つれない河童
〜ブレイクタイム(最初なのに?)〜
「マシュマロ?それは食えるのかぞい?」
(……食べられるからなんとも言えないでゲス)
『サソタさん』
「いや〜、助かったよ〜!ありがと〜!」
グーイは目の前の歩くバキュームを呆れ顔で見ていた。
「ほんとですよ〜。いくら、ひとをたくさん呼んで遊んだって。普通は、一日で冷蔵庫を空になんてできませんよ」
ちなみにカービィが昨日呼んだ人数は5人です。この程度の人数です。
「では、私は買い出しに行ってきます。今度こんなことがあったら本当に怒りますからね」
口ではそう言っていても、そんなことではグーイは絶対怒れません。いいな〜。こういう家族が欲しかっtあ、母さんうわ何をするやめくぁwせdrftgyふじこlp
「では、いってきます」
「いってらっしゃ〜い!」
くらえ!ジャスティス!ディクショナリー!……ふぅ。これだから家族は……。古いネタを使ってしまいました。
今のグーイとカービィの会話は完全に親子の図です。
……うらやましいかぎりですね〜。
―☆―☆―☆―
グーイが出かけてから早1時間。カービィは夏の残暑に負けまいと、エアコンをガンガンかけてました。環境なんて気にせずに、ガンガンかけてました。
し、か、し。
「あれ?寒、くしゅんっ!」
設定温度を下げすぎたようです。
「むむむ、これはまずいな……」
カービィは部屋の温度を上げようと、
暖炉に薪を放り込みました。
いや、なにゆえ?
「ふう、これで部屋もぽかぽかになるよ〜」
30℃越えの日になんてことを言うんですか。カービィがライターを探しに行こうと振り返ると、
……ぅぁぁぁぁ!!……
「?」
遠くから叫び声が聞こえてきます。しかも、こちらに聞こえてきているようです。
「なんだろ?」
カービィが玄関の扉を開けましたが、外には何もありません。強いて言えば、ケケが静かに空を見上げているだけで。
突然、激しい音と共に暖炉が灰を吐き出しました。
「わああああああ!?」
カービィは辛くも逃れましたが、カービィの家の玄関からは、大量の灰が放出され、あたり一面灰だらけです。
「え、えと…何が起こったの?」
しかし、ケケはすでにいません。しょうがないので、カービィは恐る恐る家に入っていきます。家の中は予想通り、モノクロ世界でした。
「うぅ、けむたいな〜」
四苦八苦して、やっと原因の暖炉に辿り着きました。すると、なかから声が聞こえてきました。
「ゴホゴホっ…え〜っと…。どこに落ちたんでしょうかね……」
カービィは一瞬話しかけようかと悩みましたが。
「どちら様で?」
「のわぁ!」
灰の煙幕に映るシルエットが大きく身じろぎしました。
「い、いい、いや、そのべつ別に怪しい、決して!怪しい者ではないです!」
シルエットは身振り手振りで、しどろもどろになりながらも、必死に弁解しました。とてもおかしな光景です。
「カービィさん?一体、何が、あったの、ですか?」
そこに、両目に『怒』の文字をうかべたグーイが帰って来ました。
玄関から風が入り、空気中の灰は外に流されました。謎の人物]の姿が明らかになったときカービィは目を丸くして、
「サンタさんだああ!!」
……例の青いサンタさんはようやく話の本筋に絡むようです。
―☆―☆―☆―
「えーと、とりあえず、僕の名前は白雪です。サンタではありません」
カービィの周辺の空気が変わった気がしますが、それは無視しましょう。家を掃除しながら(約1名サボり気味)落ちてきた白雪は言います。
「で、あなたはどこから来たんですか?」
「う〜ん、一言ではちょっと…。あ、でも、作者の所、と言ったら伝わりますか?」
「「ああ、あのダメ人間のことか(ですか)」」
………。
「そうです」
………(泣
「そこから、変なおじさ__おにいさんにこれで送ってもらいました。」
白雪が取り出し のは、カービィが持ってい ものと同じ型の携 電話です(どうやら涙でにじんだようです)。
「へ〜、この携帯電話持ってるんだ〜」
カービィはそれを見て驚いたようです。なにせ、空間移動ケータイなんてものは非売品ですから(そうでなかったら困ります)。ぐすんっ。
「いえ、僕はつい最近、さっき言ったおじ__おにいさんにもらっただけで……」
「へ〜?」
「その変なお__お兄さんというのは?」
グーイが聞きます。
「なんというか、すごくアンバランスで、統一感の無いひとでした。一言で言えば変人です」
……無意識に毒舌を言えるのは、ある意味才能ではないでしょうか。
「そのおじさんからいきなりこの携帯に電話がかかってきて__
『ポップスターをご存知ですか?』
__とか何とか言ってきて、気がついたら……」
「ここへ来たわけですか」
「いえ、最初は確か、ブルブルスターという名前の星でした」
「「え〜……」」
やる気ないですね〜。
「で、色々な星を転々として、え〜と…3日目ぐらいにここに着きました」
「「え〜……」」
無気力アゲイン。というかそのおじさんだめですね〜。私のはるかに斜め上をゆく駄目人間だと思います。
「まあ、今回は何故か空に『とんで』……ああ、まあそういうことです」
どうやら言ってるうちにイライラしてきたみたいです。
「すいません。ちょっと気分転換に散歩してきます」
「ああ…どうぞ……」
白雪はまだ灰が大量に残っている家を出て行きました。あれ?そこのお二人さん、ちょっといいんですか?
