3.別れ
彼女は僕の姿を、僕が発した言葉を、どう思っていたのだろうか。もしかしたら、僕がいつかとんでもないことを仕出かすと思っていたのだろう。暗い顔は、僕を気の毒に思う顔だったのかもしれない。
僕がローアで旅立つとき、彼女も此処を離れると言い出した。僕がいなくなったら楽しくなくなるからだそうだ。
「最後に、貴方の運勢でも占ってあげましょうか?」
彼女は過去も未来も、いまだ知らぬ者のことも、運命も、この世のことが全てわかる。だからこそ、この世が退屈だ、全て分かるからつまらない、と彼女は度々言っていたが。まあ、こんな人に出会うなんてそうないから、快く「イイヨ」と返事をした。
彼女は、分かり切ったような顔で、こう言い放った。
「貴方はそのうち不幸になるわ。」
何で?と僕は聞き返した。まあ突然そう言われりゃ誰でも理由が聞きたくなるだろう。少しの沈黙を経て、彼女は悲しそうに言った。
「本当のことを言うと、私は、貴方に此処に残って欲しいの。別に寂しいわけじゃない。でも、折角の友達を不幸にしてあげたくなくて...」
ジネヴラは何を言っているのだろうか、その時の僕にはわからなかった。なあに言ってるのさ、そんなことないだろうと僕は返した。
「...」
少し様子がおかしいと思いながらも、何食わぬ顔で僕はローアに乗って出発したのだった。
その後、僕はカービィたちと出会うことになるのだ。
彼女は当然のことだが全て分かっていた。僕に警告してくれていたんだ。僕はそれも知らずに...