EP.5-3 Sorrowful 3
『GAME OVER』の文字と共に、その「ピンク色で丸い」キャラクターが
眠ってしまったので、もういい加減止めることにした。
きっとこの子も疲れているのだろう。
ふと、テレビの横の棚の上に、伏せられた写真立てを見つけた。
僕がここに来たときは、普通に立てられていたような
気がするのだが……?
「……写真?」
考えるよりも先に、手が動いていた。
伏せられた写真立てを、元通りに立てる。
そこには、楽しそうに笑う緑さんと…………
……その隣で優しく微笑む、男の人が写っていた。
「誰だろう……」
麻由美さんや、奈々さんのような、お友達だろうか?
それにしては2人の距離が近くないか?
「誰なんだろう……」
何となく、ただ、何となく、そのことが頭を巡って離れない。
その写真の男の人をよく見てみると、今、僕が着ている服とよく似た、
……いや、同じ?同じ服を着ていた。