第5話 翼が栄えて… 後編
「あのときの私は生き返れるのが困難だったんだ…」
「うーん…と…あ、あのことか…」
エリーはメタナイトの過去の友人なのか、彼がちょっと言っただけでも、内容を理解する。
『メタ…メタ!! うぅっ……!』
あの後…エリーは泣き疲れてメタの隣で寝ていた。
*
『ん……? ここは……?』
メタは目をコシコシした。目を開けるとそこは、彼が知らない場所だった。
『こんな小さい子が何しに来たんだ…』
メタはよく分かんないおっさん(笑)に声を掛けられたが、『……』と全力で無視をした。
『おい、無視するなよ』
『……』プイッ
メタは、おっさんに無理やり目を合わせられたがそっぽを向く。
『おい、シカトすんなよ』
このおっさんが鬱陶しく感じたメタは、『だって、お母さんに『知らない人に声を掛けられたら無視するんだよ』って言われたもん』とあっさり言う。それにしても当時のメタも真面目だったのは変わりないみたいだった。
『つまり、俺のことをおっさんと思ってんのか?』
『だって、ボクはおじさんのこと知らないもん。急に話し掛けられたら小さい子は驚いて逃げちゃうよ』
『真面目すぎる…こいつ本気で言ってるのか?;』ボソボソ
真面目すぎて、おじさんは言い返す言葉すらなかった。
『今、ボクをバカにしたでしょ…』
『………ワーハッハッハ!! まさか、子供にこんなことを言われるなんて初めてだ』
(いや、そりゃそうだよ…)
『それにしても、おじさん…』
『いや…; いちいちおじさんって言わないで欲しい…。こう見えても俺は若い方だ…』
『ボクにはそんな風に見えないんだけど』ボソッ
『と、とにかく!! 俺は若い方だ。あ、関係ねぇか? 俺は『ハデス』そなたは、何と言う?』
『……メタ』
『ほう? 可愛い名前だな。メタちゃんか…』
(え………!?)
メタは女の子と勘違いされて、『ボクは男の子だよっ!!!』と怒った。
『……お前は冗談というのを知らないのか…;』
『冗談には見えなかったけど』
メタは痛いところをガンガンと言葉で突いていく。ハデスは痛いところ突かれてグサグサと刺さっていた。
『…話は、ここまでにしようか…;』
『ねぇ、ハデス。ここってどこなの?』
『ん? ああ、ここは冥界だ。お前は、生き返りたいと思うか?』
『…やっぱり、ボクはエリーを守って死んだんだ……。それより、そんなことができるの…?』
メタは流石にそんなことができる訳がないと思っていた。ハデスは『ああ』と答えてくれた。メタは嬉しそうな顔をしていたが…
『しかし、試練を達成させたらの話だ。もちろん、失敗したら本気で死ぬ。俺の試練は難しいが…それでもやるのか?』
ハデスの試練を失敗した人もいる。それぐらい難しい試練みたいだ。それでもメタは、『ボクには、やるべきことがあるから…生きて帰るんだ!!』とやる気になっていた。