入れかわっちゃう話6
門番のワドルディ達はなんだか怖いカービィの笑顔をじっと見ていた。そして城の中に入っていくのを見届けから隣同士で顔を見あう。
( 今日のカービィ怖いね… )
( うん… )
( どう見ても作ってるようにしか見えないね… )
ワドルディ達は、見慣れたはずだった背中が小さくなっていく様子ををまじまじと見つめながら眉を潜めた。
一方、視線がこちらに向けられていることを知らないカービィ…じゃなくてメタナイトは自分がよく通るルートをたどっていく。
着いた先は自室だった。
軽くドアを叩いてみるが返事はない。
「 誰もいないのか? 」
確認しようとそっとドアを開けてみると、ソファーに足を大きく開き、書類を持ったままだらしない姿で寝ているソードとブレイドがいた。
( まったく… )
ブレイドの手から自分が昨夜頼んでおいた書類をとると、それは既に終わらせてあった。
徹夜したのであろう2人にメタナイトは軽く微笑みながら毛布をかける。
さて…これからどうしようか…
普段のカービィの行動パターンからしておそらくフーム達の部屋にいるのだろうと予測できるが、正面からいきなり入っても何かされるに違いないだろう。
他に方法がないかと頭を回していると、自分が着けている仮面の予備に目がつく。
( やむを負えまい… )
メタナイトは覚悟を決めると自分の口の中に仮面を放り込んだ。
「 ん〜…旅人とか迷い人ってところかな? 」
「 へ〜ここに来るのは初めて? 」
「 うん。あ、ごちそうさま。」
味のあまり良くないカレーを食べ終えると、口の中に手を突っ込む。
その様子にフームは目を丸くする。
「 な…何してんの? 」
「 へっほぉ…おはへはがひへる〜 」
えっと…お金探してるって言ってんのかな…
「 ん〜…あっ!あっは! 」
すると口の中から手品のようにお金がでてきた。
どっかで見たことあるような無いような…
フームは見たことのあるメグの仕草に首をかしげる。するとメグはカワサキにお金を渡し、店を出た。
「 …あっ! 待って! 」
( まだ質問し終わってないのに〜! )
フームも同じように代を払うとその背中を追った。
少し早く出たカービィはフームが来ていないことを確認してから、草むらを手で探り、先程まで着けていたマントを着けて翼に素早く切り換えた。
フームはメタナイトが飛べることはまるっきり知らないため翼に切り換えておけばばれない。何かあったときのためにもこれは欠かせないものなのだ。今の自分はソードしか使えないため、コピーを使うことができるメタナイトのほうが数段階有利、追ってきたメタナイトに対抗する時のためにもカービィは早めに備えた。
ちなみに口の中に入っていたお金は事前に用意しておいたものである。
メタナイトの口なので以外に苦しかったりする。
丸いピンクの体に見覚えのある仮面。その背中に生えている小さな翼は歩く度に小刻みに揺れていて、かわいらしさを彩っている。
そんな可愛らしい姿にワドルディ達の視線が釘付けになる。
( 見るな見るな見るな見るな見るな見るんじゃぁない! )
思っていたよりもじろじろ見られてイライラしていたメタナイトはやがて翼を広げ、地滑りでスピードをあげて廊下を飛んで行く。
( やっぱり今日のカービィおかしいね… )
( うん… )
( メタナイト卿でも襲って仮面奪ったのかな? )
メタナイトの仮面でもコピーができてしまうことを知らないワドルディはぽかんとした様子でカービィの急ぐ姿を眺めていた。
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スマブラやってたらふと思いついた
ネタ。カービィ可愛いよね…
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