入れかわっちゃう話7
「 これはどういうことだスか? 」
「 メタナイト様どこですか? 」
「 なんでなんにもないのぉ? 」
「 そんなのわしに聞くな。」
メタ・ナイツ達は数時間前までメタナイトがいた部屋が切り落とされているのをただじっと見つめていた。
そしてこんな事態になってしまったことが一部自分達のせいであることを知ると、それぞれがその時自分のしていたことを述べる。
「 ワシはカービィに荒らされたへそくり部屋の手入れだス。」
「 私はそれを見てました。」
「 水兵帽子を通販で購入してました。」
「 ワシはタイタニックごっこだ。」
「 …………………。」
「 艦長が一番サボってたんじゃないですか。艦内待機だって言われてたのに。」
「 やかましい!とにかく誰も戦艦の状態を見ていなかったってことだな? 」
「 そういうことになるだス。」
「 確かカービィが来てました。」
「 ………………………。」
「 凄まじくやばいな。」
「 またカービィに壊されたってことだね! 」
「 そしてメタナイト様があの切り落とされた戦艦の一部の爆発に巻き添えになったってことか。」
「 ……………………。」
「 ああぁ!メタナイト様がぁ! 」
「 うわぁぁん!わしらのせいでメタイト様がぁぁ! 」
「 こうしちゃおられん!お前たち!
直ちにハルバードを着陸させるぞ!
アックスは操縦、メイスとワドは艦内にカービィがいないかレーダーで探せぇ! 」
「「「 了解! 」」」
「 遅かったか… 」
メタナイトはフーム達がさっきまでいた証拠であるまだ生温い紅茶を見ながら溜め息をついた。
城内の上の階を通ればいつ何をされるかもわからないため、コピーの翼を使って上の階まできたが少し時間を使いすぎた。
メタナイトは再び、部屋の真ん中に立って腕を組み頭をまわした。
その時、背後からこちらに向かう足音が何よりも先に耳に入り、素早くカーテンに身を隠し、部屋に入ってきた人物が誰なのかを確認する。
「 も〜待ってって言ったのにー 」
「 あはは〜ごめんね〜 」
( カービィ! それにフーム! )
目的の人物が簡単に見つかったことでメタナイトは少し驚いたが、再び2人の様子を伺う。
しばらく話を聞いているが特に重要なことは話していないためばれてないし、それほどに自分のことは話していないようだ。
メタナイトは胸を撫で下ろしたが、途端に視界が歪み体から力が抜けその場に崩れ落ちる。
( なっ…! )
カーテンから匂った甘い香りに目を吊り上げた。
「 誰!? 」
突然物音が聞こえた方を見れば、メタナイト卿とカービィを合わせたような人物がカーテンの近くで倒れていた。
近くで見ればその体は小刻みに震え、痙攣している。
「 はっ…が…ぁ… 」
「 ちょっと…! 大丈夫!? 」
口から漏れる熱い吐息には苦しそうな声が混じり、背中には大量の汗が流れ、足を伝ってカーペットに点々と染みを作っていく。
仮面でよくは見えないが中の黄緑色の瞳は霧掛かっていて今にも意識が途切れそうなぐらい苦しがってことがわかる。
「 今すぐヤブイの所に・・・! 」
「 ………く…る…な 」
「 …へ? 」
さしのべた手を弱い力で払われた。
フームが驚いて固まっているうちにメタナイトは立ち上がって窓へと走り、そのままガラスに体を突っ込み、割って外へ出ていった。
( 確かメタは薬強いんだっけ… )
カービィはフームが窓の外を見ているのを後ろから眺めながら顔に笑みを浮かべた。
ここに来たメタナイトに薬を盛ってみたらどうなるかと思ったがメタはそれなりにはつまらない反応しか返さなかった。入れかわっているうちになんらかのアクシデントがないと面白さも半減するため、今度はちょっとハードルあげてみようかな…?
いつものカービィの愛らしい表情はピンクの悪魔の表情になりかけていた。
カービィは手に液体の入った小瓶を転がしながら満足そうにそれを眺めた。
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おおっと…危ない危ない…
薬を盛られるところまでいくと私は危ないのでね…
友人に軽いアクシデントについて問かけたらメタ様が苦しんでるとこ見たいって言われたからそんまま使わせて貰いました。個人的には美味しいです…
( 殴
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