あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: テーリィ/投稿日時: 2017/06/07(水) 19:37:05
投稿者コメント:
元々は「カービィ×けもフレ流行らないかなー」と思ってかきはじめたモノです。誤字、「そりゃないよ!」ってレベルのキャラ崩壊などありましたらぜひお知らせ下さい。
6/11追記
あとからよくよく考えてみると、カバって時速40kmぐらいで突っ込んでくることあるんですよね。なかったのは速度ではなく瞬発力ぅ...ですかねぇ...
第1話:しんりゃくしゃ(7/27大規模修正)
《BGM:『64』けいりゅうくだり》
「うみゃーっ!」
「ぽよっ!つかまらないよ〜っ!」
サーバルとカービィは、サバンナの草原で「狩りごっこ」をしていた。
「そこだぁーっ!」
「ぱやや、つかまっちゃったぁ!」どうやら追い付かれたようだ。
「サーバルってすごいね!ぼくがどこにいても、見つけちゃうんだもん!」
「カービィこそ、足が速いし、背が低いから、つかまえるの大変だったよ!」
その後、二人(?)は木陰でその様子を見守っていたかばんのところに戻った。
「サーバルちゃん、カービィさんとすっかり仲良くなったね」
「うん。でも...たくさん走ったから、つかれちゃったな」
「ぼくも。お昼寝しない?」
「しようしよう!」
「じゃあ僕、セルリアンが来ないか見張ってるね」
やがて、カービィは木陰、サーバルは太い枝の上で、それぞれ寝息を立てはじめた。
「あれ...僕も眠くなってきちゃった...でも...セルリアン..来るかも...しれないのに....」
そして三人目も、心地よい眠りについてしまった。
――もっと恐ろしいものが来るとは知らずに。

そのころ、へいげんちほーでは...
「ライオン!今日こそ決着をつけようではないか!」
「城は渡さないぞー!」
いつも通り、ライオンとヘラジカの陣営の戦が行われていた。
...と書くと血生臭く聞こえるが、実際はとても平和な、いわばスポーツのようなものだ。
今日は「博士」のアイデアで、色水で塗った範囲を競う戦をしようとしていたのだが...
《BGM:『ロボプラ』ファーストコンタクト》
ふいに、昼間だというのに空が暗くなった。
「雨雲かなー?誰か、『雨が降ったら中止だ』ってあいつに伝えてきてくれない?」(と言っても、『私が怖がっている』としか考えないだろうな...)
しかし次の瞬間、雲を突き破って降りてきたものを見て、ライオンは目を疑った。
「超」がつくほど巨大な、銀色の球体だった。5本の長い支柱が、足のように生えている。
球体は何も言わずに、いきなり一条の光線を放つ。ライオンの城をかすめ、天守閣の一部が崩れ落ちた。
「大将!あれは...」
「...とにかく、あれのもとへ向かうぞ!」

港――あの球体にかなり近いところ――には、すでに多くのフレンズが駆けつけていた。
「何なのだ、あれは!」
「あれこそ宇宙人に違いないわ!」
「パークの危機はもうたくさんッスよ〜...」
「あ!ライオン殿がきたであります!」
人混みならぬ「フレンズ混み」をかき分け、様子を見る。博士と助手、そしてパーク有数の実力者であるカバが油断なく構える姿が見えた。
「遅くなって悪いね〜」
「まったく、百獣の王たるもの、パークの危機にはもっと敏感であるべきなのです」
「サーバルは何をしてるんですの?あの子、肝心なときに何も出来ないんだから...」
鮮やかなピンク色の船が、球体の表面の隙間から飛んできた。やがてアスファルトの地面にふわりと着陸し、タラップが伸びる。
降りてきたのは、船と同じピンクの髪を伸ばした女性と――彼女の護衛だろうか――ラッキービースト程度の大きさのいきものが5、6体だった。
「これはこれは!ゲンジュウ民のミナ様でのご歓迎、感謝いたしますわ」
余裕たっぷりの口調を耳にしても、フレンズたちは緊張を解かない。
「...何しに来た」
「あら、申しおくれました、ワタクシ『ハルトマンワークスカンパニー』の社長秘書を務めております、スージーと申します」
博士の助手が、ぴくりと反応した。
「...知っているのですか、助手」
「ええ、博士。以前、かばんに本を読んでもらったのです。いくつもの星や地域で、強引な事業を行ってきた、悪名高い企業なのです」
その言葉を聞いて、スージーと名乗った女性は大げさな態度をとった。
「まぁ...悪名高い、とは心外ですわね!」
そして人のよさそうな声で続ける。
「我がカンパニーは、あなた方ゲンジュウ民に働くことの喜びを教え、より豊かな生活をもたらすために...」
「スージー、と言いましたわね?ここジャパリパークの掟は、自分の力で生きること。外からの無駄な手助けなど、必要ありませんわ。それに、みんなも今の生活に満足しているのではなくって?」
「まぁ、その通りだね!」「そーだそーだ!」「わたしはアライさんがいればいいんだけどさー」フレンズの中からも声が上がってくる。
「なるほど...でしたら...」相手は球体のほうを向く。たやすく引き下がると思われた...まさにその刹那。
スージーは急に「ゲンジュウ民」に向き直り、強い口調でこう言った。
「...アナタ方を、現地採用の第1号と致しましょう!」
その言葉を聞いた刹那、護衛のいきものは一斉に光線銃を構えた。
「...来るぞ!」
銀色の光線が、銃口から放たれる。ライオン、そして博士と助手は素早くかわした。...しかし。
「きゃあぁぁ!」
『!!!』
動きの遅いカバは、攻撃をまともに受けてしまった。
その瞬間――彼女の体の、ところどころが金属に覆われはじめた。
「な、何ですかあの光線は...」
助けに入ろうとしたフレンズたちを払いのけ、カバはスージーの側に立つ。その目は生気を感じられないほど、虚ろだった。
「アッハッハ!カンパニーに楯突いた者は、みなこうなりますのよ」
そして両手を広げ、
「さあ、この方のようになりたくなければ、直ちにカンパニーに忠誠を誓いなさい!」
《BGM:『ロボプラ』フルメタル・ベーダー》
とたんに、フレンズたちの間に混乱が生まれる。
「フェネック!アライさんはやつらに従うのだ!」
「だめだよアライさーん...」
「フェネックが機械になるなんて、見てられないのだー!」

「みんな!今は逃げろ!」
「ビーバー殿!早くこっちへ!」
「は、はいッス!」

「われわれは逃げたほうが賢明なのです」「恥だが役に立つのです」
「大将!ここはオレ達に任せて早く!」
「なっ...お前達は...」
「今は博士と大将の死守が優先です!」
小さないきものはフレンズたちに、次々と光線を放っていく。

やがて、港は静寂に包まれた。カンパニーに従った者と、逃げおくれて機械化されたフレンズたちが残ったのだ。
スージーは通信装置を取りだし、社員達に告げる。
「ゲンジュウ民の約半数を逃がしてしまったわ。プロジェクトを進める際、見つけ次第機械化か駆除しなさい。それと...開拓の開始を許可するわ」
そしてフレンズたちに向き直り、
「さぁ、今この瞬間からミナ様はカンパニーの一員です。身も心も、ハルトマン様へ捧げなさい!」
フレンズたちは、みな力なくうなずいた。

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