予言電話 着信後
謎の声「随分、大変そうじゃないか…。一息着いたらどうだ?花畑にでも行ってさ…」
ナックルジョー「…時間稼ぎでもしたいのか?俺は今、警視庁の目の前にいる」
謎の声「知っているさ。だから、電話を君にしているんだよ。君が見る最後の景色が、禍々しい墓標と言うのは、悲しいだろ?」
ナックルジョー「墓標…?貴様、花畑に何かあるのか?」
謎の声「…予告だ。花畑に、爆弾を埋めた。制限時間は警視庁の爆弾と同じだ。つまり、お前は選択をしなければならない。無垢な自然を破壊するか、冷酷な人工を破壊するか、選べ」
電話が切れる。
ナックルジョー「俺は…どうしたら良いんだ!」
一方…
謎の声の主「…来たか。ダークマター」
ダークマター「死神と呼んでもらえると有難いな。…しかし、私に復讐するとは、良い根性をしているな」
謎の声の主「お前は、警察を裏で操っていた。そのせいで…偽りの平和が出来てしまったんだ」
ダークマター「偽りで何が悪い。争うよりはマシだぞ」
謎の声の主「…国民に真実を伝えず、国民に疑問すら与えない。なら、私は皆に自由を与える。貴様に支配された偽りの平和ではなく、皆に真実を知ってもらう、本当の平和を私が創って見せる!」
ダークマター「お前の言葉が全て嘘に聞こえるな…俺を動揺させたいのか?そして、お前は誰だ?ソアラ」
ソアラ?「…希望達から生まれた絶望だよ」
ダークマター「つまり、貴様は残留思念か…しかも、偶然生まれてしまった」
時、同じくしてナックルジョー…
俺は、選択した。
そう、選択したのだ、自然と人工。
俺が選択したのは、どちらも救う事だ。
ゲームキャラクターの方を、警視庁。
本体は、花畑に行く事にした。
そして、俺は今、花畑にいる。
ナックルジョー「早く、爆弾を掘らないと!」
ん?急に頭が…グアァアーーーーーーーーー!!!
遥か昔
・ドル・ゥ「・に・てい・の?」
ナックルジョー「ああ、花を摘んでいるんだよ。この世界には、戻る事はないからね」
・−・・「も・時間・・」
ウィ・ー「ナック・ジ・ー!行・うぜ・俺・楽・・なんだ」
ナックルジョー「ああ!俺も楽しみだ!」
現代
ナックルジョー「…何だ?この記憶、ん?電話が来ている(そう言って電話に出る)」
謎の声「残念。ただの時間稼ぎだ。後、20分頑張りたまえ」
ナックルジョー「大丈夫だ。警視庁までの敵は、プレイヤーキャラで倒しているし、罠の位置も、ゲームの世界と、現実世界がシンクロしているはずだから、罠の位置もゲームと同じはずだ!」
一方…
ダークマター「…奴を花畑に行かせた目的は?」
ソアラ?「復讐の準備段階だよ。…お前は、生まれ変わりって信じるか?」
ダークマター「別の誰かが、同じ質問をして来たな…。その答えを言うにはまず死ななければならないからな。つまり、貴様がその答えを知る事は不可能だ。それよりも、何時までソアラの格好でいるつもりだ?」
ソアラ?「真実を知る権利は誰にでも必要だ。知らないのは、罪だ。知らせないのも罪だが、おっと、貴様の要望に応えて姿を変えよう」
ガチャーン! 勢い良くドアが開く
ナックルジョー「お前は…!」
花畑で垣間見た記憶の中の人物がそこにはいた。
ワドルドゥ?「…これは復讐だよ。君は僕を見捨てたんだよ。…覚えていないのか?」
ナックルジョー「いや…その…え〜と…」
ワドルドゥ?「僕は、こいつに誘拐されたんだよ(ダークマターの方を指差す) 僕は君に対して叫んだ。『助けて』と、だけど、君は無視したんだよ。君は怪盗を捕まえるのに夢中になっていたからさ。君が後悔するべきは、別の所だったのだよ」
ナックルジョー「…そんな!馬鹿な!!!!(頭を抱え苦しむ)」
ダークマター「後、爆発まで5分。爆弾は恐らく、長官の体の中にあると思われる。さて…復讐はもう十分だろ」
ワドルドゥ?「何言っている!俺は貴様によって生み出された、絶望だ!恨みだ!憎しみだああああああああああ!(何かに変わる)」
ナックルジョー「何だ…これ?」
ダークマター「彼は、私の実験台達から偶然生まれた絶望と言う名の、モンスターだ。彼は通称、ダークゼロと呼ばれている。しかし、私の知っているダークゼロとは、何かが違う…」
ダークゼロ「実験台達…いや、希望達の恨みはこんな物では済ませんぞ!貴様らを殺してから、他の希望達の憎しみの対象も殺してやる!」
ダークマター「偶然とは言えこんな素晴らしい物が出来るとは…しかも、彼には、電脳世界と現実世界を繋ぐ事が出来る。もしかして…デジタルクローンにもこいつは関係しているかもしれないな。…良いサンプルだ。しかし、今、お前が言っている事も嘘だ。お前は、何が目的でこんな事を…」
ナックルジョー「後、2分、もう駄目だ…俺は、一人の生物も救えない奴が…爆弾なんて止められるはずない」
ダークゼロ「時間等に、気にしやがって!そんな物関係無く、この世界等私にはどうでも良い!私の存在は、どの世界にもあるのだ、絶望がっ!…俺は時間と世界を超えられる者だ!貴様らとは全てが違う!
