EP.1-2 Trigger 2
……ただ、最近は人間を見る目が少し変わってきた。
僕がいる畑の畦道は、近所に住む人たちが
沢山通り過ぎて行く。
農家のおじさんおばさん、家へ帰るサラリーマン、
学校へ通う子どもたち……
……誰も彼も、その表情は将来への希望に
満ちている。
動くことも出来ずに、死に怯えている僕とは大違いだ。
僕も足を使って歩きたい。笑ってみたい。
彼らの世界はきっと、僕の世界よりも、
何千倍何万倍、いや、
何億倍も輝いているんだろう。
とはいえ、そんなことが現実に起こる訳はなく、
今日もただ、空を見ていた。
嗚呼、やっぱり今日も青いなあ……