EP.5-2 Sorrowful 2
僕1人だけしかいない家は、2人でいるときよりも、
何十倍も広く感じた。
「どうしようかな……」
何もない、誰もいない空間。
どうにも寂しくなって、部屋の真ん中にあるテレビのスイッチを
入れてみた。
電源を入れたのに、テレビは真っ黒だった。
「……あ。そうか」
そのテレビの前に置いてある、ゲーム機のスイッチを入れる。
『ぽよぽーよ!』
緑さんが好きなゲーム。僕も少しだけやらせてもらったことがある。
ゲームは難しいと思っていたのだが、
思ったよりは操作が簡単だったことを覚えている。
「えーと……こうして、こうだっけ?」
何でも彼女は、このキャラクターの「ピンク色でまるっとしている」
ところが、可愛いと思うらしい。
しばらく無心でゲームをしていた。
ほとんど何も考えずに、時間が経つのも忘れていた。