第6話 仲間の仇
「お前だけは…絶対に!」
「最後の1体がこいつか…面白い…」ボソッ
「メタナイツの仇だ…覚悟しろ」
剣を構え、一気に蹴りを付けようと自分の得意な暗闇で手短に終わらせようとしていた。
「フッ、面白い奴だ」
「隙がありすぎだな」
メタナイトが一気に斬りかかろうとする。しかし、暗闇で分からないのを、相手は軽い感じでかわしていた。
「どこを狙っている」
「なっ…かわされた…!? あの暗闇で綺麗にかわせるはずなどある訳がないはずだ…!」
「…成る程、やはりそのチカラは、我にとって求めているものと値する。お前さえ倒せば、世界は我のものにすることが可能だ」
その相手の目的は強くなり、世界を支配し、自分だけの理想の世界を作り上げるという考えで、その目的のパターンが秋桜が所持するペンダントかメタナイトを倒すということ。
「お前の目的は知らないが、私はお前を倒す。この手でお前を…!」
メタナイトの移動するスピードが倍増していった。それを見た相手が「素晴らしい」と笑う。
「お前こそが我にふさわしい! もっと楽しませろ! フハハハハハッ!!!!」
「…闇の中で」
スッ………
「静かに消え去れ……」
ドシュッ!
「…【暗焉斬】」
彼が構え終えると、全身に痛みが走っていく。その攻撃を受けたとしても倒れることはなく、徐々に狂っていく。
「ぐっ…! フッ、もっと…もっと我を楽しませろ! もっと、もっと…………!!」
「…消えろ」
ザシュッ!!
「ぐああああああ!!!!!!」
苦しんでいるのに笑い続ける。まるでドMな感じだった。
「気持ち悪い、さっさと消えろ」
相手を見る度に怒りが込み上げていく。今の彼は写っているもの全てを抹殺するだけだった。
「そろそろ本気を出すとするか…」
「なに…!?」
「我のあのドM行為の理由はこういうことだったのだ!」
グサッ…!
「ぐうっ…!」
明らかに威力やスピードが増していた。しかも、突いた所が急所だった。メタナイトは大勢を崩す。
「まさか…あのドM行為が……こんなことに…!」
「面白いものを見せてくれたな。では、我も行わせてもらおう…。そして、生贄となれ!」
「まさ…か……!」
彼はこれから起こることを察知したが、時すでに遅し。完全に不回避に陥っていた…。
「【暗焉剣】!!」
ザシュッ!
「ぐあああああぁぁぁぁっ!!!!!」
彼はいつもの姿に戻り、そして意識を失った。起き上がることはもうない。
(すま…な…い……)
「なかなかのチカラだったが、それでも対したことではなかったようだな」
「さらばだ」
男性のような人はメタナイトを生贄にしようとしていた。一方その頃、秋桜達は…
「急がないと…メタナイト様がっ!」
「まさか、本当にこんなことになるんでしょうか…」
『無事だといいのですが…』
『きっと大丈夫だよ』
『だといいのですが…痛っ…!』
突然、頭痛が起こり始める。その頭痛がメタナイトが何者かによって殺されてしまうという知らせだった。
『秋桜さん大丈夫ですか?』
『急がなきゃ…メタナイト様が!』
『あっ、秋桜さん!』
『ひとまず急ごう!』
「本当じゃなきゃいいけど…でも…」
「でも…?」
「嫌な予感がするような気がする…」
「ひとまず、秋桜さんを追いかけますよ!」
「あ、うん!」
2人は慌てて秋桜を追いかけていく。
*
「さらばだ」
メタナイトが生贄にされようとしたその時だった。
「メタナイト様っ!」
「チッ…また新たに来たか…ん?」
「あぁっ…!!」
「はあ…はあ…秋桜さん…やっと…追いつきま…っ!? 何ですかこれ…」
秋桜は、夢で見ていた悪夢と今の出来事、そして…目の前にいる敵に驚き、震える。
『お前のことを…守ってやる……』
『死ね』
『秋桜…逃…げろ……っ』
「あ、ああ…あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!」
「秋桜!?」
彼女は涙が溢れ、苦しんでいた。思い出したくない思い出がまた1つ増え、苦しみが増していく。今の自分には耐えられなかった。
「…まだ生きていたか。丁度いい…そいつを倒してから、こいつを生贄にするか」
「許さない…………」
仲間を…昔の大切な人を殺したことに怒り、瞳が赤く染まっていく。
「秋桜さん…ですよね……?」
「そうだけど…雰囲気が…違う………」
「許さない…お前だけは許さない!」
秋桜までもが怒りに満ちた。次回、とんでもないことに!?