第58話 僅かな希望を
「ここで大人しく…終焉を迎えるのを見ておくがいいわ!」
イシスは首にかけていたペンダントを出す。そして、ペンダントに「世界を混沌へと陥れよ」と願う。ペンダントはまがまがしいオーラを漂っていた。
「アハハハハハハ! 絶望しなさい! 全てが無意味だったことを…!!」
「…させ…ませんッ……」
「チッ…まだ生きていたの」
秋桜はよろめきながら立ち上がった。
「あなたが……持っていたのですね…」
「ええ、あなたを絶望させるには、片方さえ残せばいいのよ」
「…どういうことですか」
イシスは「分かんないの!? 僅かな希望を踏みにじるのさ!」と馬鹿にするような笑い方をしながら見下していた。
「そう…ですか…。ですが、あなたの思うがままにはさせませんっ!」
秋桜の方にあるペンダントに「平和を取り戻してほしい」と願う。
「今のあなたじゃ私には勝てないわ。私が奪ったのは闇のペンダントよ、あなたは光。光は闇に呑まれるのよ!」
「いいえ、私はあなたに負ける訳はないです!」
「なっ……!?」
秋桜が根気強くなっていたのをイシスは動揺しかけていた。
「確かに、私は…チカラではあなたに負けてるかもしれません。ですが、私には仲間がいます! どんなことがあっても、仲間と共にここまでやり遂げてきました!」
「…根拠のないことね」
「確かにないかもしれませんが、私はどんなことがあっても仲間を信じてます! そして、みんなと一緒に、楽しい日々を過ごしていきたい!!」
秋桜の強い気持ちがペンダントと共鳴をする。光のペンダントは闇を打ち払う。
「そんな…私の、混沌に陥れる計画が…終わるというの!? そんなことさせないわ!!」
闇のペンダントがイシスと共鳴するが、秋桜は警戒していなかった。
「…あなたがそんなことを望んでも、私の願いと仲間は決して消えはしない!」
「ペンダントよ…片方のペンダントと合体し、そして…私達に平和をもたらしなさい!」
秋桜がそう願うと、イシスのとこにあったペンダントが離れていく。
「あ…っ!」
闇のペンダントは秋桜が付けているペンダントと融合し、1つのペンダントへと戻った。
「…………!!」
「…最後の戦いですよ【リバイバル】!!」
秋桜の蘇生でカービィ達は復活を遂げた。
「…秋桜、まさか片方は」
「はい、無事に戻ってきました!」
「それは良かったな…」
メタナイト達に光が降り注いでいる。秋桜の願いによって光が降り注いでいる。その光には傷を癒やし、チカラを与えていた。
「凄く体が楽になったよ!」
「これなら戦えるな」
「今ならやれそうな気がします」
「ちゃっちゃかとやるゾイ!」
「…さてと、私も本気でやるか!」
エリーが女神の姿に変化しガチモードとなった。
「ガチじゃん!」
「…まあ、最終決戦でもありますし、気を引き締めましょう」
「大丈夫だ。私達なら勝てる。仲間がいれば負けはしない!」
「そうです! 行きますよ!!」
こうして、最後の戦いの幕が上がろうとしていた。
「くっ…どうすれば………」
(…でも、あいつらがいるだけでも十分ね)