入れかわっちゃう話9
「 ブンー!!そっちにいたー? 」
「 いないよー そっちはー!! 」
「 いないわー!! 」
フームたちは城の近くの森で先程、窓から逃げていったカービィによく似た人物を探しまわっていた。
「 だからさっき窓から逃げてったやつってどんなだったのー!! 」
「 カービィとメタナイト卿のミックスよ!!何度も言わせないで!! 」
「 それが意味分かんないだってば! だいたいミックスって何だよー!! 」
「 ピンクの球体に卿の仮面よ! 」
「 もー!最初っからそー言えばいいのにー!! 」
やけに丈の長くなった草むらを手でかきわけながら、フームは先程のメグの様子を思い浮かべる。
メグの背中に浮かんでいたあの青紫色のマーク、そして出会ったときから反転したようなあの大きな態度。…何かがおかしかった。しかも、自分から探そうと言っといて一人で何処かに行ってしまったってことは・・・。
もしかしてっ…!!と立ち上がりかけたフームの背中をブンがちょんとつついた。
「 なっ…何よ!? 」
「 いや、何も。」
「 もーいきなりやめてよね!考えてたことみんな忘れちゃったじゃないの!! 」
「 はいはい、ところで彼処にあんの、ハルバードじゃない? 」
「 あ、本当だ。」
「 行ってみようぜ! 」
「 あぁ、ちょっと!ブン!! 」
↓
…その頃のハルバード内。
「 …ということだ。」
「 そんなことがあったんだスか… 」
「 護衛に着けなくて申し訳ございませんでした… 」
「 いや、私が無理だと押しきれずにカービィを連れてきたのが悪いのだ。」
「 …メタナイト様… 」
5人は船長室でメタナイトを囲むようにして話し合っていた。
「 さっき話した通り、カービィに会ったのだが、どうも彼の様子がおかしいのだ。」
「 …それはどの様に? 」
「 陛下の魔獣配信システムの利用の様子から見ておそらく彼は、…魔獣『 デビル・フロッグ 』に取りつかれた可能性が高い。」
「 デ、デビル・フロッグだスか… 」
「 でもそれだったらもっと凶暴化するはずじゃ… 」
「 そう、本来ならば止めようが無いほど暴れ狂うのだがそうでなければもう少し知性がある魔獣であろう。」
「 そしたらいつ大臣殿の娘さんが襲われてしまうか時間の問題だス! 」
「 それもそうだ。早く報告しに行かなければ。 」
メタナイトがドアに向かった途端立ち止まった。
「 どうなさっただスか? 」
「 その必要は無さそうだ。」
メタナイトがドアが見えるように退けばそこにはフームとブンがいた。
「 あなた!さっきの! 」
「 さっきはすまなかった。とにかく無事で良かった。どこか怪我はないか? 」
「 大丈夫だけどどうしたの? 」
「 怪我を負わされていないかということだ。 」
「 負わされてるって… 」
「 まぁ話は彼処でしよう。そなたも疲れているであろう? 」
「 ええ、ありがとう。」
聞き覚えのある口調を聞きながらフームとブンは静かにソファーに座った。
その時、窓の外側の縁にいるコウモリに気づかないまま…
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デビル・フロッグとデビル・カービィは凄い好きです。
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