第37話 涙の数だけ…
「兄さん、これからも私達と戦っていくんですよね…ずっと……」
メタナイトは「もう二度とこんな悲しいことになりたくない。例え、兄さんが生きているとしても」と心から思っていた。それに、せっかく蘇っても彼はあまり喜んでいない……。まるで、その先に何かが起こるか分かっていたように言っていた…。
「メタ……」
それをギャラが言ってはいけないように言わないようにしていたが、もう彼なら理解しかけているだろうと感じていた。そして決意をし、彼にいっそ言うことにした。
「もしかしなくても…お前は、理解してるかもしれないが……ひとまず言わせてもらう…」
「ギャラさん…どうしたんですか…?」
「……メタ、あまり考えたくなかったかもしれないが言わせてくれ」
「………………………」
彼は分かっているかのように下を向き始めた。一方シャドーは首を振りまくるかのように理解していなかった。それ以外のみんなは「もしかしたら…」と思い込む。
「これは私が決めたことだ。しっかりと聞いてくれ…」
「唐突すぎませんか…。メタナイト様の気持ちになってくだs「…いいのだ」えっ…」
やっぱり彼はギャラの言いたかったことに理解をしていたようだ。
「兄さんが決めたことは仕方ない。私なら大丈夫だ…」
「メタナイトさん…本当にいいんですか?」
「問題ない」
(嘘だ…メタナイト様は…本当は……)
秋桜はこれ以上、彼を苦しませないように言わないでおいた。
「それなら良かった…。それと、しばらくの別れになるかもしれないな……」
「もう会えなくなるんですか…?」
「…………」
バンワドがそこに突っ込むが、ギャラは理由を述べなかった。
「だが、また会えることを祈ってる」
「…絶対に約束ですよ」
ギャラは最後にメタを軽く抱きしめていた。彼には見せてなかったが、ギャラが仮面の下で涙を流しながら「本当はお前とは別れたくない」とあまり言わないことを思っていた。
「カービィのことは分からないが、また会おう……」
__また会えるといいな…そなたと……また…
「……! 兄さん……!!」
彼はギャラの声がして涙が溢れ出てくるが、もうギャラは翼を広げて飛び立ってしまった……。
「兄さああああああぁぁぁぁんっ!!!!」
__お前は1人じゃない。仲間がいる
「でも……でもっ!」
__そのままでいたらノヴァとここを守っていけないだろ
「…………!!」
彼は寂しいことしか思ってなかったから、ギャラがもともといた場所のことなど考えていなかった……。せっかくギャラがやるべきことがあるというのに彼はずっとそんなことに藻掻いてばっかだった自分が情けなく思っていた。
「そうだった…兄さんは……やるべきことの為に…。」
「メタナイト様……。私達がいますから悲しまないで下さい…」
「そうです! ボク達は役に立たないかもしれませんが、それでもサポートしていきます!」
「ボクもカービィもサポートするからさっ!」
「ワシも忘れるなゾイ!」
「そなた達………」
彼は笑顔で「ありがとう」と呟いた。
「よし、鏡の国へと行こう! の前に…カービィ探さないと」
「そうだったな。どこに行ったのだろうか」
「任せて下さい……私が…ペンダント…の……チカ…ラ……で…」
ドサッ
「「「「秋桜(さん / ちゃん)っ!?」」」」
秋桜がいきなり倒れる。シャドーが体を揺らしても彼女は目を覚ますことはない…。きっと…さっき、ギャラを蘇らせる為に無理をしたのだろう……。
「やはり、さっきのことで魔力を使い果たしてしまったのか」
「あんな強力な魔法を何回も放っていたせいでもあるゾイ」
「それもそうですけど、どうしたらいいんでしょうか…」
「カービィを探すのもそうだが、秋桜をどうすればよいのだろうか」
「私のこと忘れてるよね?」
「「「えっ?」」」
「そ、その声はまさか………!」