あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: 麻疹騙り/投稿日時: 2015/08/01(土) 12:15:14
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からたちの棘指切りあをあを両手でげんまん
EP.4-7 Unrequited 7
「あ!マユ!電車!」


突然、奈々さんが腕時計を見て、急ぎ始めた。

「本当だ!行かなきゃ!緑、ありがとう!」


奈々さんが急ぎ始めると同時に、麻由美さんも慌てて身支度を始めた。


「そっか、もう帰るんだ。来てくれてありがとう!」

緑さんは、2人を笑顔で送り出す。

笑っていたが、その顔は少し寂しげだった。


「「おじゃましましたー!」」


2人は急ぎ足で出て行ってしまった。バタン、と大きな音で
ドアが閉まる。


「あの……お2人、なにかあったんですか?」

率直に気になった。

あんなに楽しそうだったのに、すぐに帰ってしまうなんて……


「ああ。家に帰ったんだよ、2人とも」

「家?その割には、急ぎ過ぎじゃないですか?」

2人の表情は、凄いくらいに急を要するようなものだった。

「あの2人、県外の大学行ってるから。電車の時間もあるからね」


「電車……」


畑のあったあの場所には、電車、というものが通っていなかった。

交通手段といえば車と自転車ぐらい。

だから、どんなものなのかが想像できなかった。

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