第35話 思いよ…届け!
「お兄ちゃんが意識をなくした今…ボクはもう何も出来ない。なら、ボクはお兄ちゃんと一緒に死へと…」
「そんなのダメです!」
「どうして止めるの…? ボクはお兄ちゃんに会いたいんだよ……」
メタナイトはギャラにどうしても会いたくなっていた。だから、どんな手段だろうとやり遂げようとしていた。
「そんなこと、ギャラ様が望む訳ありません!」
だが、秋桜はどうしても彼のやることを否定する。そんなことをギャラが喜ぶのか…。そう思っていたのだ。
「ギャラ様は本当にそんなことを望んでるのですか」
「…! だけど、ボクは絶対に会うんだ…! だからボクも死ねばいいんだ!!」
もしも、何とか出来る方法があったとしても…今の彼では通じない……。それを覚悟したのか、秋桜はふと、口に出してみる。
「…もし、ギャラ様が蘇る方法かあると仰ったらどうします?」
「………!!」
彼は咄嗟に反応をしてくれた。秋桜は今なら聞いてくれると思い、話してみる。
「もしかしたら…ギャラ様を蘇えらせることが出来るかもしれません……。いいえ、出来るはずです!」
「そんな訳がない……。だって、お兄ちゃんはもう…」
彼は下を向いて暗い顔をする。
「分からないつもりでいるのですか」
「…そんなこと!」
「なら、分かりますよね…? 助かる方法があるはずと」
「それは……」
彼は今の今まで正気を失っていた。彼は何か方法がないかと咄嗟に考えてみて、その結果……方法として、秋桜がペンダントのチカラで蘇らせるしか方法がなかった。
「キミが……やるしかないだろう」
メタナイトが仮面を拾い上げ、付けながら言った。それを彼女はその答えを待っていたかとように静かに微笑んだ。
「メタナイト様…!」ニコッ
「すまなかった…正気を失っていて……」
「分かってもらえて嬉しいです」
秋桜はメタナイトが正気に戻っていて嬉しくなっていた。
「それより、兄さんはいいが…そなたは大丈夫なのか?」
「ええ。」
彼女は平然とした顔でさらっと言った。メタナイトはあえてそれ以上突っ込まないでおいた。
「そうか…なら、兄さんを……頼んだぞ…」
「任せて下さい……」
「それと、あいつらはどうするのだ」
「…あ」
後ろを振り向くとデデデ、バンワド、シャドーがくたばっていた。
「一応、次の話になれば蘇生するからほっときましょう」
「…それでいいか」
「「「メタすぎるわっ!」」」
「なんだ起きてたのか」
メタナイトはつまらなさそうに言った。
「そりゃああんな発言したら起きて突っ込むゾイ!」
「まったく、ひどすぎるよ! あ、カービィは?」
「「「「どーせヒョコッて来るでしょ」」」」
「みんなして扱いひどいんだね…;」
シャドーは思わず苦笑をする。
「ピンクの悪魔さんですから」
「カービィだからだ」
「カービィだからゾイ」
「カービィですから」
「ホントに、みんなからして…カービィはなんとも思わないのか…;」
シャドーまたまた苦笑。こんなに扱いが酷い主人公は初めてだと思ったシャドーだった。
「あ、メタナイトが主人公か」
「何か言ったか?」
「なんでもなーい」