あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: テーリィ/投稿日時: 2017/11/03(金) 19:25:23
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フロスティさんは紳士なイメージ。
サーバルの裁判!?
「かばんちゃん!ここにいたんだ!そこのペンギンみたいなのに...何か酷いことされなかった?」
「誰がペンギンだ!...かばん、こいつがお前のダチか?」
「はい!でも、一体何が...」
「そうか!お前ら、ホンマはグルやったんやろ!」ワドルドゥは冷静さを失っている。
「よし。現場に居合わせた奴、何が起こったのか、もう一度詳しく説明しろ。まずはサーバル...と言ったか、お前の主張を聞かせてくれ」
「え、いいよ!」



かばんがディメンジョンホールに吸い込まれた、その数時間後。
フレンズたちは、旅立ったかばんが海上で失踪したという情報を、別のラッキービーストから受けていた。
「いなくなった...!?まさか、バスが沈んで...」
「サーバルたちも、いつの間にか海に向かっていったようなのです。少し調査をしてもらうのですよ」

「かばんちゃーん!聞こえたら返事して〜っ!!」
サーバルは一人、勇敢にもディメンジョンホールに飛び込み、森でかばんのことを探していた。...森の主の助けを借り、すでにそこを脱出していた事など知らずに。
「かばんちゃーん!ここにいるんでしょ〜っ!?かばんちゃーん!!」
「かばんかばん五月蝿いわ!カバン屋かワレは!?」冗談半分な調子で、何処からか突っ込みが来る。
「だれ...!?」
声が聞こえる方の茂みを、かき分けていく。
そこにあったのは――煙を上げるバスと、例によって例のごとき一つ目のオレンジ色の生き物だった。
「しゃべるセルリアン...!?うみゃ〜っ!!」
「ワイはプププランド一の発明家、ワドルdでええぇぇ〜っ!!」
サーバルの鋭い爪がワドルドゥの黄色い足に命中し、切り傷ができる。
「まさかあなたが...かばんちゃんを食べちゃったの!?返して...ってあれ?石を狙ったはずなのに...」
「いだぁ、いだぁァァ〜っ!!」ワドルドゥはバスのボンネットから転げ落ち、足を抱えて悶絶している。
「!そこで何をしてる!」今度は別の声。
「ぽ、ポピーはんか...こいつ、ワイの足ケガさせよった!!」ワドルドゥは苦しまぎれに訴えた。
「何だと!?待て、城に連行するぞ!」
「ええっ!?」
サーバルは思わず逃げ出す。
「待てー!待たないなら...これを喰らえっ!」
ポピーブラザーズSr.――デデデ軍の戦闘主任――は、丸い爆弾を幾つもサーバルに向けて投げた。
「うぎゃ〜っ!!」
四方八方で爆弾が爆発し、炎が上がる。火が苦手なサーバルは、浮き足立って走るスピードを上げた。
「ポピー、余計に相手の逃げ足を速くさせてどうするんだ。それに森が火事になったら...ここはちょっと、私に任せたまえ」
Mr.フロスティ――ポピーの同僚で氷の使い手――はスケートのように地面を滑り、サーバルとの距離を縮める。そして、氷のブロックを取り出し、思い切り投げた。
「次は何...うわぁぁっ!」
チェックメイト。サーバルは氷のブロックを踏み、足を滑らせて転んだ。
「フロスティ、ロープあるか?」
「あるぞ。ホレ」
中ボスの二人はサーバルの両手を、ロープでしっかりと縛る。
「何するの!これ取ってよ!」
「傷害罪で身柄を確保する。さぁ、デデデ城に行くぞ!」ポピーはロープを引っ張って歩き出した。
「フロスティ、君はワドルドゥの介抱を...」
「よし。よっこらせ...城に着けば、手当てができるから、それまでの辛抱だぞ」
「うう...絶対許さん!!」



