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小説「
第32話:おわかれ
」を編集します。
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作者名
テーリィ
タイトル
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内容
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「ぼくに...お客さん!?」 急な言葉に、カービィは驚く。 「それって...どういうひと?」 「えーと...なんかコウモリの羽をもったやつと、ボスみてーなのを抱えたペンギンみたいなやつだぜ」 「誰がペンギンだぁぁっ!」カービィにとっては聞き慣れた声が、サバンナに響く。 「この声...デデデ大王!?みんなまってて、ちょっといってくる!」 「あっ、待って...」 《BGM:『毛糸』プププランド》 「まったく...あれが一国の王に対する態度か!?どーゆーしつけされてんだ、ここの連中は...」大きな影がぶつぶつと文句を言う。 「そう言ってはこちらが無礼だぞ。第一、彼女らは君が王様であることも知らないだろう」対称的に隣の小さな影は冷淡に返す。 「シッカシ君も地獄耳だネェ、大王サマ!その耳でボクの声も聞こえタラ、今度の件モ未然に防げたんじゃナイノ〜っ?」大きな方が小脇に抱えたもう一人が、けらけらと笑う。 「お前なぁ...今そう言える立場だと思ってんのかぁ!?」 「ワアッ、コワイコワイ!暴力反対だヨォ、大王サマ!」 「二人とも静かに...カービィが来たぞ」 カービィは3人のもとへ駆け寄ってきた。その後を、フレンズたちもついてくる。 「デデデ大王、メタナイト...それにマホロアまで......どうしてここに?」 「どうしてここに、じゃねぇよ!人がどれだけお前を心配してたかも知らずに...」 「落ち着け、デデデ大王。私が説明しよう」 頭に血が登っているデデデ大王をなだめ、メタナイトが前に出た。 「...私はメタナイト、カービィの...知り合い、といった所だ。カービィが、世話になったな」 「メタナイト様!?宇宙一カッコいい一頭身の...」スージーは口を手で覆った。 「(いつの間にそんな呼び名が...まあよい)我々が今ここに来たのは他でもない...カービィが、なぜ『そちら』の世界に来たか、一から説明する必要があるのだ」 そう聞いて、カービィはハッとした。 「たしかぼくは...なんかへんな異空間ロードに入って、気がついたらここに...」 自分はあくまでも、この世界ではストレンジャー――よそ者、客に過ぎない。たとえ皆の思いを、命を守ったヒーローだとしても。 「カービィ、君が知っている以上に、多くの事が起きた。それを、順を追って話させてほしい」 メタナイトの話はこうだった。 ポップスター侵略を諦めきれなかったマホロアは、まず最初にカービィがいなくなれば邪魔者はいなくなると考えた。 そこでカービィの好奇心につけ込み、異空間ロードで異世界へと飛ばしてしまおう、と作戦を立てた。 作戦は成功するはずだったが、ローアが持つ超古代のチカラが、偶然その時起きた空間の揺れを増幅してしまった。 おかげで異空間ロードは本来あり得ないはずの二点の繋がりをつくり、空間の揺れは全宇宙を巻き込んだ。 直後、マホロアはワドルディとデデデ大王にあっさりと見つかって拘束され、侵略は未然に防がれた。 メタナイトを乗せた戦艦ハルバードがプププランドに帰還し、状況を把握。ローアとギャラクティック・ノヴァの力を借り、空間の虫食い穴が閉じるのを防いでいるが、だいぶ繋がりに無理があったのか、収縮の進行は食い止めきれていない。 ギャラクティック・ノヴァの名前を聞いて、カービィは少し身震いしたようだった。 「カービィ、信じたくないかも知れないが......話した通り、今しかプププランドに戻るチャンスはない。そして、もし戻れても......ここには、恐らく2度と来ることはできないだろう」 『ええっ!?』 「カービィはパークを救ったヒーローだよ!もう会えなくなるなんて...」 「もう少し待てないの!?あの祝賀会もあるのに...」 カービィは暫く俯いていたようだったが、やがて、 「うん。行くよ...メタナイト」 と、短く返した。 そして、フレンズたちに向き直り、 「サーバル、かばんちゃん、ロボボ...ぼく、ここで、みんなと出会って、冒険して、フレンズにもなって...ほんっとに、たのしかったよ!おみやげ話、あっちの友だちにも、たくさん聞かせてあげたい!だから...ぜったいぜったい、ぜ〜ったいみんなのこと...忘れないからね!」 皆に笑顔が戻っていく。 「苦渋の決断だったろうネェ、カービィ...友だちとのお別レ、ツラいよネェ...」 「だからお前は黙ってろって!」 「カービィ、向こうでもずっと元気でいてよ!」「貴方の歌...時々思い出すわね」「ボクもプププランドに...」「帰れなくなるわよ!」「それでも...」「ダーメ!」「ありがとね、ピンクのストレンジャー...いや、カービィ!」それぞれが口々に、カービィへ言葉をかける。 「それじゃあ、みんな...」カービィが異空間ロードのほうを向き、歩き出そうとした...その時。 「...待って!」 カービィは足を止めた。 「!サーバル、カービィをひき止めてはいけないのですよ」 「でも...少しだけ!」 《BGM:『毛糸』キノコのこかげ》 「カービィ...会えなくなる前に、これを渡したいと思ってたんだ!」 サーバルは何かを、カービィに手渡した。 「これって...もしかして......!」 「あの時、無意識に握っていたみたい!だから、時々これを見て...わたしたちとの冒険、思い出してね!」 「〜っ!!」カービィは感極まって、サーバルに抱きついた。 「ほんとうに...ありがとうっ!かばんちゃんも...ありがとうっ!!」 [こっちこそありがとう、カービィ。君がかばんを守ってくれたんだね] 「ラッキーさん...!カービィさん、僕たちもずっと、あなたのこと...忘れません!」 「カービィ、急ごう。もうすぐ異空間ロードが閉じてしまう」 カービィはデデデ大王とメタナイトを追い、何も言わずに走っていく。 そして......四人の姿が星形の穴に消えたとき、ふたつの世界の繋がりは途絶えた。
投稿者コメント
サーバルちゃんが何をカービィに手渡したのか...ふたつの世界の成り行きを、もう少し見届けてあげてください。
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