第三話次元の差
あたしは真。真実の真でまことだ。顔はいいほうだとよく言われるが、実際は
腐女子だ。
記憶の中のあたしはずっと一人だった。
「あたしも遊びたい…」
「えー?深青さんはモテるから男子と遊んでよ〜」
「それな〜!!!」
クラスの女子からハブられ、孤立した。
そのあたしに希望をくれたのが、オタク文化だ。
「何この子…男だけど可愛い…!!!」
何故か見たアニメに萌えてしまい、そこから色々とはまっていった。
そのまま、一人の高校一年生の春。皆五月病に悩む時期。
「え!?深青さんっっっ!それ…!!!!」
休み時間、推しCPの画像をスマホで見ていると、後ろから声が刺さった。
「あ…赤ノ瀬さ、ん……?」
同じクラスの赤ノ瀬桜子だ。
「え!?私の事覚えてくれてんの!??」
「ま、まぁ…」
思っているよりテンションの高い人だった。それから私達は親友になっていた。
ある日の下校時刻。
「あ!」
桜子が急に声を挙げた。
「何?どうかしたの?」
桜子は後ろめたい事があるのか、義心地なく、
「ご、ごめーん、教室にプリント忘れた…?」
「それならついてくけど?」
すっ、と桜子は向きを変えると、先帰っててー、と走り出した。
「大丈夫かな……?」
まさかこのあと親友が危険な目に会うとも知らず、歩みを進めていった。