EP.1-8 Trigger 8
「さあ、これで最後だ。言ってみろ」
辺りを見渡したが、先ほどと全く変化が見られない。
「ちょ、ちょっと待ってください。
何にも変わってないじゃないですか」
「変えたぜ?……見てみるか?」
悪魔は少し笑って、僕の前で両手を広げて見せた。
右手と左手の間に、スクリーンのような映像が浮かぶ。
そこには、畑にいるそのままのキャベツを、
枕にして眠るたくさんの子どもたちが映っていた。
「これは……!?」
「世界中の子どもらの枕を、キャベツにしてやったぜ。
これでいいだろ」
思っていたやり方とは、大分違うのだが……。
「流石にやりすぎでは……?」
「……ん?そうか?まあいい、次が最後だぞ。何でも言ってみろ」
まだまだ聞きたいことはあったが、
“最後”という言葉で、疑問が全部飛んで行った。
最後……慎重に決めなければ。
最後の願い……。