河童とかって伝説多いね
「河童ってあるところの伝説によると、川辺にやってきたひとの足をつかんで引きずりこむそうですよ」
「へー、そーなんですかー」
「いや、ほんとごめんなさい」
「足をつかむってことは、足手まといって言葉を連想させますよね〜」
「ああ!、それはすっっっごく!わかりますっ!」
「すいませんでした!もうしません!あれは作者の仕掛けた__っ!」
洞窟の中なのにどういうわけかタライが落ちてきました。タライの音が響き渡ります。頭の皿が無事かどうか確認しながらカッパーは必死に弁解を続けます。
「ほら、今のが証拠じゃい!ダメ作者が__っ!」
レンガが落ちてきました。
「っ〜〜〜〜〜〜!」
人魂のように青く燃えるグーイは静かにそれを見ていました。ワドルディは笑いをこらえています。
しかし、白雪は、
「ははっ、カッパーさん。余計なことは言わないほうがいいと思いますよ。作者だって自分がダメだってことを自覚__っ!」
10kgのダンベルが落ちてきました。口が滑ったとは言わせねぇ。
4人はバーニンググーイの明かりを頼りに、トランプをしていました。洞窟から抜け出す気が無いわけではないのですが、「慌ててはいけません。急がば回れ、です」といいながら、プラスチックのトランプを帽子から取り出した白雪に同調して、トランプをしていました。
そして今は、ポーカーの真っ最中。
……急がば回ってねぇよ。立ち往生だよこれ。
「オープン!」
ワドルディの声で白雪が自信たっぷりに、
「ジャックのスリーカード!」
と、言いました。
残りの三人はというと、
「クイーンのスリーカードじゃ」と、カッパー。
「キングの(ジョーカー入り)フォーカード」と、グーイ。
「エースの(ジョーカー入り)フォーカードです」と、ワドルディ。
「ぐああああああああっ」と、白雪。
白雪が見事な11連敗をしたようです。やったね、ぞろ目じゃん。
「いや、おかしいでしょっ!ジャックだよジャック!」
「週刊少年?」
「ジャック!……グーイさん、なんてことを」
「まさか、ほんとにかかってくれるとは思ってませんでした」
「白雪さんは、単純でおもしろいですね〜」
「そうじゃの〜」
「くっ!このままではボケキャラが定着してしまう!」
そのとき、かすかに足音が聞こえてきました。
グーイは身にまとった炎を消しました。そして、全員無意識の内に息を潜めました。
狭くは無い洞窟の奥から、明かりが近づいてきます。光に包まれたのはひと影だったので、4人は安心しました。さっき、河童の話をしたばかりなので、化け物でも来るのでは、とひやひやしていたのです。
グーイが再び炎をまとったとき、ひと影は大きく身じろぎしました。
ワドルディは気づきました。
青い炎+河童=「お化けがでたああああ!」
そのひと影はそう叫びました。それは、少年の声でした。
「待って!逃げないで!」
ワドルディはとっさに叫びました。しかし、その少年は走り出しました。
__こちらに向かって。
「へっ?」
拍子抜けしてしまい、誰も動くことが出来ませんでした。
少年は加速します。ぐんぐん加速して、あまりの速さに浮いて見えるほど加速しました。いえ、少年は実際に飛んでいました。羽を広げて。
「「「「ええええええ!?」」」」
そして、少年は再び叫びました。
「あい らいく おばけ べりぃまぁあああっっっち!!!!」
そして、カッパーは跳ね飛ばされた。しかし、自動車並みの速度でしたので訂正します。
カッパーは、轢かれました。
―☆―☆―☆―
落ち着いてから、少年を囲むような形で4人は座り、とりあえず少年についてワドルディは聞きました。
「えと、君の名前は?」
「おいらはリアンレン。気軽にリアンでいいよ」
「それじゃあリアン君。この洞窟へはどうやって…?」
「ルーラだぜぃ!!」
「「「「まじめに答えて!?」」」」
ドラ○エの呪文はこの世界では使えないのです。
「DQだよ!ディズ クアリフィケイション!パネラーとして失格だよ!」
白雪は顔を赤くしてツッコミました。怒りよりも、ツッコミ側に回れたことを喜んでいるようですね〜。
「ひととしても、じゃな」
「ひどっ!事実だからしゃーないじゃん!」
「いや、どう考えても嘘でしょ__」
