第6話 闇に染まった剣士
メタナイトはギャラクティックナイトとの戦いに敗れた。現状…彼は、意識を失っているだけであって、命の別状などなかった。
メタナイト「………………。」
ここは冥界に近いが、ここは冥界ではなく、メタナイトの精神世界である。
今でも、メタナイトは眠っている……。
『……ナイト…。メタナイト……!』
「うぅっ……」
誰かがメタナイトを呼ぶ………メタナイトは悪夢を見ているかのようにうなされている。
『メタナイト……目を覚ませ…!』
「…!!」
突然、メタナイトは目を覚ました。どうやら、警戒をしているような感じだった。
『…そう警戒するな。私はお前の…心の闇だ…』
「心の…闇……」
メタナイトの頭に声が響く……そこから少しばかりではあるが痛みが現れる。
「うっ…!」
頭痛で頭を抑え込むメタナイトだが、闇は容赦なくメタナイトに問い掛ける。
『メタナイト…。私はお前にチカラを借してやる』
闇はメタナイトを誘惑にさせるような言い方をする…しかし、メタナイトは「チカラなど…欲しくない…」と断る。
『そうか…私は、お前を強くさせようと思っただけだ…』
メタナイトは反応をした。今の彼は強さを求めていた。どんなやり方でも手にするという欲望を裏に隠していた。心の闇にとって実に都合のいいことだった……。
だけど、本当はそんなことを思っていない……。本当なら…そんなことを望まないのに…勝ちたいことしか頭に入っていなくって、こんなことになっていた。大事な仲間を助けるために、強くなろうと決心したのに、その思いはどこかへと消えていった……。
「私は…もっと強くなりたい…そのためにも…………」
本音を出すメタナイト。闇がニヤリと黒い笑みを浮かばせていた。
『いいだろう……その願いを叶えよう……』
確かに叶えてくれるのはありがたいことだが、そうでもなかった。
「!? ぐっ…!!」
心の闇はメタナイトの本当の精神に入った。本来の闇を引き出しているのを少しだけでいるが、抵抗をしていた。それと、何故か他の声もメタナイトの頭に響いていた。
「な、何故…こんなことを………!!!」
『ボクは、死ぬの……?闇に呑まれるの……?そんなの…嫌だよ……!!』
「うぐっ!! ぐぅ……!! な…何だ……今の声は……」
メタナイトには子供のような声が響いていた。その子供は…泣いて……もがいて……抵抗をする…。その子供の抵抗がメタナイトの痛みと共有する……。
『消えたくないよ…いやだ…いやだああああぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!』
「落ち着いてくれ……!! ぐっ……ぐあああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
今の叫びと共にメタナイトの意識がなくなり、子供の声も消えた。しばらくして、再び目覚めるが…さっきまでの彼はそこにはいない。今いるのは彼の邪悪な部分だけだった……。
「私は…必ず……勝つ…」
「そして……この世界を…………破壊する…!」
彼は…そんなことなど…望んでもいない…。望むのは…彼の闇だった……。