「「?……………!」」
二人は大きく息を吸って、
「「逃げられたぁぁああああぁああ!!?」」
考えていた時間は意外と長く(所要時間5分)、外に出たときには白雪は見当たりませんでした。
―☆―☆―☆―
「カービィさん!大変です!」
ようやくキレイになった家にやってきた突然の訪問者はワドルディでした。息を荒くしています。どうやら走ってきたようです。カービィは緊急事態であることを悟り、口を開きかけたが、
「早く家を出てください!」
そのワドルディの言葉よりも早く、グーイはカービィを舌で絡めとり、窓から脱出していました。その直後、家を襲ったのは濁流。
「僕のゲームがっ!!」
「そんなこと言ってる暇は無いようです!」
グーイは、カービィを舌で持ち上げたまま、ワドルディを頭に乗せて高く跳躍しました。着地した場所にはすぐ近くまで濁流が押し寄せましたが、それ以上は来ませんでした。
「すいませんっ、僕の責任です!」
気がつけば、近くにはあの、憎き、白雪がいるではありませんか。他にも色んな雑魚キャ__なんでもない__がいました。
「ちょっと近くの森で八つ当たりしていたら、少し制御を失敗してしまいまして……」
「何のどんな制御をミスったらこうなるんだよ!!」
ワドルディはおずおずと口を開きました。
「こちらの方は…?」
暗いオーラをまとった二人の変わりにグーイが答えました。
「白雪君です。今回の濁流は彼が原因のようです」
「ごめんなさい……」
肩を落とす白雪。やーい、ばーかー。その隣では、
「ゲーム……」
まだ、ゲームのことで悲しんでいるひとがいました。
「あ、そのことだったら多分大丈夫です」
白雪の思わぬ台詞に疑問符を浮かべる一同。
「僕の創りだしてしまった濁流は、水の形と動きをマネしているだけで、特性はマネできてないんです」
「どういうことですか?」
「つまり、濡れないんです。物理的な衝撃はあるんですけどね」
「「「………」」」
白雪以外は唖然としてしまいました。不思議な沈黙が流れます。その空気を変えたのは、流れてくるものでした。
『あ』
思わず、声がそろいました。しかし、そのあとに続いたのは白雪の台詞だけでした。
「これぞ…河童の川流れ」
カッパーが濁流にもまれて、こちらに流れてきました。
直後、白雪は、珍しく激しいツッコミをするワドルディに頭を叩かれました。
「何でそんな他人事のように言うんですか!」
「いや、ちょっといってみたかったんです。えへ」
「えへ、じゃなくてですね……」
その間にもカッパーは流されていきます。何気に絶体絶命です。しかし、ひとは窮地に立たされたとき、とんでもないパワーを発揮するものなのです。
カッパーは最後の力を振り絞り、顔を水面から出し、手を伸ばしました。その先にあるのは、
「きぇえええいっ!!おぼれるものはワドをも掴むぅ!!」
「人の命を賭けといてそのギャグはあんまりですよっ!!?」
ワドルディは、懸命に踏ん張りましたが、大自然の力と、ひとの不屈の精神には敵いませんでした。
「うわああぁあああああ!!!!」
ワドルディは濁流に飲み込まれ、カービィ達の前で二度と水面から顔を出しませんでした。
「ワドルディぃいいぃいいい!!!!」
それをみていた白雪は、
「なんだか眠くなってきてしまいました……」
「当事者ぁああぁぁああ!!」
その怒りに呼応するかのように、川の水は更に増幅しました。
―つ―れ―づ―れ―
ニュースにて
≪昨日、午後四時ごろ、比較的大規模な濁流が起こりました。死者、負傷者はいまだに出ていませんが、行方不明者が後を絶たないそうです≫
結論を言えば、なんだかんだ、全員流されてしまいました、ということです。
……、徒然史上初めてですね、話をひっぱったのは。
〜ブレイクタイム(最後なのに?)〜
「へいか〜、起きてくださいよ〜」
「…マシュマロ…?それわ食えぅのかぞぉい…?」
「寝言もそれなのか!?」
そこは、海辺の崖の小さな洞窟