ミーシャ編
ミラーアリス「頼んだよ、ミーシャ」
裏世界のある日。
暖炉用の木材がなくなってしまったので、取りにいかないといけないのだが。
ミラーアリスも買い足しに出かけないといけないのだ。
ミーシャ「分かりました、アリスお母様」
…
ミーシャ「えーと、確かいつも使ってるのはここら辺にあったはず…」
出かけてから20分。
いつも使っている木材を探しに来たのだが、元々暗い場所なので炎魔法で灯りを付けながらの移動になる。
さすがにプラントンベリー程ではないが、それでも見つけるのは時間がかかる。
ミーシャ「…?」
どこかで気配を感じ、気配がする方へと歩み寄る。
気配の正体に気づくのに時間はかからなかった。
ミーシャ「! だ、大丈夫ですか!?」
「ちょっと魔物に襲われて… うぐ…」
気配の正体は、魔物に襲われて深い傷を負った30才ぐらいの男性の人だった。
幸い物を盗られたぐらいで済んだらしいのだが、傷が深くてこのままでは命にも関わる。
ミーシャ「ちょっとまっててくださいね、すぐに癒しますから」
ミーシャが男性の人に向けて白魔法を1つ放つと、今までの傷があっという間に癒えてしまった。
普通なら1週間は治療しないといけない傷だったのを数秒で治す。
「!? どこも痛くない…!? あ、ありがとうございます! あの、なにかお礼をしたいのですが」
ミーシャ「お礼なんてそんな…。 あ、今木材を探してたんですがどこかありませんでしたか?」
「木材なら私の家にあるのをあげるよ」
男性の人の好意に甘え、木材をいくつかもらう。
「本当にありがとうございました。あの、貴方は…?」
木材をもらい、また城へ戻ろうとした時、ふと問いかけられる。
ミーシャ「私ですか? 私はミーシャですよ。 では、待ってる人がいるので失礼しますね」
ミーシャが城への帰路に向かう。
男性の人は、その名を聞いて固まることしか出来なかった。
「ミーシャって、あの…!?」
…
ミーシャ「戻りました、アリスお母様」
ミラーアリス「おかえり、ミーシャ。少し遅かったね」
ミーシャは今日あった事を、ミラーアリスと共に紅茶を嗜みながら話すのだった。