タイムスリップ!2
一方その頃カービィ達の方では、とりあえず一体ここはいつの時代かを確かめようとしていた。
カビ「まったくあのやぶ医者が…一体いつの時代とばしやがったのさ…」
メタ「…ったく、帰ったら輪切りにしてやる…」
そんな事を言いながら歩いていると、ふいにある巨大な建物にカービィがぶつかってしまった。
カビ「ぶほぉっっ!!……あー、イタタ…」
なんとも間抜けな声を出す。
メタ「ったく、大丈夫か?気を付けろよ」
半ば呆れたように言うメタナイト。それにカービィは、
カビ「あー、うん、ごめんごめん。大丈夫。」
と言う。
メタ「…はぁ、まぁ、無事で何よりだ。」
カビ「まー、次から気をつけるよー。それよりさー!この建物の中に入ってみない?」
メタ「え、またいきなり…別にいいけど、またどうして」
カビ「いや、折角過去に来たのになにもしないで帰るなんてつまらなすぎるよ!だから、入ろ!」
メタ「は、はぁ…まぁ、せいぜい過去を変えるような事はしないようにな…」
そういうわけで、建物の中に入ることに。
カビ「お、おじゃましまぁす…」
メタ「うわー、中暗い上に無駄に広くてなんか怖いなー…」
カビ「ドアもギィギィいってたしね…」
そんなこんなで探索してると、ある部屋にたどり着いた。
カビ「んー、この部屋なんだろ?」
メタ「中見てみるか」
その部屋の中を覗いてみると、カービィ達は一瞬でこの建物が一体何なのかを悟った。
カビ「こ、ここは…」
メタ「魔獣製造工場…」
そう、ここでは魔獣が作られていた。 そして、カービィ達は自然と、自分達の過去を思い出していた…
そう、それはまだ二人が魔獣の試作品だった頃の事。
カービィとメタナイトは、新しく作られた有能な魔獣の試作品として作られた。それはもう本当に最高の出来映えであった。が、結果は失敗であった。
なぜなら、この二人は感情を持ってしまったから。言われた通りの事さえすればよい兵器なんかに感情は不要。もし何か不満を持って反乱などされてはたまらないから。
だから、二人は消される…はずだった。消されるはずだったのだが、二人がちょうど抹消されるというときに、誰だかよく分からない人達がきて、二人のことを助けてくれたのだ。 その人達はその後名前も名乗らずに消えてしまったのだが…
結局それは今でも分かっていなかったのだ。
どこかで見たことがあるんだけどな…
そんなことを考えていると、それは昨日見た夢と同じだということに気がついた。 が、今のカービィ達にはそんなことはどうでもよく、
カビ「メ、メタ、どうする!?」
慌てていた。もしこのまま見つかれば侵入者として殺されるだろう。
メタ「とりあえず…この工場で働いている人達に見つからないようにしなけれb…カビ「うわっ、人来た!!ヤバっ」
メタ「ちょ!!そこの部屋に行くぞ!!」
そんなこんなで二人はたまたま近くにあった部屋に逃げ込む。
カビ「あー、危なかった…」
メタ「セ、セーフ…」
ギリギリどうにか見つからずに済む事ができたが…そんなとき、カービィはあることに気がつく。
カビ「あれ、なんかこれ、またうしろにドアあるよね?」
そう、随分とせまい部屋だと思ったら、部屋の後ろにまた一つ、分かりにくいようにドアがあったのだ。
メタ「入る…のか?」
カビ「まぁ、気になるし…」
そして、何だかんだで部屋に入ってみると、そこにはまた、ドアがあった。
カビ「ま、またぁ〜?」
そして、そのドアを開けるとまたドアがあって…
……というのをもう三十回程繰り返したときだった。 ふいに、また現れたドアの向こう側に異様な雰囲気と、ものすごい殺気と、ツンと鼻をつく強い血の匂いがした。 本能的にヤバいと感じる。
カビ「この先に…行きたくない…」
カービィがそう言って、恐怖の色を目に浮かばせる。
メタ「私も、だ…」
そういい、メタナイトも恐怖で硬直する。 しかし、
メタ「だが…なぜだか入らなくてはいけない気がするんだ…」
そう、震える声で言う。また、カービィも
カビ「僕も、なんだ…なんでだろう、頭では行きたくないと思ってるのに、なぜか片隅で、今いかなかったら全てが終わるって、気がするんだ…」
と言う。そして、ついに意を決してドアを開けてみると、そこには…!