第36話 メタナイトの願い
「では、やります………」
「…頼んだぞ」
秋桜がペンダントのチカラを使う。彼女はペンダントを包み込むようにギャラを蘇らせてほしいとそっと願う。
「ペンダントよ……ギャラクティックナイトを蘇らせたまえ…………!!」
彼女がペンダントに願うと、ギャラから光が包み込まれる。
「「「「………………………………………」」」」
周りのみんなは成功することを願っていた。
(絶対に逝かせはしないっ!!)
彼女はいつも以上に意識を強めた。さっきよりも光が目映くなっていた。
「ま、眩しいです!」
「さっきよりも増してるゾイ!」
「これならギャラも蘇るはず!」
「……だといいのだが」
「え?」
メタナイトの発言にシャドーが突っ込む。確かにメタナイトの言う通りでそう簡単にはいかなかった…。
「はぁ…はぁ……」
秋桜が途中で止めてしまい、息切れをしていた。
「秋桜さん……」
「…すみません。私、出来ないかもしれません……せっかく、メタナイト様に不安に…させないようにしようと決めたのに……」
彼女は体をうずくまり、諦めようとしていた。
「……………」
それをメタナイトが彼女に近付きそっと頭を撫でた。
「メタナイト…様?」
「そなた十分してくれた…。後は私が何とかするしかない…」
「だけど、どうすれば…」
メタナイトはとある作戦に賭けようと思っていた。
「これは私の考えだが、他の者にも触れることはできるのだろう」
「…それは、チカラを持っている者だけです…」
「なら、問題はない」
秋桜は彼が言うことを全く理解していなかった。彼は「このギャラクシアもそうだ」と呟く。
「ギャラクシアって…その剣ですか…?」
「ああ。ギャラクシアは意志も存在している剣だ」
「えっ」
「驚くのも無理がないだろう。ギャラクシアはチカラある者にしか触れることが出来ないのだ。試しに触れてみるか?」
彼は秋桜にギャラクシアを触れることができるか検証しようとした。もし、触れることが無理だった場合、ペンダントを触れることは無理かもしれないと彼は思っていた。
「…試してみます」
秋桜は覚悟を決めて、ギャラクシアに触れた。
「っ…! ……ってあれ?」
秋桜は警戒をしていたが、そうでもなかった。つまり、ギャラクシアとペンダントは似ているのかしれないということが分かった。
「…そういうことだ。私もペンダントを触れることができるだろう」
「…確かにそうですね。ですが、メタナイト様が死ぬことになるかもしれませんのにするのですか…!」
彼女は不安になるがメタナイトは「これ以上は迷惑をかけたくないのだ」と彼女を庇うかのように言った。
「……!」
「ペンダントを渡してくれないか…?」
「…いやです」
彼女は断り、ペンダントを隠すようにメタナイトに渡したくなかった。
「秋桜…! 分かっているのか! これしか方法がないだろう!」
「2人でやるという考えなんてあなたにはないんですか!」
「……!!」
彼女がメタナイトに少しキツめの発言をした。メタナイトは目線を下に向けていた。
「それもそうだな…。仕方ない、2人で行おう」
「…はいっ!」
彼女が笑顔で言った。
「行きますよ…」
「ああ!」
2人がペンダントに向かって強く願う。1人の時よりも輝きは増していた。
「2人共頑張って下さい!」
「これなら行けるゾイ!」
「お願い…ギャラ、帰って来て……」
(兄さん…待っていて下さい…!)
(お願い、メタナイト様の願いを叶えてっ!)
2人の強い気持ちが重なり、そして……
ギャラの手がピクッと動き始めた。
「「「「「……!」」」」」
「兄さんっ!」
メタナイトは笑顔でギャラに近付いた。
「メタ…私は……生きてるのか?」
「兄さん、もう大丈夫だよ…」
「そうか…またこうして、お前と話せるんだな」
「そうですよ♪」
彼は笑顔で話していた。だが、ギャラはそうでもなかった……。まさかの衝撃的なことになるのは、別のお話…。