4.再会
僕がいつものようにお店をやっていると、見知らぬ客がお店に来た。
「ヤア!ここら辺ではあんまり見かけない顔ダネェ。」
「ごめんなさい、此処に丁度いい日影があったもので...」
その客は不思議なオーラを醸し出していて、不審者にも見えるような恰好をしていた。
客はしばらくの間、店の屋根の下で雨ならぬ「日光」やどりをしていたのだが、ふと僕のほうを見て、
「貴方、私の古い友にそっくりね。」
と呟いた。
僕は一瞬戸惑ったが、洒落た帽子の下から見えた顔を見て、驚いた。
「ジ、ジネヴラ!?」
彼女は微笑んで、そうよ、と答えたのだった。
ジネヴラは僕と別れた後、沢山の次元を旅して、楽しい思いをしたそうだ。まあ、詳しく聞こうとしたら、「人のプライヴァシーを侵害するな」て話を遮られたんだけどね。きっと彼女なりの事情が裏にあるのだろう。それとも他の者には言えない何かとか?
夕方になると、彼女はもう時間だ、夕焼けが似合うポップスターの場所はどこかと聞いてきたから、適当にナッツヌーンとでも答えておいた。
「ありがとう。今日は楽しかったわ。存分ご機嫌用。」
とお礼を言って、彼女は夕陽の中に去っていった。なんて素敵な眺めなんだろう、と僕は思った。やはり彼女には夕陽が似合う気がする。夕陽の中の彼女はいつもより際立って美しく見えた。
彼女の姿を見たのはそれが最期だった。