あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: 麻疹騙り/投稿日時: 2015/08/01(土) 14:24:27
投稿者コメント:
第4章完結です!
怒涛です!
EP.4-10 Unrequited 10
しばらくして、緑さんが口を開いた。


「なんで、謝るの?」


「え?」


想像していない答えが返って来た。

怒ってないのだろうか?


「別に設定じゃなくてもいいのに!確かに2人にはそう伝えたけど、
私たちもう出会って結構経つし、もう他人じゃなくて友達だよ?」


「友達……」

聞き覚えの無い言葉だった。僕なんかが緑さんの友達で
いいのだろうか?

「だから、敬語じゃなくていいよ」

またいつもの、優しい笑顔に戻った。


「ありがとうございます。でも、やっぱり僕はこっちの方が……」


さっき喋り方を変えたら、全く言葉が出なくなってしまったのだ。

毎日緑さんに迷惑をかけることになってしまう。


「そっか、縁くんがいいなら、それでいいよ」

「すみません」

「ほらまた!謝らないでよ」


 また、笑う。この笑顔に僕は惹かれたのだろう。


「じゃあ私、ライブ行ってくるから」


部屋の隅に置いてあったギターを持って、緑さんは部屋を出て行った。

また歌を唄いに行くのだろう。


僕が緑さんと出会うきっかけになった、美しい歌を。

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