そのときだった。台詞の途中で白雪が倒れました。
「白雪さん!?」
ワドルディがいち早く駆け寄る。白雪はうつぶせに倒れたままこう言いました。
「ぐっ…ツッコミの、し過ぎによって…これほど、エネル、ギーを、消費、する…と…は……」
「まだ数回程度しかツッコミしてませんよ!?」
カッパーが意外そうな表情で後ろから覗いていました。
「まさかとは思うが、これは伝説に聞く『タラボケ病』ではないかの〜」
「いや、なんですかそれ!?」
グーイは、何かを思い出したように目を見開きました。
「……そういえば聞いたことがあります…!」
「あるんですかー!?」
「はい、『タラボケ病』は不治の病として有名な病気です」
「いや!知らないんですけど!」
すると、リアンまでもが反応しました。
「そうか!あのツッコミを行うと体力をすっごく消費するっていうあれか!」
「リアン君もー!?」
ワドルディは思わず頭を抱えました。リアンはけらけら笑います。
「まあ、命に別状はないから大丈夫じゃない?」
「でも…!」
「大丈夫ですよ、ワドルディさん。他にどういう症状が出るかはその内分かりますよ」
「そうじゃの〜……」
「はぁ……」
納得しちゃうんだ。他にも症状あるって言ってるんだよ?
「そーそー!気を取り直してレッツゴー!!」
なぜかリアンが仕切り、一人、歩き出しました。
「いや、どこへですか?」
くるりと振り返り、息を吸って……はいてー。
「いや、そのネタ何回使うんですか作者さん」
思わずツッコんでしまうワドルディ。いいじゃん、気に入ってんだよそれ。
リアンは、再び大きく息を吸って……
「ハックション!!!!」
「「「そうきたかあああ!!!!」」」
とにかく、4人+お荷物な白雪は、初めてちゃんと動き出しました。
―つ―れ―づ―れ―
「ワドルディー!グーイー!あとその他もろもろー!どこー!いたら一発芸してー!」
カービィは一人海岸の崖を歩いていました。
「いないのー!?それとも一発芸したくないのー!?じゃあさー!「無限の彼方へー!」でもいいからさー!いたら返事してー!」
そのときでした。カービィの歩いていた地面が盛り上がりました。
「「「「無限の彼方へー!!!!」」」」
地面から4人(白雪を足すと5人)のひとが飛び出してきました。翼の生えた1人にしがみついているワドルディと、ぶら下がっているグーイを見てカービィは、腕を点に向かって突き上げ、
「無限の彼方へー!!」
洞窟を出るまでに色々な物語がありましたが、カットです。はい、カット(いつか、そのことについて語るときがくるかもしれません)。
―☆―☆―☆―
リアン君はカービィと初対面なので、自己紹介を始めました。
「おいらは、△○×○£д!リアンって呼んでくれ!」
「「「何語!!!???」」」
「へー、リアン君っていうんだー!」
「「「スーパースルースキル!!!」」」
「僕は、カービィ。よろしく!」
「わー!すげー!おいらもそのぐらいのスキルほしー!」
「いや、もうそれは鬼に金棒じゃて……」
カッパーがつぶやいたとき、ワドルディが叫びました。
「あ!白雪さんが起きました!」
ああ、いたね〜そんなひと。体を起こした白雪は辺りを見回して、
「コートの中には、魔物がすむの?」
「「「「「……………は?」」」」」
……キャラが崩壊した瞬間でした。
「え!?いや、え!?あの、え!?どういうことですか!?」
「いや、こんなキャラだったっけ白雪くん!?」
残り3人は、
「いや、まさかここまでとは思いませんでしたね……」
「つくづくイレギュラーなやっちゃな〜」
「あはははは!すげー!ここまでアホになったの見たのは初めてかもしんねー!あはははは」
ワドルディはその言葉を聞き逃さなかった。
「アホになるってどういうことですか?」
その問いにはグーイが答えました。
「正確にはアホになるのではなく、ボケしか出来ないキャラになるんです」
「えええええええええええええ!?」
「しばらくは元にもどらないじゃろうな」
「ま、いいんじゃない?最初はなんの特徴も無いキャラだったしな!!」
「え、え〜〜……」
沈む夕日を背景に家を建て直す人々。さらに、それを背景にカービィたちは笑っていました。
……空には、一番星が輝いていました。