あしかのらいぶらりぃ
はじめにお読み下さいこの小説を修正する最近のコメント・評価キーワード検索
設定メインページに戻るサイトトップに戻る
大 中 小
執筆者: 想羅/投稿日時: 2012/09/10(月) 07:01:47
投稿者コメント:
相変わらずキチガイじみてマス。
それでも大丈夫な方はどうぞ。
鬼ごっこ


「わーい!今度は__ちゃんが鬼だよ!」

__ちゃんが言っている。
あぁ、またなのか。



その日はいつも通りの1日だった


ただ1つ違うと言えば、場所。

その日は__ちゃんのお気に入りの場所で鬼ごっこをしていたの。


そこは___の森って言って__ちゃんの秘密の場所なんだって。

そしてそんな場所で遊べるぐらいのものは、やっぱり鬼ごっこしかなくて。



私はいつも捕まって。



私はいつも鬼になって



みんなを追いかけて



でもやっぱり
捕まえることなんて出来なくて。



悔しかった
いつもいつも私は鬼にされる。


別に彼らに悪気なんてない。

ただ私は、そんな彼等を羨ましさと妬ましさを込めた眼差しでみていたの。



そして、3回目の鬼。


私は崖のところまで__ちゃんを追い詰めることができた。
もう、逃げ場はない、大人しく鬼に喰われれば、全てすむ話。


そんなとき、彼女は、急に笑い出した。

ひたすら、笑う。


壊れた蓄音機のように、その音を発し続ける。



あはは、あはは、あはは

おにさんこちらてのなるほうへ


あはは、あははははは


恐くて、辛くて、苦しくて。

ガンガンと頭になり響くその笑い。
それは、まるで、__ちゃんが__ちゃん自身を嘲笑っているかのように見えてしまって。


「なんで、笑うの。」



そう、ポツリと呟いてた。




笑い声は止んだ。
波の音も、風も、なにもない、その時間の中で。



そして__ちゃんは悲しそうな顔をして


さよなら。



__ちゃんの口がそう動いたのを見た途端、私の意識は薄れていった。



みんなみんな、夢だったの?
私は、鬼になる夢を見ていたの?
それとも私が、鬼の子だったの?



目を醒ますと、そこは牢屋の中で
悟った、ここは。

ここは、私の家の座敷牢だ。



予想はついていた。

そんなことをされる前に、抜け出した方が絶対良くて


不思議なことに扉に鍵がかかっていなかった。


抜け出すのはとても容易で___



残酷な真実を見るのも、容易だった。



倒れていた、私を産んでくれた、人達が


撃たれていた、とある人物に。


こっちを見ないで、私にはあなたたちをたすける術なんて無いんだ


バン、と銃声が1つ響く。

煙をふく人影の拳銃の弾は、私の眉間を___


さよなら。



あの日見た光景が、帰ってきた


私はいつも鬼だった


今度は、彼女が 鬼なんだ


けど私は、笑い返すこともなく


ただ、ありがとうとだけ言って



魂は肉体を離れて___嗚呼、さよなら。


−−−−−−−−−−−−−−−−−

「逝った…ようね。」


まさか友達を含め友達の家族を仕留めることになるなんて。


運命を呪って、私は生きていく。



鬼さんこちら、手のなる方へ


彼女はそれだけ言うと

その家を去っていく。



残された彼等には、もうなにかをする力なんて無くて
ただその背中を開かない目で見つめ続ける


そのぐらいのことしか、鬼はできなかった


もう鬼ごっこはおわったのだ。

この作品についてのコメント/評価 (0)
 前の話へ  次の話へ 
(c) 2010, CGI Script by Karakara