未来はもう、刻一刻と変わっているのだ…俺自体が証拠だ!なあ、ダークマター!」
ダークマター「…!やはり、私の知っているダークゼロではないな!それに、どうでも良いなら、勝手な事をしないでもらいたい。私はいずれこの世界を混沌を陥れ、破滅させる。状況が変わっても、それは絶対だろ?…違うとても言うのか!」
ダークゼロ「全ての物事に絶対と言う言葉は存在しない。この世界は、本来の歴史とは別のタイムラインに進んでいる。お前が、未来を変えたからだよ!この世界は間違っているんだよ。俺は、間違っている世界で生まれてきてしまったんだよ。だから貴様を復讐する!未来を変えた事を後悔しろ!!」
ピーーーーーーー! 大きな機械音が鳴り響く。
ナックルジョー「爆発する!…いいや、もう、死んでも」
ダークマター「長官ごと、爆弾を始末する。(長官を上に放り投げる)」
ドッカーン!!!!! 大きな爆発音が鳴り響く
ダークマター「貴様は、絶望ではあるがもう1つ貴様を動かしている物がある!貴様は何者だ!」
ダークゼロ「俺は偶然生まれた偽りの世界で偶然生まれた偽りの存在。だが、俺は何にでもなれる。言っただろ?俺は時間と世界を超える事が出来ると…俺は希望達の絶望であり、俺自身の絶望でもある。全てを知っているんだよ。この世界の結末を…だから、変えたいんだよ。この世界の結末を!」
ダークマター「お前は…過去や未来に影響されないモノなのか」
ナックルジョー「俺には…何も出来ない。人一人守れない…」
ダークゼロ「ナックルジョーよ。君がいると、都合が悪い事が起こる。だか、死ぬな。死ねばこの世界の結末は同じ事になる」
ダークマター「…この世界は終わるのか?」
ダークゼロ「あぁ…私とは違う存在であり、同じような存在の者達がこの世界を終わらせる。そして、終わらせる者の一人がナックルジョーだ。後、分かっているのは、ウィリーと言う者と、ワドルドゥだ。残念ながら、ウィリーの行方は分かっていない。ワドルドゥは、君が本当に実験台として使い今も何処かで彷徨っているだろう」
ダークマター「…もしかして、ループしているのか。この世界は」
ダークゼロ「平行世界、つまり別のタイムライン、分かりやすくいうと、パラレルワールドが今も増えている。だから、ループはしていない。だが、それに近い物だ。私はそこを超える事が出来る。しかし、自分の意思では不可能だ。そして、私はこの間違った世界に入ってしまい生まれてきてしまった。お前のせいで、結末は同じ物になる可能性が増えてしまったのだ。結末を変えるには、奴らの目指した本当の平和を創りださないといけない!」
ダークマター「さっき言っていた、国民が真実を知ると言う事か…」
ダークゼロ「あぁ…その世界を創りだせば、世界に終末は訪れない」
ダークマター「そんな世界、私にとっては、つまらないな。」
ダークゼロ「そう言う奴が出てくるから、何回も世界は終わってきたんだよ!」
ダークマター「お前は何故、過去や未来に影響されないんだ?私も世界を超えてみたいのだ」
ダークゼロ「未来でタイムマシンは完成している。俺は、そのタイムマシンの一部だったからな。そのタイムマシンのせいで、パラレルワールドが増えてしまったんだ。そして、私は意思を持つ事が出来るようになった。この終わってしまう世界を変えたいと…」
ダークマター「しかし、君の願いは空しく、世界は何度も終わってしまった」
ダークゼロ「俺は色んなパラレルワールドに行ってきたが、この世界を変えられる事は出来なかった。世界は同じ奴の都合によって創られ、同じ奴の都合によって壊される。俺の本当の正体はその壊された者の執念だ。
もう、分かったかい?この世界を変えるには、本当の平和が必要なんだ!俺が君を呼んだ目的は、君は知る必要があるんだ。この世界の終末を。そして、守る必要があるんだ。この世界の全部を」
ダークマター「君は絶望であり、希望だったのだな。この世界の全ての希望だ。そして、この世界の全ての絶望だ。だが、つまらないな。結末を知るのは…私はこの世界を守る。しかし、平和にする気はない。俺にとって君は敵だ。サラバ!(そう言って消える)」
ダークゼロ「…まあ、予想通りだな。さて…ナックルジョーは、放っておいても問題ないな(そう言って消える)」
ナックルジョー「俺はもう駄目だ…俺はもう駄目だ…俺はもう駄目だ…俺はもう駄目だ…(精神が崩壊し、一点を見つめながら、同じ事をつぶやいている)」
ガニョッキ「…いた。ナックルジョー。もう大丈夫だ。帰ろう」
ナックルジョー「…この、世界は、終わ…る」
俺は、その後、精神が回復したがあの事がトラウマになり、あまり、外には出たくなく、電話も怖くなってしまった。
私は偽りの平和の裏側を見たのだ。
恐ろしく、壊れていた。
ただ、死ぬ事を何故か考えられないのだ…
生きる理由もないのに…
予告電話 完