あしかのらいぶらりぃ
はじめにお読み下さいこの小説を修正する最近のコメント・評価キーワード検索
設定メインページに戻るサイトトップに戻る
大 中 小
執筆者: 秋桜/投稿日時: 2018/04/15(日) 15:34:56
投稿者コメント:
秋桜は謎の男を目にした時、ふと突然彼女から怒りに満ち溢れていた。その理由が過去と関係があるらしいが………

♪組曲:星羅政く旅人
第7話 悲しき過去の出来事
秋桜があんな風になってしまったのは、あの男を目にしたその時だった…。秋桜の精神でも、こんな出来事になった。

「あの男は…まさか……!」
「…そのまさかだ」
「だ、誰ですか!?」
「誰だと? フッ…よくそんな事が言えるな。まあ、いつぶりだろうな………」
「あなたは誰なのですか!」

秋桜の前に現れたのは、ハーフアップをした青い髪の女の子だった。彼女は秋桜を知っているかのような口調で話すが、秋桜には分からない。

「そうか、まだ初対面だったな。秋桜」
「…………!! 何故、私の名前を!?」
「私はお前のことなら何でも分かる。何故なら……」























































「私はお前がよくつけているペンダントだからだ」
「…………!!」

秋桜はペンダントに意思が存在するとは思えていなかった。つまり、彼女が言うには、ペンダントとして秋桜を見続けてきていたことがあったということだ。

「なら…あなたは……あの男の人も……」
「ああ分かる」
「なら、教えて下さい!」

彼女は素直に「いいだろう」とは答えるが、「本当にいいのか?」とも答えてくる。もしかしなくてもそれなりの覚悟がないといけないのかもしれないと思っていた。そんなことを覚悟したつつ「覚悟を決めてます」とはっきりと答える。

「そうか、ならいい。あいつが誰なのかを答えよう」
「……………………」

秋桜は息を呑むような緊張感を感じていた。

「あいつは…」
















































「お前の彼氏を殺した男だ」

「えっ……?」

時が止まったかのような不穏な空気が流れてくる…。彼女の一言が秋桜にとって、自分が病みかけていたことを思い出してしまう。

「……くんが…死んだのは………あの…男の…せい……?」
「ああ」
「私が…無力だったから…こうなった…?」
「ああ」
「…ああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!!」



秋桜の大事な人、つまり彼氏が死んでしまった理由はこんなことになったからだったのだ。こらは、秋桜と彼氏の2人で仲良くしていた時の出来事だった。

『遅いなあ、秋桜……』

秋桜の事を気にしているこの男が秋桜の彼氏である。彼の名前はこうた。2人は小さい頃から幼なじみであって、いつの間にかカレカノ関係になった。

『はぁ…はぁっ……遅くなってごめんねっ!』

秋桜が全速力で走ってきて、息切れをしていた。遅く来てもこうたは『来たばっかりだから気にしないでいいよ』と優しく答えた。

『そうならいいけど…。あ、遅くなったお詫びに私が奢るよ!』
『え、いいの!?』
『大丈夫、お金なんて気にしないで! 5万ここにあるから!!』
『ありすぎだよ!?』

苦笑することしか出来ないこうただった。

『折角だからカフェにでも行って、期間限定のパフェ食べようよ!』
『あー、あの人気のパフェか。秋桜食べたいって前々から言ってたよね』
『うんそれそれ! 行こう!!』
『よし、それじゃあ行こうか』



