第32話 夢から覚めて
「メタ、遅いなぁ…」
「ゼウスさんが、メタナイト様に眠りの魔法をかけましたから…時間はかかるはずですよ」
「それより、ワシのエリーちゃんはどこゾイ…」
デデデがむちゃくちゃなことを言い、それをカービィが「いや、あんたのじゃないし」と突っ込み、ハンワドが「気持ち悪い」とボソボソ呟いていた。
ガチャッ
「んっ………?」
メタナイトはカービィたちがいるドアを開けた。彼が開けた瞬間、カービィが安定の飛び込みをしてきたが、やっぱり避ける。
「どれだけやれば気が済むのだ…」
「うぅ、だってぇ……」
「カービィ、メタナイト様がずっと起きていなくて心配していたんですよ」
バンワドの一言で彼はハッとし、「すまなかった…」と言った。
「それより、シャドーと兄さんは?」
「『ちょっと出かけに行く』って言ったきり、帰って来てないけど……」
「何もなければいいのだが…」
メタナイトは嫌な予感がしていたが、ひとまず状況をカービィたちに説明しようと思っていた。
「これから、私達はエリーを探しに行くのだが……」
いきなり、カービィたちが顔を暗くしていた。彼は「どうしたのだ?」と声を掛けると…
「エリーが……」
「エリーがどうしたのだ?」
「エ、エリーさんが…さらわれたんですっ!!」
「なっ………!?」
これは、彼がまだ眠っていたときに起きていた出来事である。カービィたちが平和そうにしていると、突然…ある映像が流れていた。
『ポップスターに住む愚かな者たち…』
『誰だっ!』
『我は、破壊神 シヴァ』
彼のことを耳にした一同はビクッと反応した。
『は、破壊神……』
『シヴァッ……』
『お前らに告ぐ。エイレーネは我が頂いた。』
シヴァの隣には、鎖に縛られているエリーの姿があった。
『助けてっ!』
『エリーさんっ!』
『卑怯ゾイ!』
カービィが「いや、何かした?」って突っ込んだ。
『エイレーネを救いたければ、我の元へ来るがいい…。以前に、来れるかな?』
シヴァは笑い声をあげた。そして、それと共に映像も消えた。
「ということがあって…」
「成る程…な……。それで、彼らは探しに行ってるのか…」
カービィは彼が理解してくれたのが早くて「言わなくて済んだ」と思っていた。
「それより、そっちは何かあったゾイ?」
「一応あった…」
メタナイトは夢で見たことをみんなに話してみると…
「それって……まさか…」
「ただ、本気で起こるのかは分からないのだ…」
「一応、心に刻んでおくとしましょう…」
一方、エリーは…
「ホント、あんな演技もう二度としたくないんだけど…」
「いい演技だったぞ。さて、そろそろ…我々も動き始めるとしよう。」
「まずは、このポップスターから破壊だ」
デストロイの一同は、姿を消して行った。
「そなたはここで待っていてくれないか? 一気に蹴りを付けるためにな…」
「はい。シヴァ様の仰せのままに…」