ノート3助かる例はある。
あの後、僕達は森の中を走り回った。
「ふ、ふうぅぅ……」
「レイ、大丈夫?」
平気だ。第一危ないのはキャメルだ。王族の娘が逃亡したものだから。
「ところで、メルって何?」
「え、あぁ、キャメルは言いづらいからメルって読んだんだ。運がよければ他の人って思われると思ったし……」
それはともかく、家から出て、かなり時間がたった。
「お腹、空いたな…」
食料は、少し鞄につめいれている。
「…………」
今、重要な事を思い出した。
「レイ、どうしたの?」
「いや……缶詰?ってどうあけるの…?」
これじゃあ、まともに食事出来ないだろう。
「ちょっと貸して」
キャメルがそう言ったので、缶詰を渡した。
すると、キャメルの手が淡く光り、カチッ、と音がした。
「はい」
「凄いね、キャメル!今の魔法!?」
「え、あ、うん!」
この世界は現実をシカトしている。
「んー、おいしー!」
キャメルがあけた、缶詰を頬張る。
キャメルはキャメルで、パンを用意していた様だ。
数時間経過〜〜
二人は木に登り、眠った。
レイは、突然目が覚めた。
嫌な予感がする。しかも、遠くに人の声がした。それは、子供じゃない、大人だ。
「まさか………」
昼間の時みたいに……!
「キャメル!起きて、キャメル!」
必死でキャメルを起こす。
「…ん…何…」
「お城の人だよ!近くに来る!」
その言葉でキャメルは目を覚ました。
「ど、どうしよ!?」
そっ、とレイはキャメルの手を握った。
「大丈夫、君はここにいt」
『見つけたぞ!』
お城の人_____おそらく、剣士達等だろう。
「いやだ……!!!」
二人は駆け出したが、大人に勝てるわけもなく、捕まった。
「やめて、離してよ!お城には戻んない!」
「離せっつってんの……!」
二人はもがく。
「私もう…!…お母様達の言うこと聞かないもん!私だけ、ほっといて!」
すると、キャメルを捕まえていた剣士は、固まり、石のようになる。
「!!???」
「レイ!」
キャメルは魔法を使い、ランスを取り出す。
「キャメル様にこんな力が…!!」
レイはキャメルに手を伸ばす。
キャメルはしっかりと、手を握り締めた。