――サファイア達、あんたらには嘘をついて申し訳ないと思ってる」
「う、嘘だって?!」
ピッチの言葉を、待ってたようにドロシアは一息ついて話を続ける。 それはつい先日まで、必死にケケを連れ戻そうとしていたドロシアからは想像もできない話では合った。




第十八話 決別と決意




「別に、儀式をほっぽかしたら皆殺しとか、ありゃしないのさ。 あれは外敵から『望遠鏡』の居場所が不定期に持ち主が入れ替わってると思わせるための、カモフラージュ」
手のひらをひらひらさせながら、あっけからんとした表情でドロシアは言い放つ。 ちょうど、あいつらみたいな侵入者への時間稼ぎのためにね。 とも。
「ただね、ガメレオアーム様も長年生きていられて年の功――とでもいうのかね。 自分の死期を悟っちまったみたいでね」



 これは、ドロシアがケケ達と出会いに『真紅の窮鼠』に乗り込むほんの数日前の話。
「ドロシア、俺多分明日にでも死ぬわ。 いや三日後かな」
穴の奥底に、ゴロゴロと大きなカメレオンのような姿の怪物が転がりながら呟いていた。 ドロシアは、そんな彼の前にある岩に腰かけて、そんな話に耳を傾けて――。
「何言ってるのアンタ」
見事にフランクな態度をとって答えて見せた。 まるで長年来の親友かのように、フレンドリーというか、家族みたいというか。
「ずーっと生きていたらな。 こんな地下深くで暮らしてもわかるんだよ。 明日は雨だとか、今日のあそこの民家はシチューだとか」
「それで、ガメレオアーム様は近いうちにお亡くなりになられると」
ドロシアはやや呆れたように、小馬鹿にするように敬語交じりにこたえて見せた。 ガメレオアームは、ドロシアの嫌味になんら怒ることなく、笑って対応する。
「くくく、亀の甲より年の功だろ? 人生の先輩の話は真面目に取り合ったほうがいい」

ケケとアドレーヌの故郷。 そこは『四つの穴』が近くにある。 世界中のギルドが血眼になって探している場所のすぐそばにある。
そんな場所に故郷があれば、まず間違いなく壊滅状態か、共存状態か。 ドロシアは後者を選び、穴の主であるガメレオアームとコンタクトをとっていた。
もちろん、彼女も最初からガメレオアームと仲の良い状況を作れたわけではない。 それはドロシアが子供のころになる。

「俺への生贄にとお前が来たときは、どうやってヒトガタを食ってやろうと心底悩んだものだ」
「ガメレオアーム様は、人を食べないですものね」
ドロシアの言葉に、ガメレオアームは何度もうなずいた。 もう、首がもげるように何度も、何度も。
「ったりめぇよ!! ティンクル、ヒトガタ、アニマ――色んな種族がこの世にゃたくさんいるが、そんなもの好き好んで食べる奴なんて、妖怪か化け物だろうが!!」
自分はそうではないと、主張するかのようにガメレオアームは叫んだ。 彼が好きな食事は、酸っぱくないフルーツと時々迷い込んでくる小虫らしい。

ティンクルとは、一頭身で手足も指を持たない姿のものをいう。 サファイアやレッド、マルクがそれに該当する。
ヒトガタは、身体の部位がそれぞれはっきりしている姿のもの、ティンクルより等身のあるもの。 ケケやアドレーヌもそうだし、少し異形だがドロシアもヒトガタに含む。
アニマは、元々動物の姿とハッキリわかるもの。 ピッチがそれの種族に当てはまる。

「いいか、お前の村の若いやつ、ケケとアドレーヌっつったか……どっちかに『望遠鏡』を預けさせて、話をつけろ。 俺が死んでからじゃこの村は悪の手に間違いなく陥る」
「そうなれば、村のみんなは全滅する」
ドロシアも冷や汗を見せて答える。 ガメレオアームの話は、村のための説得だった。 化け物としての、取引などではない。
「お別れだ。 ドロシア、悪の手に『望遠鏡』が渡る前にケリをつけろ――『願い星』は、奴らの手に渡してはいけないんだ」




    ――七彩の宝玉には、特にだ。




「悪の手だなんて。 人聞きの悪い事も言うものね。 土地神様も」
アドレーヌは鼻で笑うように手を振って、対応する。 彼女の足元には巨大なビッグメタルンの群れが幾つも描かれており、実体化する。
「ケケ、あなたの電撃でも、メタルの能力者にはまだ敵わないでしょ? この子達で遊んでいてね」
「うわー、昔と変わらずに性格悪いのサ」
アドレーヌが実体化したビッグメタルンを包むように、大きな光が通過する。 マルク砲があっという間にそれを片づけると、黒煙を口から吹き出しマルクがニヤリと睨む。
「マルクさん!! アドレーヌの実体化は」
「わかってる、あいつの筆がある限り永遠なのサ」
そう、アドレーヌの実体化は何も彼女の力だけのものではない。 彼女の持つ水色の筆、それさえ無力化すればほぼ大勢は決する。
そして、描かれた絵の中身は、実質は絵の具。 それを打破するには。

