第43話 誰かの為なら…
(長期戦は厳しいな…一気に決めるしかないようだ……。仕方ない、この手で行くとするか……)
ギャラは深く考えシャドーを救いつつ、ブレインを倒す方法を思いついた。
「【ナイト召喚】!」
彼が叫ぶと、メタナイツのクローンが3人現れ、ギャラはできるだけ距離を遠くする。
(せめて…時間稼ぎたけでいい……頼んだぞ…)
ギャラは槍を高く掲げ、力を溜めている。その一方、ナイト3人はシャドーとブレインを倒すことに集中している。
「フッ、コンナモノ…」
ヒュッ!
「ウッ…!」
シャドーは突かれた部分を抑えていた。人数的にはシャドーの方が不利ではあるが、ブレインは動揺もしない。
「仕方ない、久々に憑依をするか…」
「憑依……だとっ!?」
彼はメタナイトに教えられたことを軽く思い出した。
『ダークメタナイトが操られた時…あいつは、憑依をしたのだ。憑依された者は苦しみ続けるのだ。』
『苦しめば苦しむほどそちらが有利になっていくのだ。もし、彼と戦うのであればどうか、お気を付けて…』
(あのとき、メタナイトが言っていたことが確かであれば厄介なことに…!! そろそろだというのに間に合わずに、シャドーを犠牲にしなくてはならなくなるのか…!!)
彼は、心の中で時を止めて欲しいと強く願う。すると、周りが冷たいようなそんな感じだった。ふと見ると、ギャラ以外のみんなは動きが止まっていた。
「無駄な体力を使ったようだな…これで、決めるしかないな………」
しばらく、溜め続けると時が再び動き出す数秒前に溜まった。
「よし…これでいいだろう。そろそろ、時が動き出すか……」
時が動き出すと共に、彼はクローンのナイトを解除する。
「【トゥエルブーエナジーシャワー】!!!」
地上からエナジーソードっぽいものが20本くらい、2人に狙いを定める。
「なにっ!?」
「………!!」
「「ぐああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!」」
その技1つ1つは見事に当たり、シャドーを救いつつブレインを倒した。
「ん…あ、あれ…? ボクは一体何をして……?」
ギャラは地面に降り立ち、シャドーに「大丈夫か」と心配をする。
「うん。大丈夫…ありがと…」
2人が会話している中、ブレインはよろめきながら2人へと近付いてくる。
「これで…勝ったと……思うな…。シヴァ様が…きっと…計画を推敲…するのだ……」ドサッ
2人は警戒していたが、ブレインはそのまま起き上がることもなかった。そして扉が開く音が後ろからした。
「つまり…時間がないっていうことだね…できるだけ急ごう!」
「ああ…急がねばな……っ!」
ギャラが少しふらついていた。シャドーは「ギャラ!?」と驚きながら、彼を支えていた。
「フッ…やっと、私の名前を言ったか……」
「そ、そんなことよりっ! どうして、どうしてラグナロクの能力を使ったの!」
「分かってたのか…。お前を守るためにしただけだ……」
「っ!! なんかごめん…」
ギャラは「私のことは気にするな。私のことより、みんなのとこへと向かう方が優先だ」とシャドーに負担をかけないようにしていた。
「うん…分かったよ…それじゃあ、急ごう!」