2人はそのとあるカフェへとたどり着く。見事に行列が出来ていた。

『やっぱ人気だね』
『そりゃあそうだよ! フルーツがたくさんあって、アイスがのっていて、しかも大きめなんだよ! 甘い物に弱い女性にとって誘惑なんだから!』

パフェが楽しみすぎてテンションが上がっている秋桜を見て、冷や汗をかくこうただった。

『そ、そうこうしてる間に空いてきたよ』
『えっ…あ、本当だ』

時間があまり経っていないはずなのに、時を操ったかのようにいつの間にか、人がいなくなっていた。気にする秋桜だが「ま、いっか」と軽い気持ちで気にしてなどいなかった。

『それじゃあ食べよ食べよー!』
『また入ってすらいないのに…』

こうたが苦笑しながら2人はなかったへと入っていく。2人の後ろには誰かがいたらしいが、そんなことも気付きはしなかった。

『フッ…ここにいたか』



「そんなことがあったよな。だが、あの時からお前は人生のドン底に落ちることになった」

『美味しかったあ…』
『そうだね、また来れたら行こうね』
『うん! って、あれ?』

外に出るとやけに空気が静まりかえり、人の気配が全くしない。

『なにこれ……』
『なんか胸騒ぎしそう…』
『…………!!』

秋桜には見えていた。その先に起こる出来事が。そこには秋桜が誰かによって殺され、こうたが絶望してしまう予知だった。

(今のは一体…)
『何かがあったんだ急ごう!』
『あっ、待っ…て……!』

引き止めようとしても、こうたは走っていってしまった。

『どうしたらいいの……』

ひとまず、こうたを追いかけることにしてみた。



『はあ…はあ……! こうた、探した……よ…!!』
『秋桜! 見てくれ!』

そこには、殺され無残な姿になっていた人々がたくさん倒れていた。それは、血の海のような感じになっていた。

『酷い……一体誰が…………!』
『見つけましたよ、秋桜…』

『『誰っ!!』』

『初めまして。我の名は海斗』
『海斗…?』
『秋桜、あなたのペンダントを奪いに来ました』
『どういう…こと……?』

こうたは何のことか分からなく混乱する。ペンダントを持つ秋桜も分かってはいない。

『そなたの持つペンダントは何もかもの願いを叶えることが可能なペンダントだ』
『私のペンダントにそんなチカラが!?』

そこから自分の危険の知らせのようなものを感じた。逃げなきゃと思い、足を踏み入れようとするが、怖くて足が震え、動こうとしても動けなかった。

『さあ、そのペンダントを我に渡せ』
『嫌だっ! 渡さない、絶対に渡さない!!』
『そうだよ、秋桜の物を他人に渡す必要はない!』
『そうか、そう言うのであれば…』

海斗のポケットから、ナイフをとり出す。その刃は鋭く、色々なものを斬ることが可能だ。

『………!』
『すぐに楽になるさ』

秋桜目掛けて、ナイフを投げる。それを、丁度秋桜の心臓部分が刺せるような位置で勢いよく投げていた。足が震え、かわすことすら不可能な秋桜にとって、これが最後だと思っていた。

『ご…めん…こう…た………。私………!!』

ドシュッ………!!

『っ! あれ、痛くない。おかしいな……私、心臓部分を……刺された…はず…なの…に っ!!』
『………………』
『こ、こうた…どうした…

ドサッ…

の!? こうたッ!』

秋桜目掛けて刺したはずのナイフがこうたに刺されていた。庇う時間がなかったはずなのに何故か刺されていた。

『秋桜…ごめん……僕……こんな…ことし…か出来なく…て』
『もうそれ以上喋らないで! 何で庇う時間なんてなかったのに、私を…私を庇ったの!!』
『僕が…時を……止めて、操った……』

その時、人混みのような行列が出来ていたのがいつの間にかガラガラになっていたのはこうたが時を進めていたのだと秋桜は悟った。

『でも、でもどうして! どうして私を…庇うことを!!』
『それは…』

泣いている秋桜の顔を優しく触れるかのようにこう呟いた。『君の大事な彼氏だから』だと。そう呟いた瞬間、こうたは命を引き取った…。

『こうた…こうたああああああぁぁぁぁぁっ!!!!!』

泣き叫び、体を揺らし、出来るだけのことをしてももう、こうたは戻ってこない。どこかへど逝ってしまった。

『そん…な……』
『…ペンダントをくれるんだったら、そいつの命を返してやってもいいぞ』
『!!』
『どうするのだ。答えろ』

秋桜が拳を握りしめる。そこから怒りが溢れていた。仇という訳でもあるが、それを超えるようなくらい殺したい気持ちでいる。

『ふざけるな…』
『ほう?』
『お前に渡す資格などない!』

秋桜は雰囲気が変わったかのような口調で海斗を睨み付ける。瞳は血のように赤く、正気でもない。

『まさか、お前がいるとはな』
『まだ生きていたのですか、てっきり死んだと思いましたよ。ルーナ』
『まだ考えるか、世界の滅亡を』
『あなたが私のもとに来ればいいんですよ。そうすれば、あなたのご主人らしき人を見逃してやりますよ』

秋桜の体を乗っ取っている?ルーナは『くだらない』と思い込む。

『そんなことしなくてもいけるだろう』
『いいえ、あなたさえあれば十分です』
『残念だが、お前の言いなりだけにはならないからな!』

そして、何か禁断のような魔法を使用しようとしていた。

『…【終わりの始まり(エンデファング)】』
『…うぐっ! そ、そんな禁断魔法を覚えてたのか……!』
『見逃してほしければ1つ聞け。私も、“その計画に協力をする”と…』
『それは、本当なんだな』
『ああ。秋桜には絶対に黙っておくんだな。それと、次に会った時には殺すような気でいく。ただし、これは計画の為だと覚えておけ』

それを知った途端、海斗は『お前の考えはわかった』といい、どこかへと消えていった。

『さて、このことは全て消しておこう。そうしないと秋桜が絶望する顔をするからな』

ルーナはペンダントで秋桜の記憶を消去した。それは、彼女をドン底へと落とす為でもあるからだ。少しの間意識を失なわせ、その出来事がなかったかのようにさせる。そんなことも知らない秋桜は、いつものように平和で暮らしていた。
それから、イシスと出会い、仲良くなる。何となくで世界樹に祈りを捧げたりしていたこともあった。
ペンダントが再び狙われていたある日に、そこで、母を失う。生きる理由をなくし、自殺を考えていたこともあった。
だが、そんな人生を変えてくれたのがエリーことエイレーネだった。その人を目標とし、秋桜は努力をし始まる。しかし、イシスが魔法を使えるようになったある日に、秋桜は呪いをかけられた。体が成長しない呪いと、永眠という呪いだった。
それから何百年も経ち、再び目覚めた。だが、ペンダントの片割れを奪われつつ、記憶が少しのことしか覚えていなかった。



「思い出したか秋桜」
「ルーナ…あなたがしたのですか……」

怒りなのか恐怖なのかは分からないが、秋桜は震えた声でルーナに話しかけていた。

「それはどういう意味で言っている」
「あなたが、こうたを!」
「あーあ、そんなことまで分かってしまったのか。なら、仕方ない」
「ッ…!? い、一体何…を……」

秋桜の体に異変が起こる。胸を抑えるかのように苦しくなり、そしてうずくまる。

「そのまま堕ちろ。いや、私に支配されろ…」
「そんなこと…さ…せ」
「無意味だ」
「くうぅぅぅっ………!!」

ゆっくりじわじわと秋桜の体が強大なチカラに蝕まれていく。そして、意識はそこで途切れた。

「フッ、計画実行といこう」

この作品についてのコメント/評価 (0)
 前の話へ  次の話へ 
(c) 2010, CGI Script by Karakara