NEW  SOUL (前編)
 平和な星ポップスターの平和な国、プププランド。
花や緑が美しく、ふしぎな力にあふれた世界。それ故に数々の侵略者たちがこの星を支配しようとしたが、カービィというピンク色の生物によって皆すべて打ちのめされてしまうのが一種のお約束となっていた。
 近頃は春真っ盛りということもあって、より一層野山の若草が萌え、花が咲き乱れ、蝶々たちはおどり、カービィたちと親しかった魔術師の葬儀が行われたことを除いて、幸せな日々が続いていた。
「今日も平和ですね」
バンダナワドルディが呟いた。
「確かマホロアの船が落ちてきたのもこんな日だったな」と続けてデデデ大王が言う。
カービィはただただ黙って歩いていた。あの日―そう、マホロアが死んだ日から、どこか落ち着かない。まるで、心にぽっかり穴が開いてしまったようだ。最近、いろいろとデデデやメタナイトが面白いこと、例えば急にボケたりしてくる。きっと彼らは自分のことを心配しているのだ。なんとかデデデたちに笑ってみせるが、それでも心の穴は塞がらない。
―ブラボー、ブラボー。
さすがは星のカービィ。 
 「あいつ、ちょっとウザかった。はじめてあったときは、ぼくらに仕事をおしつけて、しまいにはポップスターを支配しようとした。」
―コレでボクはコノ星の・・・
 イヤ!
 全ウチュウの支配者とナルのダ!
「自分たちの仲間かとおもったら、まさか敵だったなんて。」
・・・・・・・・・・・・・
―ヤッタヨ、カービィ!
 ボクの船にオールがモドッタヨ!
―センリのみちも
 いっぽカラ!ボクもココで
 船のシュウリ、ガンバルからネ!
―ヤァカービィ、 チョウシはどうだイ?
 コッチもだいぶ、 船の中のシュウリがすすんダヨ〜。
―ながいたびになったケド、
 コノ星にこられて キミにもであえて・・・
 ナンダカンダで
 たのしいおもいでに なりそうダヨ。
―ハルカンドラは、コノセカイとは ちがうべつのセカイにあるンダ。
 すっごくとおくにあるケド
 コノ船、ローアなら
 あっというまのひとっとびダヨ!
―カービィ、いよいよ
 サイゴのたたかいダネ。
 ランディアは ホントーにてごわいヤツだから…
 ミンナでチカラをあわせて
 たたかっテネ!
―キミにはホントに
 ホント〜にカンシャするヨォ。
 アリガトウ!
彼が遺した数々の言葉が脳裏を駆け巡る。
「でも、なんだかんだ言って・・・楽しかったなあ。」