すいじょうきばくはつ(みんなのトラウマ)
「...まァその、そういうわけで、かくかくしかじか、ぽよぽよかびかびの、うみゃうみゃさばさばということで、この小宇宙を守るために『奇跡のピース』というパズルピースのようなのを集める旅に出たのよ。最後の方ちょいと雑な説明だったね、ごめん」
「テーリィ、最後が一番詳しい説明だったと思うぞ」
惑星ショルツへ向かうシャトルの中にて、テーリィは二人に事態のいきさつを説明していた。
「拙者、まったく話についていけないでござる...」
「つまり、そのピースをあつめて空間をもとにもどせば、このうちゅうはへいわになるってことだよね?任せて〜っ!」
「やっぱカービィは頼りになるなぁ...でも静かにして。ほかのお客さんに白い目で見られちゃうよ」
「ほんとだ!しろいめ!」
見ると、ほかの乗客は全員、白目をむいて気絶していた。
「...ゑ?......いやいやいや怖いって!!」
テーリィがそう言った矢先、彼の持っていた奇跡のピースが輝き出す。
「...ん」
さっきと変わらない風景。しかし乗客は意識を取り戻している。
「エドガー、ちょいと回線繋ぐよ。
今、ピースは何したんだい?」
『言った通りさ。ピースが空間の歪みをもとに戻した』
「これでやっとオレらは惑星ショルツを目指して進めるわけか」
「そっか。よし、着くまで人狼ゲームでもするべ」
「4人じゃできねーよ。無理くりやっても1ターンで終わるだろ...」
シャトルは再びショルツに向けて高速移動を始めた。
[いつもご利用いただきありがとうございます。衛星キタリポ行き544号便は燃料タンクが失われている為、今のところフライトを見合わせております]
「!?」ショルツの宇宙港で、さらなるトラブルが起こった。
「話が進まないじゃないか!エドガー、奇跡のピースはエネルギー源になったりしないの!?」
『ならないみたいだよ。あれは空間の歪みを元に戻すための魔法道具らしいからね、定かではないけど』
「とにかく、状況を確かめに行ってみようぜ。他の移動手段も見つかるかもしれない」
そのシャトルはまるでそこのみ盗まれたかのように、見事に燃料タンクだけが無くなっていた。
「なんかのエネルギーさえあれば、このシャトルは動かせるんだけどねぇ...」整備士が呟く。
「RTしときますね。...垢持ってないから気持ちだけ」
「ありがとうございます。あ、すでに28RT」
「そっちのつぶやきかよ!」「りついーと...って何でござるか?」
「しかしなぜタンクだけが無くなったんだろう?とにかく、僕ら一刻も早くキタリポまで行きたいんだ。何か手伝えませんか?」
「電気でも、爆発でもいい。何かエネルギーを継続的に供給できる手段はありませんかね?」
「にゃんにゃんがでんちになれば?」
「オレは電池じゃない!...そうだ、テーリィお前キムチか何かもってきたか?」
「キムチ?ああ、あるけどご飯はないよ」
「すっごい辛いやつか?」
「15パックくらい持ってるけど、多分その中にすっっっごい辛いのあったと思う...あっ、そっか!」
テーリィはシルクハットからキムチのパックを取り出し、中身を口に放り込んだ。
「............
HO-LY- CLAaaaaaaaaaaeaaaaaaaP!!!」
突如、テーリィの体表から水蒸気爆発が連続して発生し始めた。
「な、なんだ!?」
「コイツは水魔法を使えて、辛さにもかなり耐性があるんだが、我慢出来ない辛さのモノを食べると暴走して水蒸気爆発が体でしばらく起こり始めるのさ」
「このエネルギーなら...何とかもちそうだ!ありがとう、急いで出港用意をします!」
「たすけてえええええええええええ!!」
テーリィだけが燃料タンクのあった場所にいるまま、他の乗客も即座に乗せてシャトルは離陸していった。
「へえええ、ひどい目にあった...思ったより辛かった。魂が飛び出る辛さとかそういうもんじゃなかった」
水蒸気爆発のエネルギーにより、シャトルは定刻通りにキタリポに着くことができた。力を出し切ってヘニョヘニョになったテーリィは、列の最後尾についてウルウーマのカラフルな街並みを歩く。
「これでいいだろ、取り敢えずウルウーマには到着できたんだから」それよりもコッタンは表通りに並ぶ多くの変な店が気になるようだ。
「とりまどこかで何か飲みたい。水蒸気爆発で喉がカラカラだい...ん?これは」
アーケード街の一つの看板が、テーリィの目に留まる。
「『ネコ科カフェ』...ごくり」
「普通のカフェでいいだろ、オレがいるってのに...」
「ねえ、ケータイなってるよテーリィ!」
「ホントだ。...エドガーまたお前か、どったの?」
『またお前か、って...ふたつ目のピースがその建物の中にあるはず。でもなんか危険な匂いがするから、中を注意深く調べてほしいな』
「ピースが、ここに...?」
「案外、早くわかってしまったでござるな」「作者展開のスピードどうにかしろよ。あ、作者僕だった」
「おい何言ってる」「取り敢えず更新遅れたのは本当にごめんなさい!」
テーリィは中に少し残りのあるキムチのパックを緑のゴミ箱に投げ入れ、建物に突入していった。
さて、2Yさんにタスキをつながねば。