EP.7-3 Farewell 3
ゴーン
ゴーン
ゴーン
…………
“契約終了”の、鐘の音が聞こえた。
重厚な金属の音が、辺りに響く。
「もう、お別れです」
僕の頭上を飛んでいたモンシロチョウは、いつの間にか何千匹…いや、何万匹にも増えて、僕の視界を奪っていく。
「さ、最後に…!」
蝶に遮られ、完全に緑さんの姿は見えなくなった。
それでも僕は叫び続ける。
「あ……あなたほどの器量なら、男がほっとかないだろうけど!選ぶなら、芯の通った男がいいと思います!!」
1年過ごしてきた人間の体が、飛び立つ蝶と共に、ゆっくりと消えていくのを感じた。
体が消えると同時に、だんだんと意識も薄れていく。
嗚呼……
一皮くらいはむけたかった―――――――――――――――――――