第3話 彼女の見た悪夢に
世界樹の周りで眠っていたメタナイト一行。夜が明け、目を覚ます。
「う〜ん…よく寝たぁ〜」
「んぅ〜朝のお日様気持ちいい…久しぶりだなあ。あんな光浴びるの…んな訳ないか…」
「そうか、エリーは天界で仕事をしてもんだな…」
「まあ、少し風が気持ちいいしいいと思うけどね」
体をのびのびとし、眠気をふっとば
す。冷たい風ではあるが、何だかんだで意外と気持ちいいらしい。メタナイト達も起きて、背伸びをする。だが、秋桜はまだ眠っているままだった。
「こ、秋桜…? おーい起きてる?」
「カービィ、そっと寝かしたらどうだ」
「どうして?」
「秋桜は、何だかんだで色々と災難が起きているし、疲れてると思うから…」
「ですけど、何だか…顔色がおかしいですけど…」
バンワドが呟くと言われてみれば秋桜の顔色が良い訳でもなかった。まさか、悪夢を見ているのではないかと思うエリー、メタナイト。側で見守ることにする。
「秋桜の様子がおかしいのってだいおーのせいかな?」
「はぁ!?」
「だったら、私も顔色悪くなってるよ!」
「確かにそうだな」
「おい!」
デデデの扱いが酷いの(ry
「にしても…どんな夢を見てるんだろう」
「エリーなら夢を見れるか?」
「いや、どうして?」
「一応、女神だから見れそうだとか…」
エリーはメタ(ナイト)発言にむすっとする。まるで、馬鹿にしてるようなものだと思っていた。
「…馬鹿にされたけど、まあやれるだけしてみる……」
エリーは秋桜のペンダントにそっと軽く手を触れる。そこから、秋桜の夢なのか、メッセージが浮かんでくる。
「……! こ、これは………!!」
脳内から伝わっていくのは、秋桜の恐怖と起こり得るような予言らしきものだった。
「そ、そんな訳…」
「エリーどうした?」
(こんなの…メタに見せたら……いや、でもメタナイツのことだけは…教えなきゃ…だけど、もう1つは……)
エリーは能力でメタナイトにメタナイツの危険の知らせらしきものを送る。もう1つの出来事、つまりメタナイトが正気ではなくなることはひとまず黙っておくことにした。
「なっ………!?」
「メタ…? 何があったの?」
カービィがメタナイトに向かって顔をヒョコッとしながら首を傾げる。
(まさか、こんなことに…なってしまうのか……! くっ、こうしていられない!)
「メタ?」
「カービィ、そなた達に頼みたいが、秋桜を見ていてくれ!」
メタナイトはマントを翼へと変え、メタナイツのいる所、つまり、戦艦ハルバードへと急いで向かう。
「メタどういうk「話してはいられないのだ!」
メタナイトは、姿は見えなくなるほど全速力で向かっていった。
「何があったんだろ…」
「きっと、よくないことでも起きてるんでしょうか」
「良くないこととはどういうことゾイ?」
「たとえば…メタナイトさんの大事な仲間が酷い目に遭っているとか…」
「図星だよ」
エリーが暗い声で呟く。そして、秋桜の見た悪夢を言ってみることにする。もう1つは出来るだけ隠しておいている。
「そんなことが…!?」
「もしかして、秋桜さんは今でもその悪夢を……」
「見て取れるってことかもしれない」
「メタナイトのとこへ行くべきゾイ…どうするゾイ!?」
エリーは困った顔して腕を組み考える。エリーはメタナイトを追いかけつつ、秋桜を背負って行くことにする。
「だ、大丈夫なの?」
「今の私じゃムリ。でも、今ならね…」
エリーはエイレーネの姿に変化させる。
「さて、秋桜も背負いましたし、急ぎましょう」
「そうだね。よし、まずはこの神社の下へと行こう!」
*
「懐かしいですが…やはり、世界樹のもたらした影響でこんなことに…」
「いたぞ! 例の奴だ!」
「だ、誰っ!?」
カービィ達の目の前に現れたのは、見るからにカービィ達よりも身長が高い男性だった。普通に人間なのだが、正気を失っている。
「そのチビにつけているペンダントをよこせ!」
「ダメだよ! これは秋桜のものなんだから!」
「うるさい、さっさとよこせ!」
道を塞がれている状況に陥っている。メタナイトのとこへと急がないといけないというのにタイミングが悪い。
「どうすれば…」
「カービィ、私とワドちゃんで何とかするから行ってきて!」
「大王様、メタナイトさんのとこへと行って下さい!」
「エリー…/ワドルディ…」
2人は手を握りしめ「分かった」と言い急いで行った。