第三話
星野カービィ23歳は今・・・
人生最大の窮地に叩き落とされていた!
・・・・「ヤバい」
星野は呟いた。迂闊だった。
財布を家に置いてきてしまったのだ。
もう既にバスは出発している。手遅れだ。
・・・いや待てよ。
星野は考えた。運転手にちゃんと事情を説明すれば分かってもらえる。・・・と。
当然である。
よし。これで何とかなりそうだ!
星野の心が希望に満ち溢れ始めた瞬間。
とてつもない爆音が轟いた。
星野は反射的に爆音の聞こえた方向に振り向く。
どうやら爆心地は、自分の乗っているバスの運転席の様だ。これは非常に危険な状況である。
「・・おいおい。ここで怪人出現とかマジかよ」
星野は思わず口に出してしまった。
でもヒーローである以上、戦うしか無い。
どうやら、また病院にお世話になるらしい。
だけど今回は違った。
怪人は惑わず星野に襲いかかってきた。
その瞬間・・・。
怪人の胴体が真っ二つに割れた。
一瞬、何が起きているのか分からなかった。
「大丈夫か?」
黒い球体が問いかける。
星野は依然、開いた口が塞がらない状態だった。