再会
…____ああ、またつまらない記憶を見てしまった。
「卿……?」
話しかけても返事がない。やはりまた、考え事しているのだろうか。
「ん、何だ?何か言いたいことがあるのか?」
話しかけられて動揺したのか、彼女の顔に張り付いた無表情な仮面の奥の金色の瞳が揺らぐ。
「いっ、いいえ!!」
「また考え事していたんですね…………」
「フフ、まぁそうだな」
少し渇いた笑い声を漏らす。
「…………」
「…………」
「…………」
三人の間に訪れる沈黙。暫く歩いて行くと、人影が見えてきた。
「…………??」
こんな夜に出歩くのは、見張りのワドルディ兵か、フーム等のごく一部の者だ。それにしても深い霧だ。どうしても視界を塞がれてしまう。侵入者なら倒すのみだが、こんなに霧が深いと、闘うことさえままならない。そんな事を思った矢先、突如聞き覚えのある高い声が響いた。
「ぽお〜よぉ〜♪」
声の主はカービィだった。
恐らくメタナイト卿の部屋に戻ったのだが、誰も居なかったので捜しに来たのだろう。メタナイト卿は黙ってカービィを抱きしめた。胸の中の彼はいつもより小さく感じた。カービィ含めた三人はこの状況を理解できず、動揺していた。
「カービィ……!すまない……!!」
メタナイト卿は謝罪した。
(メタ…………。僕こそ夜に出歩いてごめん………)
カービィも心の中で謝った。仮面越しに見える瞳は、心無しか少し潤んで見えた。
(あっ………)
カービィの後ろにもう一つ人影が見えた。部下の二人よりも背が高そうだ。その人物、メタナイト卿には見覚えがあった。
(この見た目に該当するのは一人しかいない…。
しかし、彼は、彼はあぁぁぁ!!)
メタナイト卿は否定し続けた。しかしこの世界は残酷だ。否定したが、事実だった。
「よっ、メタナイト」
・・・・・
その声は、聞き慣れたジョーカーそのものだった。混乱しているメタナイト卿をよそに、カービィに話しかける。
「おい、ここでいいんだよな?」「はぁ?」
「いいぽよっ!」
「「あっ、喋った」」
「しかしカービィ、お前どこでこいつと……」
「お化け屋敷で会ったぽよ」
「そうか、では私のお尻を触っていったのはお前だったのか」
「なっ…………!!!?(羨ましい!)」
「けどこのピンクはメタナイトの子供か?」
「ちーがーうー」
「じゃあ俺の子か?参ったなぁ」
「ちーがーうーばかっ」
「とりあえず帰るぽよ」
偶然にも(!?)生きている(何故か)仲間と再会したメタナイト卿っ!
部屋で待っているものとは!?
続く
投稿遅れてサーセン