「...という訳だったんだ」
(サーバルちゃん...100%、悪いのサーバルちゃんじゃない?)
「...弁護人。何か付け足しあるか?」
「え、弁護人って...?」
「オメーのことだよ、かばん」
「えっ!?...はい、サーバルちゃんがすぐに謝れなかったのは...すみません...でも、僕たちのいる所には、セルリアンっていう怖いものがいるんです。一つ目で、色んな姿をしていて...それで、僕もサーバルちゃんも、あなたの事をセルリアンと勘違いしてしまって...」
「だからって、足ケガさせよるのはどないなモンなん!?ワイこのケガで、1週間は歩けへんで!!」
「あー、ワドルドゥ...その事なんだが...」沈黙を保っていたフロスティが、口を開いた。
「なんやフロスティはん!ワイには手当てするだけしよって、結局こいつらに味方するんか!?この偽善者ァァ!!」
「いや...君があんまりに痛がるから気合い入れて包帯を巻いてしまったが...ホントは切り傷はあまり大きくなくて、そこまで痛いのは捻挫のほうだ」
「は?捻...挫!?まさか、ボンネットから転げ落ちた時、急に痛みよったのは...」
「そうだ、ポピー」二人を送った本来の目的を思い出した大王。
「ディメンジョンホールは安定していたか?」
「あ、ええ。数週間は、もちそうでした」
「そうか、ならば...判決!」デデデ大王が、ドスンとハンマーを打ち鳴らした。
「サーバル、お前はワドルドゥにしっかり謝れ。そしてワドルドゥは、それをしっかり許してやれ」
「うん。ワドルドゥ...ゴメンね」
「おぅ、ワイも感情的になりすぎとったわな...こっちこそ、スマンかった」
「かばん、お前はちょっとワドルドゥの捻挫の手当て、手伝ってやれよ」
「はい。ありがとうございます!」
「なーに、ここはあきれ返るほど平和なプププランドだぜ?こんないざこざで牢屋にぶち込むほど、オレ様はオニじゃねぇよ」
「なになにー?どしたの〜っ?」カービィがとたとたと駆けてくる。
「あっ、カービィ!また会えたね!」
「わーい!サーバルもいっしょだ〜っ!」
「カービィ、この時間帯でいやに元気だな...」
「しょくどうでおなかいっぱい、食べてきたもんね!きょうのメニューの『こだわりビーフシチュー』なんか、すっごくおいしかったから、お鍋からっぽにしてきちゃった!」
「はぁ!?カービィ...オレ様がどれだけ今日のビーフシチューを楽しみにしてたか知らないくせに...!今日という今日は...許さぁぁぁんっ!!」
デデデ大王は玉座から立ち上がり、ハンマーを持ってカービィを追いかけだした。
「あはは!つっかまーんなーいよ〜っ!」
カービィはまるで鬼ごっこを楽しむかのように、デデデ大王の突進から逃げる。
「二人とも、すっごく仲良しみたいだね!」
「そうだ、かばんさん。ウィスピーウッズが貴方にリンゴをあげたと言ってました。ワドルドゥの手当てが終わったら、二人分むいてあげましょうか?」
「あっ、ありがとうございますポピーさん!...あれっ、どのお部屋を借りればいいのか、大王様に聞いてない!」
「追いかけて、聞こうか!あ、二人部屋ね!」
かばんとサーバルは、デデデ大王のことを追っていった。
「あのー...ワイの手当ては...」



*   *   *   *  



『ディメンジョンホールが...?それも、非常に安定した状態で...』
王の間。デデデ大王は通信装置越しに、知人と言葉を交わす。
「ああ。あっちの住人が二人来て、二人目はひと悶着起こした」
『その住人は...以前、カービィが旅した...』
「その通りだ。その点、オレ様は面白いことを考えついたのだ!お前らも、明日あたりこっちに着けるか?」
『緊急時だ、ハルバードの航路をそちらに向けた。明日の午前には到着するだろう。だが...なるべく、君も油断はするなよ』
「はいはい、わーってるって。んじゃ、おやすみ」
そう言ってデデデ大王は通信を切った。
(しかし...確かにあの一族の可能性も、十分あるな...)
暫く椅子に座ったまま、デデデ大王はそんな事を考えていた。



ヲマケ テーリィ流プププキャラファイル No.03:デデデ大王
プププランドの自称大王。だが、意外に外交などの執務もこなしているため、その肩書きは伊達ではない...たぶん。
少しぶっきらぼうな面もあるが、情に熱く、部下たちの事をいつも考えている。その為部下たちからの信頼も熱い。ワガママでもあるが、カービィとの接触を繰り返すうちにやや丸くなっていった。ちなみにカービィからの評価は「おとこまえ」だそうだ。
ただ、大王としての仕事がない時は大体テレビとゲームぐらいしかしていない。

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