第48話 思いよ、届け!
「フフフ…もう、立ち上がれないの?」
「くっ…………」
「能力同士で戦いたいというのに、一切使わないなんて…ホントつまんない」
彼は、ラグナロクを…本当のラグナロクのことをよく分からない。それが、道具の為か…それとも、ちゃんとした目的があるのか……それに気付いていない…。
「これが…本当に、役立つのであれば………」
「何が言いたいわけ」
「私が言いたいのは、この能力でエリーを救えるのであれば救いたいのだ!!!」
「…!!」
彼の思いがエリーの心を揺らす。エリーは、とあることが脳裏に浮かんだ。
『エイレーネ、その能力でこの世界を守るのです…。あなたにしか出来ないことですよ……』
『はい…………様』
「うっ…うぅっ! させるかっ!」
__ああああああぁぁぁぁぁっ!!!!!
「エリー!」
「少し気を緩めていれば、危ないとこだったわ」
「エリー…絶対に、救ってみせる…。私がエリーを斬れば騎士道精神がと気にするが…エリーを救うためだ……。やるしかない…」
メタナイトは、出来る限りのチカラを発揮しようとする。その証拠にギャラクシアが光輝いていた。
「ぐあああぁっ…こ、この光は…このチカラは……ラグナロク…なのかっ!」
(エリー…一緒に帰ろう…そして、昔みたいに…また………)
メタナイトはギャラクシアを天に向かって掲げる。
「はあああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
「【聖剣の雨】!!!!!!」
光のような剣が雨のようにエリーのもとに降り注ぐ。それは剣ではいるが、その光は闇を浄化する光。実際、刺さる訳ではなく、エリーの心にある闇を浄化するための技であった。
「メ…メタ………ありがと…」
エリーが倒れかけていたが、それをメタナイトが支えようとする。
「エリー、大丈夫か?」
「うん…大丈夫。あなたの思い…届いたわ……」
「そうか…それは、よかった…」
メタナイトが微笑ましくしていた。そんなとき、みんながこっちへとやって来た。
「メター! やったね!!」
「ああ…それより、シヴァはどうなったのだ?」
「私たちで倒しておいた」
「多分、死んだんじゃない?」
シャドーがそれを口にしたとき、エリーを操っていたイシスがゆっくりと立ち上がった。
「シヴァ様は……生きているわ…」
「生きている…!? ボクたちで倒した筈なのに!!!」
「それとこれは違うぞ」
「まさか……ゾイ…!?」
「そのまさかだ」
ボロボロになっていたはずのシヴァがピンピンしていた。
「まだ、生きていたの!? しつこい!!! 【サイクロン】!!!!!」
「そうはさせないわ!」
イシスはすぐさま結界を張り、エリーのサイクロンをはじき返す。
「「「「「「うわああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」」」」」」
「フフフ…対したことないわね」
「強すぎる………!」
メタナイト達は起き上がるのが困難であった。
「さて…これが、本当の目的だ…。その、目的を今明かそう」
「本当の目的…!?」
シヴァは、自分の体を犠牲にして、闇の色をしたような宝玉へと変化する。彼らは分からないが、それぞれの四天王部屋でいた、ブレインやヤヌス、シアエガも宝玉に変化し、その3つの玉もシヴァの宝玉へと向かう。
「4つの宝玉…まさか、シアエガ、ヤヌス、ブレインなのか…?」
「3人までこんなことにするなんて…仲間を…こんなことにさせるなんて…絶対に許せないことです!」
「そんなこと関係ないわ。」
「関係ないって…最低です!」
「あなたは黙っていなさい」
バンワド目掛けて魔法を放つ。
「うわあっ!」
バンワドはイシスのメギドに炸裂する。一同はバンワドのことを心配するが、その隙に4つの宝玉がイシスの中へと取り込む。
「と、取り込んだゾイ!」
「…な、何てこと…」ガタガタ
シャドーは、見ていて恐ろしく思えきて背筋がゾクゾクしていた。
「イシス! それ以上行うと、そなたは命を落とすだけだぞ!」
「フフフ…あなたは、間違えてるわ。私はこうするだけよ!」
「………!?」