舞い戻った両翼
ここは空の戦士団基地。
ここには多くの空の戦士団がいる。
その基地にある男が帰ってきた。
「団長!!頼む。俺をもう一度空の戦士団に復帰させてくれ!!」
空の戦士団の団長に頭を下げている青年は一度空の戦士団をクビになったらしい。
「だからこの前も言ったように、飛べない戦士はいらないんだ。」
「これでもダメかよ!!」
青年は団長に背を向け取り戻した両翼を見せ付けた。
「お、お前…。その羽…。」
「俺にはここしか残ってないんだ。だから・・・お願いします。」
青年は普段使っていないらしく、ぎこちない敬語を使った。
「…。わかった…。」
青年は喜びのあまりガッツポーズをした。
「じゃあ…」
「だが…」
団長は青年の言葉の途中に割り込んだ。
青年は疑問を思った。
「また新人からだ。」
「何でだよ!!」
「お前は一回はクビになったんだ。また再スタートしろ。大丈夫だ、ロイスならいける。」
「…。わかったよ…。」
青年、ロイスは気分が晴れないような顔で団長の提案に承諾した。
「そうだ!!お前に言うことがあった。」
団長は帰ろうとしたロイスを止め、何かを言おうとした。
「何だよ団長、まだ話すことがあるのかよ。」
「お前にバディを紹介するんだった。」
「バディ?」
「まぁついて来い。」
ロイスは団長の後をついて行くとそこは一つの部屋だった。
団長はドアをノックした。
「入るぞ。」
ドアを開けると一人の少女がいた。
「団長、こいつが俺のバディか?」
「まぁそうだな。」
ロイスはその少女を見た。
体色は空色、足は緑色。
羽は薄い桃色と黄土色の羽を持っていた。
「こいつはエータ。最近入った新人だ。」
エータと呼ばれた少女は軽く頭を下げた。
「こいつに合うバディを探してたんだが…なかなかいなくて…。だからお前に頼んだ。」
「当てずっぽうじゃねぇか!!」
「まぁしっかりしてるから。」
「適当だなぁ…。」
団長はエータのそばに行った。
「エータ、あいつはロイス。前この空の戦士団にいて、今日復帰した奴だ。」
「よろしくお願いします…。」
エータはそっと言うように話した。
「じゃあ、後は任せた。」
団長は急いで帰っていった。
「え!?俺はまだ承諾したとは…。」
団長はもういない。
この部屋にはエータという少女と自分しかいない。
エータという少女は本を読んでいる。
「お前、武器は…。」
ロイスは恐る恐る聞いてみた。
「これです…。」
エータは手につけられたグローブを見せた。
「クロー?いや、爪が飛ぶのか…。」
「放爪と言います…。」
エータはそれだけ言うとまた目線を本に戻した。
「(なんなんだこいつ…。)」
ロイスは疑問を得ていた。
そのとき警告がなった。
「ロイス、エータ、仕事だ。
西の雲方面に魔獣の反応だ。」
団長は放送で流した。
エータは本にしおりを入れて、イスから立ち上がった。
「行きましょう…。」
「おぉ!!」
二人は飛び立った。
西の雲方面に行く途中、ロイスは動きを止めた。
「先に行っててくれ!!」
「分かりました…。」
エータはロイスの言うとおり先に行った。
ロイスは琴の音がする木の下へ行った。
「あの…。」
木の上には一人の人がいた。
「あの時はありがとうございました。」
ロイスはそれだけ言うと急いで魔獣の元へ行った。
「羽を取り戻したようだね…。あの青年のこれからが気になるな…。」
と言うと男は琴を再び弾いた。
ロイスは魔獣のところまで行った。
「俺はもう前の俺とは違うんだよ!!行くぞ、エータ!!」
「はい…。」
ロイスの新たな戦いが始まった。
両翼を羽ばたかせ…。