あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: 麻疹騙り/投稿日時: 2015/09/28(月) 17:50:27
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終わるな!夏休み!!!
EP.7-2 Farewell 2
「縁くん……」

「所詮、無理のある話だったんです。僕にもう少し包容力があったら……あなたを、ロールキャベツみたく包んであげられたのに」


人間としての生活の中で、唯一の心残りだった。

緑さんのあの涙を、拭ってあげられなかったこと。


「ううん、気にしないでよ。十分だよ……縁くんがいてくれて、良かった」


僕を気遣ってくれる緑さんの姿。柔らかい笑顔。

この笑顔に惹かれて、この笑顔に恋をしたのだと、改めて感じていた。



「ありがとう……大好きでした!」


初めて声に出して伝える、心一杯の想い。




「あなたの、そのカラッとした性格が、トンカツっぽくて大好きでした!!」


不必要なまでに大きくなる声と、溢れ出す涙。


最後の最後、今までずっと言えなかった感情が、涙と共に溢れ出していくようで―――――――――――――――




「縁くん…ありがとう……」


滲んだ視界で、目の前の緑さんを見つめる。

涙のせいか、その美しい姿がよく見えないけれど……


聞こえて来る声の調子では、泣いているように思えた。



「…ありがとう…………私も……」

緑さんが何かを言いかけた、その時。

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