第38話 彼を愛し続けた魔法使い
BGM:主のいないイルテンメッツォ
『うっ…ひっぐ……どうして……私は…捨てられなきゃ……いけないの…!! いつも…私1人にして…………』
スタスタ…
『…どうしたのだ』
『誰…?』
『我はシヴァ。そなたの悩みを聞こう』
『!! あなたが…ちゃんと……話し掛けてくれた…。それに、どこかで聞いたことがあるような…そんな感じかする……』
彼女は、話し掛けてくれる人がいて嬉しかった。
『私は…みんなに……裏切られたの…。いつもそう……。私は、この世界が憎い………』
彼はイシスの頭を軽くさすった。
『なら、我のもとへと一緒に来ないか? そして、人々を復讐しないか?』
『………いいんですか? 私で、いいんですか?!!』
『ああ。歓迎する』
『ありがとうございます! シヴァ様!!!』
それ以来、彼のことしか考えなくなっていた。また、ある時は……………
『シヴァ様…』
『どうしたのだ?』
イシスはシヴァのもとに近付き、強く抱きしめながら『私、自信がないんです……』と元気をなくしていた。そんなイシスを彼は優しく撫でる。
『………!!』
『お前ならやれる。いつでも頑張って来ていただろう…我も応援しているからな……』
『ありがとうございます……シヴァ様……』
(シヴァ様は、私だけを見てる)
(誰にも渡さない、誰にも邪魔させない!!)
BGM:リベンジ オブ エネミー
-魔法の間-
「ここですか……嫌な予感しかしませんが…行くしかないですね……」
ギィィィッ………
「うっ…なんか…動きづらいです……」
バンワドの入った部屋は、自由に身動きができない感じの部屋だった。
「フフフ、来たわね…」
「あ、あなたは……!! イシスさん……!」
イシスはあの空間の中で宙に浮いていた。
「覚えてくれたのはありがたいことね。でも…」
イシスは、目を勢いよく開いた。
「いっ、いきなりですか…!」
「来たからには…雑魚でも、容赦なく殺るわ!!」
チュドオオオオォォォォン!!!!
「うわあああぁぁぁぁっ!!!!」
いきなりの大爆発の不意打ちでバンワドは何もできずに倒れてしまう。
「っ…………」
「フフフ……私を止めることはできないわ…」
「私はシヴァ様の為なら…なんでもするわ!! 例え、私の命が危なくなったとしても!」