「水をぶっかければ、私の力は無力化される。 でしょ?」
アドレーヌだ。 まさにケケが考えていたそれの答えを、なんと張本人である彼女が答えたのだ。
それはまさに自殺行為を意味する。 冷静に考えて、自分の弱点をあっさり開示するなど常人の考えでは到底あり得ない。
ただし、絶対的な自信があればの話ではある。
「ねぇ、最初にここに来た時。 大きな火事があったでしょ? ――どうして水をかけた消火活動がされてなかったと思う?」
アドレーヌのその言葉。 絶対的な自信。 彼女の弱点もあっさりさらけ出したその理由が、そこにはある。

「まさか、アドレーヌ……あなたっ」
「まぁ、近くのため池から改めて水を引っ張れば、一週間もあればライフラインは元に戻るんじゃない?」
くすくすと、嘲るような笑い声。 もうここまでくれば救えないと、ケケは心底感じてしまった。
「あなたは!! 友達のアドレーヌじゃない!!!! 本物のアドレーヌはどこ!!!!」
「ここにいるじゃない、目の前に」



 ああ、違う。 違う、違う、違う。

 ケケの知っている、彼女の知っているアドレーヌはそんなはずではなかった。

 そう信じていた、最後に、ごめんなさいと頭を下げさえすれば、分かり合えると思っていた。

 人類の選抜、そんな彼女の話も、聞いてあげれば目を覚まして上げれるのではないかと、思っていたが。 ダメだ。

そして、ケケの腕からはもう眩いほどの電撃がほとばしり、血眼がアドレーヌをとらえた。 涙で、視界が霞んでいる。

ケケのすぐそばに、サファイアが吹き飛ばされて転がってきた。 ピッチがすぐに駆け寄り、彼の肩を取り持つ。
「サファイア!! しっかり!!」
ピッチに肩を貸してもらったサファイアは、口からの血をぬぐって目の前を睨む。 レッドがアドレーヌの横に立ち、サファイア達を見下すように仁王立ちする。
「終わりだよ、サファイア。 最後にこれだけ聞いとこうか。 アイツからの伝言でもあるからな」
その言葉に、ケケ達も身構える。 レッドは、肩で息を吐いて、穏やかな声色で『伝言』を伝えた。

「君にその気があるなら、トモダチを連れていつでも帰って来るといい。 協力してほしい――との事だ」
「ピンクも、つくづくお人好しだね」
アドレーヌが、呆れるように笑みを浮かべる。 ケケやピッチ、マルクはその言葉が何を意味するのかは分からないが、サファイアはそれを聞いた途端に笑って腰を下ろした。

「ばーか、アンタらの計画なんて親父とお袋が殺された頃から、大反対だよ。 仲間にしたいなら、お前から出るとこ出て話ししろって、伝えとけ」
そして、サファイアはすぐに横にいたケケに耳打ちをする。 しばらく、黙ったまま聞いていたケケだが、その話が終わった途端、ガントレットから電撃を一筋――天にかざした。
「何をッ!!」
アドレーヌが空を見上げる。 ぴしゃりと、ケケが放った電撃が空の雲を刺激し、ゴロゴロと空が轟いた。
「レッド、あんたの炎と俺の氷。 上手い具合に蒸発されて、水蒸気になるだろ。 で、俺はそれを見計らって空に向かってずっと冷気を出し続けてきた」
ポツ、ポツとアドレーヌの肩や肌にもそれが降り注ぐ。 マルクが吸いきれなかった延焼してる火事も、やがて雨水に勢いが殺されていく。


「ほんの小さな雲だったけどな、まぁこんな小さな村の火事消し去るにはちょうどいい大きさだろう」
「は? サファイアお前今更そんな事で俺たちをどうにかできると思ってるのか、バカだな」
レッドが、身体から炎を一気に噴き出した。 すると、彼らの周りの雨水はあっという間に蒸発する。
「この程度の水、意味ないんだよ」
「ああ、だからそれ囮ね。 狙いはアドレーヌ」
サファイアの指さす先。 アドレーヌが持っていた筆はサファイアの氷で完全に地面とくっついて固まっていた。 サファイアが降らした雨で完全に濡れて、凍りやすくなっていたのだ。
「ピッチ」
「任せろぉ!!」
ピッチがすぐさま自分の質量を増加させ、アドレーヌの凍った筆に体当たりをする。 筆は真っ二つに見事に割れると、すぐさまマルクがアドレーヌとレッドの前に陣取り、身体を二つに分裂させる。
「まずい、レッド!! 飛んで」
「お、おう!!」
アドレーヌの合図にレッドは懐からエアライドマシンを取り出し彼女の手を取り飛び上がる。 マルクのブラックホールはあっという間に吸引を開始し、アドレーヌの筆を一気に吸い込んだ。
エアライドマシンで飛び上がろうとしたレッドの腕には『望遠鏡』が。 しかし、それを阻止せんとケケは『望遠鏡』にしがみつく。
「……おい、どけ」
レッドの、精いっぱいの威圧に、ケケはいたずらっぽい笑みで、電撃を含ませながら、言い返す。
「嫌だ。 ――って、言ったらどうするの」
エアライドマシンのすぐ下には、避難していた村人たちも集まっていた。 みんな、ケケとサファイア達の戦いを見て、いてもたってもいられず、男手皆で集まってきたのだ。
「……すまねえな、こっちはそういう脅しは慣れてるんだ」
レッドが無理やり『望遠鏡』を振り回すと、ケケはそれに振りほどかれてエアライドマシンから振り落とされる。 「危ない!!」と、誰かが叫んだがその間に、マルクがケケの手をつかんで地上へ落されるのを阻止した。

