第34話 闇(病み)のメタナイト
「メタナイト様、正気に戻って下さいっ!」
秋桜は1歩ずつメタナイトに近付いていく。それを彼は嫌そうな顔をする。
「来るな…クルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナ……クルナアアアアアァァァァァッ!!!!!!」
メタナイトが両手を出し、秋桜を吹っ飛ばそうとする。秋桜はなんとか踏ん張ろうとしたが…耐え切れず、吹っ飛ばされる。
ドオオオオオオオォォォォォォォン!!!!!!!!!!
「きゃあああああっ!」
勢いよく吹っ飛ばされた秋桜は数秒間、呼吸ができなかった。
「……くっ…メタナイト様が…悲しみと憎しみに蝕まれていく…早くしないと……」
だが、迂闊に近付けばまた…さっきみたいなことが起きて意味がない…。ここは、遠距離から攻撃を仕掛けたりするしかなかった。
「迂闊に近付けません…魔法で挑むしかないですね」
秋桜はペンダントに軽く触れる。すると、いつも戦う時みたいに雰囲気が変わる。
「メタナイト様! あなたがギャラ様が帰ってきてほしいと願っても、何も変わらないわ!」
「煩い! ボクの気持ちも分からないくせにぐちぐちと言わないでよ!」
メタナイトの怒りの感情が強くなる…。その影響で威力も増幅していく…。しかし、使用しているのはラグナロクの能力。このまま使い続ければメタナイトの命さえ危険に陥る。
「はぁっ!」
結界を張り、凌ぎ切る。早めにメタナイトを止めないと、ただじゃ済まないと察知した秋桜はペンダントのチカラを使おうと決意する。
「本当は使うつもりではなかったけど…メタナイト様を救うにはこれしかない!」
彼女はペンダントを包み込むように握り締める。
「ペンダントよ…剣士メタナイトを救う為に我にチカラを!」
彼女が強く願うとペンダントが光り、輝き始める。
「うっ………!」
メタナイトは眩しく、両腕で目を守るような体勢をする。光が止み終えると、秋桜からオーラのような?ものがあった。
「剣士メタナイト…あなたの悲しみ、憎しみ……そして、怒りを………」
「この私……秋桜が浄化しますッ!」