ミア編
ミラー黒アリス「ミア、いいんですの?」
ミアの母であるミラー黒アリスが寝込みながら話す。
ここ連日の仕事での疲れが出てしまったのか、今日の朝38度後半の熱が出ていた。
ミア「勿論だよ、まま! そりゃあ一緒にいないと寂しいけど…。
それでもままが元気になるために私、がんばるもん!」
なら…とミラー黒アリスはお金だけを渡す。
ミラー黒アリス「献立はミアに任せますわ。
わたくしが元気になれるようなものをお願いしますわね」
ミア自体料理が超得意で、実際に何人ものの巨匠シェフを黙らせてきた実力もあるのだが。
平日は学校があるので、城での調理は専らミラー黒アリスがやっている。
…
ミア「取敢えず、城下町に行けば何かあるかな?」
城を出てすぐにある城下町。
そこには賑わいがすごく、店も多く出ている。
勿論これだけでもミアの心に寂しさが沸き上がってくる。
ミア「うっ…う…」
段々膨れ上がってくる寂しさ。
涙が出そうになったが、ミラー黒アリスが待っているのに止まってはいられないと踏みとどまる。
ミア「あ、あった! すみません、これください!」
ミアが探してた材料を見つけてはぱぱっと新鮮だろうと思うものを取っていく。
「毎度! …ん、もしかしてお嬢ちゃんは」
ミア「ミアだよ!」
と答えた瞬間、周囲の目が一斉にこっちを向く。
ミアの天才的料理もまた既に広く知られてしまっている。
そのミアが買いに来たとなれば、その店の繁盛も確約されるのだ。
ミア「ただいま、まま!」
城に戻ってくるなり、昼食の用意をするミア。
献立は城を出たときには既に決めていた。
調理器具を取り出すと、電光石火の勢いで調理をし始める。
野菜を切り、卵をほぐし、焚き上がったご飯をさっと水で洗い。
鍋に野菜とごはんを入れて煮る。
ミア「はい、まま!」
ミラー黒アリス「あら、これは美味しそうな雑炊ですわね。
いただきますわ」
ミラー黒アリスが一口食べる。
その時に見せた、幸せそうな表情を見て、ミアはとても嬉しくなったのでした。