あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: 沢庵/投稿日時: 2015/10/02(金) 18:09:24
投稿者コメント:
カービィは出てきません。どうぞ、気楽にお聴きください。
ニ重奏〜デュエット〜 現在編
こうして、私の世界は初めて変わった。

永遠だと、思っていた4人の日々が

この世界の闇によって、葬られた。

この世界の平和は偽りだ。

悲しくて、苦しい者を見て見ぬふりをするのが、平和なのか。

間違っている…

しかし、しばらく経つとそれに慣れるのだ。

腐敗した世界に適応してしまったのだ。

………


デカサボン「おい!お前、お前だよ。馬鹿!速く来いよ!!」

ファンファン「は、はい!」

デカサボン「…発注ミスがどうやらあったらしいんだよ。お前、謝って来い」

ファンファン「でも、それってデカサボンさんのミスじゃ…」

デカサボン「ああ?部下の手柄は上司のもの。上司の失敗は部下の責任だろうが!いいから、謝って来いよ!」

ファンファン「は、はい!」

バーニンレオ「…(デカサボンを睨みつける)」

デカサボン「ああ?何?上司に向かって文句でもあんの?」

バーニンレオ「い、いえ!何もありません!」

私には、何も出来ない。

いや、出来る。だが自分が一番だ。自分が一番大切なんだ。

フフ…こうして、何かに怯えて生きていくんだな。






ある日

バーニンレオ「ああ〜疲れた。ん?なんか、ハガキがあるぞ」

内容は、同窓会の招待だった。

私は、出席の方に丸を付けた。

あの時には戻れないかもしれない。

いや、むしろ現実を思い知らされるだろう。

酷いいじめを受けた記憶が脳を過る。

楽しかった時間を思い出す事は出来ないかもしれない。

だが…何か変わるかもしれない。

同窓会、当日

バーニンレオ「…タイムカプセルなんて埋めた覚えないけどな」

ブロントバート「いやいや!埋めたって絶対!俺、覚えてるから!」


たわいのない会話だ。どうやら、皆は私をいじめていたというのをすっかり忘れているようだ。
予想と違う対応に驚いた。
しかし、恐らく裏があるのだろう。
ここに居ても意味は無かった。
…居る訳ないよな。あいつら。

バーニンレオ「それじゃ、明日用事があるので」

ブロントバート「…じゃあな。(ちっ!逃げやがって!せっかく苛めてあげようと思っていたのに!)」



ふう…気分が悪い。
さて、早く帰ろう。
そう思った時だった。




女性「…バーニンレオ」

そこには、見覚えがある奴がいた。

バーニンレオ「あ?………スカーフィ!?」

スカーフィ「同窓会に出席したんだね」

バーニンレオ「あ、ああ…」

昔の記憶が蘇る。少し大人っぽくなっている。だが、スカーフィだ…でも、スカーフィはチリーと共に居なくなったはず。



スカーフィ「どうして、この場にいるの?…みたいな顔をしているよ」

バーニンレオ「だ、だって…居なくなったから。学校からチリーと一緒に居なくなったからさ。しかも、あんな別れ方しちゃってもう会う事がないと思っていたからっ!」

言葉が上手く出ない。ちぐはぐになってしまう。
心が締め付けられる。

スカーフィ「ねえ、学校に行かない?」

バーニンレオ「で…でも、もう遅い時間だし閉まってるよ!」

スカーフィ「…部長命令。学校に来て」

…この言葉に心がドキッとした。

ああ、君は変わらないな。

何一つ変わっていない。

昔の自由奔放な性格。

強引に引っ張ってくれた青春の日々。

私にくれた、いっぱいの思い出。

いや…それを終わらせたのは私だ。

後悔が私の中で満たされる。

あの時、罰とか資格とか変な理由つけないで、現実から目を背かなければ良かった。

カプセルの真実をちゃんと伝えた上で、スカーフィ達を止めるべきだった。そうすれば、学校から居なくなるなんて事も起こらなかったのに…

スカーフィ「私とチリーはどっちみち、居なくなっていたんだよ」

バーニンレオ「…え?どういう事?」

スカーフィ「カプセル一家が行方不明になった時に、警戒した私とチリーの家族は引っ越しを提案。
…嫌だった。だから、チリーと一緒に家から出たの。だから、あなたのせいじゃないの」

バーニンレオ「でも、嫌だった理由は俺がカプセルを殺したという証拠を集めるためだろ?」

スカーフィ「違う!私はあなたがそんな人じゃない事は知っているから!」

バーニンレオ「…じゃあ、何のために?」

スカーフィ「カプセルを殺した奴を、真犯人を見つける為に…とか思ったけど、もう、どう足掻いたって彼は戻ってこないから、だから、忘れないために、この国に居る事で彼の事、彼との思い出を忘れないように、辛いけど…忘れては決していけないと思ったから。ごめんなさい。私も現実を受け止めたくなくてあなたにさよならを告げずに引っ越してしまって…」

そうか…そうだったのか。俺は勘違いをしていたのか…

スカーフィ「私の方にも、間違ってだと思うけど同窓会の案内が来ていたの。それで、もしかしたら、あなたに会えるかもって思ってね」

バーニンレオ「そうか…今日ほど嬉しい日はないよ。…そういえば、チリーって何しているのか分かる?」

スカーフィ「いいえ…引っ越す場所はまったく別だから、家出の時以来会ってないわ」

バーニンレオ「それじゃ、今はスカーフィにしか言えないけど…あの時はすまなかった。カプセルがいなくなったという現実を信じたくなかったんだ。君達がいなくなったのも、俺から避けるためかと思って考えたくなかったんだ」

スカーフィ「…少し、話しすぎちゃったね。それじゃ!学校に行こう!(バーニンレオを連れて、学校へ向かう)」


俺は改めて思ったスカーフィが好きだと…

ただ、俺は人を愛する資格はない。

…また、資格とか言ってしまった。

彼女はそんな事関係無かったのに…

いや、チリーも関係なかったはずだ。

俺はくだらない事に縛られていたんだな。

さあ行こう、学校へ。

そして、いっぱい昔の事を思い出そう。

自分のためにも、スカーフィのためにも、チリーのためにも、
そして、カプセルのためにも…

ニ重奏〜デュエット〜 続

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