「さようならケケ、ドロシアさん」
アドレーヌが、最後にそんな言葉を残した。 それは永遠の別れという意味か、それとも――。







 ――「お別れだ。 ドロシア、悪の手に『望遠鏡』が渡る前にケリをつけろ――『願い星』は、奴らの手に渡してはいけないんだ」


ガメレオアームの、遺言ともとれるその言葉。 彼はおそらく、レッドとアドレーヌが来た時に精いっぱい抵抗して『望遠鏡』の居場所を悟られまいと戦っただろう。
「申し訳ありません、ガメレオアーム様……。 遺志は、継げませんでした」
レッドとアドレーヌが去った村。 焼けた村からは多少の負傷者こそ出たが、村人からの死者は奇跡的に一人も出る事はなかった。
たった一人の怪物――いや、守り神を除いて。

ドロシアと村人たちは、村の真ん中にできた大きく建てられた墓標に花を手向け、手を合わせる。 彼らと守り神はこれからも、この村でずっと共に生きていくという決意をもって。
「……ドロシアさん」
ケケは、墓標に静かに腰を落とすドロシアの背後にそっと立って彼女に声をかけた。 ひょっとしたら、自分がわがままを言わずに、ドロシアの言う『継承』をしていれば、ガメレオアーム様は死なずに済んだのではないか――と。
サファイア達も、離れた場所で静かにそれを見守っていた。 レッドとアドレーヌが立ち去り、自分たちがドロシアから受けたはずの依頼が遂行できなかった今、ケケの今後はドロシアに委ねられたのだ。
「と、言うわけだ。 ケケ、あんたにはえらい苦労かけたね」
振り向きざまに、ドロシアはケケにあっけからんとした表情で話しかける。 予想以上に軽い応対に、ケケも思わずえっと声を詰まらせる。
「でも、元はといえば私が」
「元々はアドレーヌさ!! あいつが飛び出したから、アンタにお鉢が回り、まぁそもそもこんな村の古いしきたりをずっと続けてきたから、いつかはこんな目に合うとは思ってたさ!!」
はっはっはと、ドロシアの大笑いにつられて村人たちも笑い始める。 葬式という形には到底思えない。

「まぁ、これで古臭い習慣とも『決別』さね。 ただ、アドレーヌのやった事は許されることじゃない……これは、もう年寄りだらけの私らにはできないから、『七彩の暴食』に依頼をする」
ドロシアの言葉に、村人たちも集まって腰を落とす。 ケケの周りにもいつの間にかサファイア達が集まっていた。



「ケケ、サファイア、ピッチ、マルク――アンタらにアドレーヌたちの野望を阻止してほしい。 報酬は、終わった後にこの村の名物料理でも、何でも出してやる」

「依頼するための金はないから、前払いに俺たちの料理屋によってくれ。 疲れただろ??」
「今日はもう遅いから、飯が終わったらうちの銭湯によってくれりゃぁいい」
「宿は任せといて、ケケちゃん。 もちろん命の恩人たちに金はとらないよ、なぁ皆!!」
村人たちの拍手と、温かい声がケケ達を包み込む。 その優しい言葉は、ケケがずっと聞いてきた懐かしい故郷の空気そのものだ。

「みんな、ごめんね――ありがとう」
涙を浮かべたケケのそれは、依頼を失敗した申し訳なさでも、自分の無力さを憂う悔しさでもない――今日、確かにケケは成長をした。
そんな光景を見て、サファイアとピッチとマルクも、顔を見合わせ。 笑みを浮かべた。

「あー、ひと仕事終わったから風呂入りてぇ!!」
「チェリーパイは売ってるのサ? 三十枚ぐらい頼むのサ!!」
「ふかふかのベッド〜!!」

男三人衆のその言葉に、ケケは久しぶりに笑って見せた。 彼らについていくように、ケケは故郷の温かく、やさしい中に久しく飛び込んだ。








 ――そして、ここはププビレッジ。
『――続いてのニュースです。 また、電撃の魔法を使うという魔導士が失踪する事件が各所で発生し……各地方のギルドの支部はこの事件への警戒レベルを引き上げ、できるだけ団体での行動をしてほしいと呼びかけています』
七彩の暴食、そのギルド内部。 今は多くのメンバーが仕事に出かけ、人影もまばらのその中で、テレビニュースを眺めていた一人の男。
紫色の甲冑に一本の剣。 スパゲッティを食べながら、テーブルに伏せてた一枚の写真があった。

「ふーん、こいつがブレイドの言っていた、最近ウチに入った女――ケケねぇ」

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