入れかわっちゃう話8
「 うわぁぁぁ〜ん〜メタナイト様ぁぁ〜許して下さいだスぅぅ〜もう二度としないだスぅ〜 」
「 メイスがへそくり貯めてたら止めますぅぅ〜 お許しを〜 」
4人はだらしない泣き声で叫びながらメタナイトが流れ着いたと思われるオレンジオーシャンの海岸を歩いていた。
「 メタナイト様にどんな顔すればいいんだろぉ… 」
水兵ワドルディは森の探索を命じられたため、森の中をしょんぼりとした様子で歩いていた。
「 僕らはともかく、バル艦長とかがな〜 …ん? 」
ふと視線を上げると、何かがヨロヨロとしながらコチラに飛んでくる。
「 ん…? カービィ?なんでメタナイト様の仮面なんか…ってぎゃああ!? 」
力尽きたようでその人物は垂直にワドルディめがけて落ちてきたがそれをワドルディは咄嗟に避けた。
「 …危ね… 、あ〜なんだ、カービィか。」
仮面を着けていても本体はピンク色のため、カービィということはすぐに確認できる。
敵だからほっといておこうと思ったが、カービィの体は切り傷だらけで激しく痙攣しているのに瞳は既に光を失っており、意識がない。見るからになんとも悲惨な姿だ。
「 敵に情けを掛けるべからず! …あぁ!でもぉ! 」
自分でも判断できなくなってワドルディはカービィを乱暴におぶった。
「 どこ行ったのかしら… 」
フームは窓から逃げていった彼をまだ探していた。
「 翼あったから大丈夫だと思うけど? 」
「 だからってあの体じゃあ… 」
カービィは視線を床に落としていたフームの手を優しく取り励ますように言った。
「 じゃあ、探しに行こうよ?あの子の痙攣、たぶんしばらくしないとおさまらなそうだからきっと動けないよ。
ね? 」
「 ………うん…そうするわ… 」
フームはカービィの背中を追うが、その翼で隠れているところから僅かだが青紫色の何かが見えた。
「 ………どうかした? 」
「 …ううん! 何でも! 」
……まさかね……?
そうよ…そんなわけないわ……
「 こ…こんなものを回収しました。 」
「 …で? 敵なんか回収してどうする… 」
「 はい…すみません。手掛かりになると思って… 」
「 …まぁいいだス。仮面は使えそうだスな。」
水兵ワドルディはカービィの体に包帯を巻きながら背中に手を伸ばすと軟骨のようなものが手に当たった。
「 メタナイト様の翼? 」
「 あぁ、コピーできるんだスよ。知らなかっただスか? 」
「 うん、全然。 」
その翼を優しく撫でているとカービィが目を覚ましたようで再び痙攣が始まる。
「 うぐっ…あ… 」
「 しつこい症状だスな。一体何をしたんだか。」
「 おはよう悪魔くん。」
しばらくするとアックスが解毒剤のようなものをカービィの口に突っ込んだ。
「 飲んで下さいよ…話ができません。」
「 …アックス、下手したら殺られんぞ。」
しばらくすると解毒剤が効いたみたいでうっすらと目を開いた。
「 …アックスか? 」
「 はい、なんでしょう悪魔くん。」
「 だから殺られるってば。」
「 私だ…。メタナイトだ。 」
「 はいっ……て、ええええええ!!! うそだぁぁぁ!! 」
「 カービィ、何を寝ぼけてるだス、ちゃんとするだス。」
カービィは軽く溜め息をつき、近くにあった書類を一番近い机に置いてからすらすらと書き始めた。
「 だったらカービィはこんなに書けるか? 」
「 あ、本当だ。」
「 …………………………。」
「 うわぁぁぁぁぁぁぁん! メタナイト様ぁぁ!よくぞご無事でぇぇ! 」
「 たっ…大変無礼なことをしてしましました。もももっ申し訳ございません!! 」
「 …わかればいい 」
メタナイトは呆れたような顔をしたが、自分の部下たちは心の底から心配してくれていたようで控えめにニコリと笑った。
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終わりまでつなげられる道ができた。これでよーーし。
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